インバスケットとは?トレーニングできる能力やインバスケット思考を上達させるコツ

インバスケットとは、架空の人物になりきってランダムに選ばれた案件を処理するシュミレーションの一種です。予測不能な問題を即座に解決する能力を測定できることから、新人採用・昇格試験・スキル測定など、多くのビジネスシーンで採用されています。この記事では、インバスケットの意味や特徴、研修の種類、実際にインバスケットトレーニングを行うときの注意点などについて解説します。

目次

インバスケットとは

インバスケットとは
インバスケットとは、未処理の仕事や書類が入っている未処理箱を意味しています。

もともと1950年代にアメリカ空軍の教育機関で訓練結果を測定するために開発されました。基礎知識を学習して、その学習効果が応用できるかをシュミレーションするためだったと言われています。
現在では、インバスケットが大手企業や官公庁などの管理者やリーダーの、教育目的として有効なので活用されているのです。

インバスケット思考とは

インバスケットには未処理箱の意味がありますが、インバスケット思考となると、制限時間内に未処理の案件を正しく処理することを目指す思考方法となります。

なぜこのインバスケット思考が管理職やリーダーの教育や研修に向いているのでしょうか?

それは管理職やリーダーは、仕事内容の違う部下をまとめ仕事を処理していくために、コミュニケーションや未経験分野の問題発見処理能力、意思決定力などが必要となります。

リーダーとして、部下の仕事がスムーズに解決でき、チームとして様々な仕事を回して行けるように、管理や処理能力を高めることがインバスケット思考の目的なのです。

もちろん、管理職やリーダーでなくても、複数の案件を抱えることが多い仕事している人にも有効な思考となっているのです。

インバスケット思考を行うにあたり必要なこと

インバスケット思考を行うためには、訓練や練習が必要となり、そのために教材や問題集などが必要となります。

インバスケット思考のトレーニングは、1つのストーリーに沿って問題を考える形式となります。ストーリーで指定された役職を演じることとなるのですが、基本的に経験したことがない役職となります。

そこで与えられた問題を、与えられた役職になりきって解決していくのです。そういった考えられ設計されているストーリーで効率的にトレーニングするためにも、教材や問題集が必要となります。

インバスケットの試験も

インバスケット思考は、管理職やリーダーへの教育や研修だけではなく、試験でも使われています。
インバスケット試験は特に企業での管理職への昇格試験などで採用されています。

管理職やリーダーは、知識や経験が多いだけでは務まりません。問題解決能力やコミュニケーション能力、部下や自分のチームを上手く回していく能力が必要となります。

そのためにも、他の試験ではそういった能力を測ることが難しいので、インバスケット試験を採用しています。

そこで、急にやってくるかもしれない昇進試験に合格するために、インバスケット思考を高めておくことが必要となるのです。

インバスケット思考でトレーニングできる能力

インバスケット思考でトレーニングできる能力
では実際インバスケット思考をトレーニングすることで、
優先順位の判断力・問題解決分析能力・コミュニケーション能力・意思決定力などの能力を上げることが出来ます。
他にも上げることが出来る能力が様々あるのですが、管理職や複数の案件を抱える仕事をしている人にとって、一番必要となる能力を紹介します。

優先順位をつける判断力

仕事で複数の案件を抱えていると、どの仕事を優先的に処理していくか判断しなければなりません。インバスケット思考をトレーニングすることで、どの仕事を優先的に処理すれば良いのかを、判断するための能力を上げることが出来ます。
特に管理職だと、部下が抱えている仕事を把握しておく必要があります。
ただ部下の人数が多いと、全ての仕事を把握するのは難しくなってきます。そこであらかじめ優先順位の高い仕事を判断し、部下に急ぐように伝えておけば問題ありません。同時に、部下が仕事を抱えすぎていると時に、仕事を仲間に振り直すか案件の優先順位を指示するかなどの判断力が必要となるので、優先順位を付ける判断力が必要となってくるのです。

論理的思考力(問題解決力)

インバスケット思考をトレーニングすることで論理的思考能力を高めることができ、経験していない分野の仕事を担当することとなったり、部下へ効果的に指示を出すことが出来るようになります。
特に、突発的な仕事や問題が発生したとしても、論理的思考力が高いと落ち着いた対応を取ることが可能となるのです。

インバスケットを上達させるコツ

インバスケットを上達させるコツ
インバスケットを上達させるためには問題集やトレーニングを重ねるだけではなく、普段の仕事や生活からインバスケットを意識することで、各段と上達スピードを上げることが出来るのです。その普段から意識することでインバスケットを上達させることが出来るコツを紹介します。

優先順位を意識して取り組む

仕事や普段の生活で、優先順位を意識的に判断することが必要となってきます。特に私生活だと優先順位が、楽なものから取り掛かったり、面倒くさいことを後から取り組んでいるのかもしれません。
しかし、優先順位を意識することで日ごろから何を優先すればいいのか考をえることで、結果的に習慣となり仕事でも優先順位を考えながら取り組むことが出来るのです。

関連性を意識して無駄を少なくする

今行っていることが何と関連するかを意識することで、インバスケットを上達するコツとなります。
特に重要度が高い仕事やタスクは、意識的に実行していく必要がありますが、重要度が低いタスクであれば後回しにしても大丈夫です。
さらに必要ないと判断することで無駄を少なくし、これまで関連性の低いことに使っていた時間を重要性の高いことなどに使うことが出来るのです。

スピードを意識する

仕事やタスク、1つ1つの動作でスピードを意識することが大切となってきます。
普段からゆっくり仕事をしている人が、急に仕事のスピードを上げることは非常に難しいのです。
しかし、普段から仕事やタスクのスピードを高めておくことで、急な仕事での判断でスピードを求められても対応することが出来ます。
インバスケットは複数の案件を解決していくことが必要となるので、解決するためのスピードが重要となってくるのです。

数をこなして慣れる

インバスケットは、複数の案件対応能力や未経験の役職でも対応できるようになるために、トレーニングをします。そのため役職に必要なスキルよりも、対応する人の能力を上げることが必要となります。
なので、インバスケットの問題集やトレーニングの数をこなして慣れることが、一番自分の能力を上げることができ、経験値も積み重なるのでインバスケット上達につながるのです。

インバスケットの問題集

インバスケットの問題集
インバスケットの問題集にもいくつか種類があります。
そこで、インバスケットの問題集や教材を取扱っている会社ごとに紹介します。

インバスケット研究所の教材

インバスケット研究所では、仕事の担当者から管理職や経営幹部クラスまで、それぞれの役職に対応した教材を販売しています。一番の特徴としては、オリジナル教材を作成してくれるのです。自社独自の評価項目や受験者の職層に合わせた問題を作成してもらえるので非常におすすめです。

(有)人事・労務の教材

(有)人事・労務では、1,000人を超えるインバスケット指導経験者が作成したインバスケット問題集を販売しています。添削の有無しが選べ、急いで結果が知りたい場合は無しを選ぶことで結果をすぐに確認することが出来ます。

インバスケット合格予備校は無料で問題を提供(PDF)

インバスケット合格予備校では有料問題集だけではなく、無料の問題集も提供しているのです。内容は課長職と限定されてはいますが、インバスケットがどんなものなのか知りたい人には、まず無料の問題集をダウンロードすることをおすすめします。

インバスケットにまつわる本

インバスケットにまつわる本
問題集もいいけど、まずは本を読んで勉強したいと思う人も多いと思います。
そこでインバスケット関連の本を紹介します。

究極の判断力を身につけるインバスケット思考

インバスケット思考の入門書となっています。
基礎から実践問題まで収録されているので一通り勉強したいという人におすすめです。

入社2年目のインバスケット思考 ~ 一生ものの仕事の進め方 ~

こちらの本は、4人のキャラクターからそれぞれのストーリーを読み進めていく形式となっています。ストーリーになっているので実際の体験のように勉強することが出来ます。

いまから、君が社長をしなさい。 ~ 経営思考を身につけるインバスケット・トレーニング ~

実際に読者が社長になりかわって難問を考えていく形式になっています。制限時間も設けられているので、インバスケット思考を高めたい人にはおすすめの本です。

まとめ

インバスケットのまとめ
インバスケットは今後昇進を望む人や、管理職やリーダーとなった人にとって必ず必要なトレーニングとなります。
働き方が変わる中で、部下やチームメンバー1人ずつに合わせた配慮や指示が必要となってきます。
これまでのように、頭ごなしに命令するだけの時代は終わり、管理職として、人の上に立つためには部下をまとめる相応の能力が必要です。
そのためにも、普段からインバスケット能力を意識して、自分自身の能力を高めていく必要があるので、まずは本を読み始めるところから始めてみることをおすすめします。

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