リーディングカンパニーとは?意味・類義語・正しい使い方・企業事例を紹介

リーディングカンパニーの記事
ビジネスでは、業界のリーディングカンパニーという言葉をよく聞きますね。企業規模や業績はもちろんですが、他社に負けないブランド力や圧倒的なビジョンなど、リーディングカンパニーは業界をけん引するにふさわしい条件を備えています。この記事ではリーディングカンパニーの意味や使い方、企業事例を紹介しますので、リーディングカンパニーについてぜひ理解を深めてみてください。
目次

リーディングカンパニーとは?

リーディングカンパニーとは、業界をけん引する企業のことです。意味や語源について説明します。

リーディングカンパニーの意味

リーディングカンパニーは、英語では(leading company)と書きます。(leading)は「率いる」「導く」であり、業界を導く・けん引する企業という意味で使われます。

企業規模や業績だけではない

リーディングカンパニーは業界をけん引する企業という意味なので、企業規模が小さくては業界をけん引する企業とは呼べません。

また業績も重要な要素です。いくら事業規模が大きくても、毎年赤字を垂れ流している企業はリーディングカンパニーと認定することができないでしょう。

しかし、企業規模が大きく業績好調な企業だけがリーディングカンパニーと呼べるかというと、疑問符が付きます。要は経営者がどんなビジョンを掲げて経営しているかが重要なのです。

ジョブくん
「企業規模の大きさ」「業績の良し悪し」「業界に新しい息吹を与えるビジョン」の三つがリーディングカンパニーを判断する重要なポイントといえるでしょう。

どんなビジョンを掲げて経営しているか

リーディングカンパニーと呼ぶには、企業規模や業績だけではなく、経営者がどんなビジョンを掲げて経営しているかが重要になります。

  • 「イノベーションを創出する企業でありたい」
  • 「常に刺激的な事業に挑戦し続ける」
  • 「業界を大きく変える画期的な発明をしたい」

など、現状に甘んじることなくイノベーションや新規事業開発に取り組む革新的なビジョンや取り組みが、リーディングカンパニーの気質と言えます。

リーディングカンパニーの言い換え表現とは

リーディングカンパニーには、フラッグシップカンパニーという言い換え表現があります。どんな意味でしょうか。

フラッグシップカンパニーとの違い

フラッグシップカンパニーは、業界の中で最も規模の大きな企業を言います。(flagship)には、同じ種類の中で最高のものという意味があります。

一方でリーディングカンパニーは業界をけん引する企業なので、必ずしも最大規模でなくても構いません。例えば、2018年度の自動車販売台数で世界一を果たしたのはフォルクスワーゲンでした。

日本のトヨタ自動車は3位。トヨタ自動車はフラッグシップカンパニーではないですが、自動車業界のリーディングカンパニーであるということです。

リーディングカンパニーの使い方

リーディングカンパニーの使い方を説明します。

業界で主導的な役割を果たすリーディングカンパニー

「業界で主導的な役割を果たすリーディングカンパニーである」TVCMやインターネット広告等もたくさん打ち、知名度が高く、新商品は常に他社を先行している。こんなイメージの企業に対して、業界で主導的な役割を果たすリーディングカンパニーだという使い方ができます。

企業規模が小さくても業界のリーディングカンパニー

リーディングカンパニーの全てが、企業規模が大きい訳ではありません。ニッチな業界ではそもそも、業界全体の規模自体が小さいです。ニッチな業界で他社をけん引する企業には、「企業規模が小さくても業界のリーディングカンパニーである」という使い方ができます。

リーディングカンパニーの条件

リーディングカンパニーと呼ぶには、4つの条件のどれかを備えている必要があります。

先進的なビジネスで勝負している

先進的なビジネスで勝負していることはリーディングカンパニーの条件として重要です。既存の市場で既存の商品に依存しているだけではビジネスで勝っていけません。

リーディングカンパニーは、イノベーションを創出し、業界では先進的なビジネスで勝負している企業なのです。他社が追随するような商品を発表する会社は先進的なビジネスで勝負しています。

ジョブくん
かつての「iPhone」を販売したアップルなどがそれにあたるでしょう。

業界で圧倒的な地位を確立している

業界で圧倒的な地位を確立していることもリーディングカンパニーの条件の1つ。

ソニーのイメージセンサーは世界シェア50%で、まだまだシェアを拡大しようとしています。50%ものシェアがあるとなかなか他社は太刀打ちできないので、業界で圧倒的な地位を確立するリーディングカンパニーと言えるでしょう。

個性的なビジネスがある

個性的なビジネスもリーディングカンパニーの条件です。

業界では誰もやらなかったことをビジネスにした企業、水と油と思われた事業をミックスさせた企業。このような個性的なビジネスを展開する企業は、リーディングカンパニーと言えるでしょう。

達成困難な目標を掲げて達成している

達成困難な目標を掲げて達成していることも認定されやすい条件の一つ。

「これは無理だ」と思われて目標を下げたり、目標そのものを止めたりするのではなく、リーディングカンパニーは困難な目標を掲げて、しかも達成していける企業です。

リーディングカンパニーの事例

日本におけるリーディングカンパニーとは、どんな会社のことを指すのでしょうか。

代表的な会社を3つ紹介します。

ユニクロ

ユニクロを展開するファーストリテイリングは、売上高世界3位を誇るアパレルブランドのリーディングカンパニーです。

1998年に始まったフリースブームのけん引役としてアパレル業界に名を轟かせたファーストリテイリングのユニクロは、安価で高品質な製品を次々と発表し、誰もが1度は袖を通すアパレルブランドとしての地位を確立しました。

ハイブランドと合わせても遜色ないシンプルなデザインが消費者の心を掴み、ヒット商品を連発。しかも「ジル・サンダー」や「クリストフ・ルメール」など、トップデザイナーと協業することでブランド力を高め、アパレル業界のリーディングカンパニーとなりました。

デンソー

デンソーは、自動車の部品メーカーとして世界的に知られています。

元々デンソーはトヨタ自動車の開発部の1つでしたが分離独立し、現在ではロバートボッシュに次いで売上高世界2位を誇る企業にまで成長。まさに自動車部品業界のリーディングカンパニーにふさわしい規模と業績と言えます。

デンソーは1949年に創業。創業当初は経営難に陥りロバートボッシュと技術提携を結び、見よう見まねで技術力を高め成功を収めてきました。

ハイブリッド車に必要なモータージェネレーター、半導体デバイス・ECU等の電子システム等、次代の自動車部品に欠かすことのできない製品を開発しています。

投資にも積極的で2018年度の設備投資額は前年の「3,472億円→4,000億円」、研究開発費は前年の「4,474億円→4,950億円」に上っています。

ソニー

ソニーは、テレビ、カメラ、オーディオ機器等の家電、イメージセンサー、ゲーム、映画、金融や不動産に至るまで幅広い事業を営む日本企業です。事業が多岐にわたる会社は珍しくないですが、ソニーの場合は先進的なビジネスによって業界のリーディングカンパニーとしてけん引しています。

例えばソニーが手掛けるミラーレス一眼カメラ。一眼レフカメラ全盛時代には、ソニーは後発のカメラメーカーとしての地位に甘んじていました。

ところがミラーレスにより初心者向けではなく高級路線に舵を切ると他社からシェアを奪取。スマホのカメラでは撮影できない品質を追求するカメラメーカーとして認知されました。

ソニーの「Sony Startup Acceleration Program」は、社内外の企業や人材を巻き込んだスタートアップ支援プログラムです。次世代リモコンHUIS、電子ブロックMESH、スマートウォッチwena wrist、ソニー不動産、子ども用プログラミング玩具toio等、数多くの商品や事業がこのプログラムから生まれているのです。

リーディングカンパニーへの理解を深めよう

この記事では、リーディングカンパニーの意味や使い方について詳しく解説しました。

業績が良くて企業規模が大きいだけでなく、先進的なビジネス・業界で圧倒的な地位の確立・達成困難な目標の達成・達成困難な目標等がリーディングカンパニーの条件です。

フラッグシップカンパニーのように最大規模を誇る企業と違い、リーディングカンパニーは文字通り業界をけん引する企業として他にはない魅力を備えている企業なのです。

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