調整手当とは?支給される場合・残業代への調整・規定例を解説

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給与には基本給の他に様々な手当があります。調整手当もその1つですが、家族手当や地域手当等と違い企業によって支給要件が異なるのが特徴。他の従業員との給与のバランスを保つためや、残業代として手当が支給されることも。調整手当の意味、支給される場合、調整手当の運用方法や規定例を解説します。

調整手当とは?

調整手当とは、基本給の他に支給される手当の1つです。手当には家族手当・地域手当・資格手当等がありますが、それらの手当はどんな企業でも大体の意味合いは同じです。調整手当の場合は、給与のバランスを保つ名目で様々な意味で使われ、また、残業代として支給される場合もあるのです。

様々な不均衡を是正するための手当

調整手当は、給与のバランスを保つために使われます。バランスを保つとは、いわば、調整手当は、様々な不均衡を是正するための手当とも言えます。

企業により支給要件が異なる

調整手当は企業により支給要件が異なります。例えば、基本給やその他の手当を合算しても、その社員の能力や見込まれるパフォーマンス程の給与に満たない場合に支給される調整手当。あるいは、新卒の新入社員に対して、就業規則の初任給を変えずに新卒の相場まで給与を引き上げるために支給される調整手当があります。調整手当が「様々な不均衡を是正するための手当」と言える通り、色々な用途で調整手当は使われるのです。

調整手当が支給される場合

調整手当が支給される場合について解説します。

他の従業員の給与とのバランスを保つ場合

他の従業員の給与とのバランスを保つ場合に調整手当が支払われます。年功的な賃金制度を採用している企業で、能力の高い特定の若手社員を賃金で評価したいと考えるとします。しかし、わざわざ賃金制度を変えるまでもないので、調整手当を支払って他の従業員との給与のバランスを保つ訳です。能力の高い特定の若手社員を調整手当で報いることでバランスを保つのです。

中途入社者の前職の給与とのバランスを保つ場合

中途採用でも調整手当は使えます。売り手市場と言われ、採用の難易度が高まっている環境にあって、採用したい求職者の前職の給与が自社の提示する給与より見劣りすることがあります。そういう時、中途入社者の前職の給与とのバランスを保つために調整手当を支払うのです。賃金制度を変更することなく、欲しい人材に基本給に上乗せして調整手当を支払えば、他社に見劣りしないので中途採用にプラスに働きます。

中途入社者の能力を見極められなかった場合

労働基準法は労働者保護の観点から、容易に解雇することができません。解雇できないからこそ、採用面接において中途入社者の能力を見極められなかった場合には調整手当を使うのです。例えば月給30万円の求職者に対して調整手当を3万円支払います。期間を6か月間に限定します。そして、期間中に能力を発揮できなかった場合、調整手当の支給を取りやめる規定にするのです。もちろん、能力を発揮できれば調整手当分を基本給に変換し、33万円とすることもできます。調整手当を支給し、能力の発揮度を試すのです。

人事制度を改定した場合

人事制度を改定した場合にも調整手当が支給されます。人事制度を改定し、等級の格付けを変更することがあります。例えば、4等級で480,000円の基本給をもらっていた人が等級格付けの変更によって3等級の430,000円に下がってしまうとします。そうなると月にして50,000円、年間で60万円の年収ダウンとなりますから、下げ幅が大きくなります。そこで一定期間、経過措置として調整手当を支給し、50,000円分をカバーするのです。

等級が下がったということは、会社からの評価がそれだけ低いということを意味します。従って、一定時間、経過措置を設けて調整手当を支給します。そして一定時間中の人事評価でA評価やB評価等を取ることができなければ、調整手当を外して430,000円の基本給にするという運用なのです。

調整手当が残業代として支給される場合とは

調整手当を残業代として支給することもできます。具体的な運用を説明します。

固定残業手当

調整手当を残業代として支給する時は、固定残業手当として支給します。内容は残業代なのですが、名目は調整手当を使うということです。固定残業手当ということですから、例えば30時間分の残業代として調整手当を支給することになります。30時間を超える残業を行った時は当然、その分の調整手当を支給しなくてはなりません。

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就業規則への記載を行うこと

固定残業手当として調整手当を支給する時は、労働者に調整手当=固定残業手当であることを伝えなくてはなりません。そうしないと残業代が払われていないとして、労使間トラブルを生むことになりかねないからです。また、就業規則への記載も必ず行わなくてはならないでしょう。

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調整手当がマイナスする場合

給与をマイナスにする必要がある時に調整手当を使うことがあります。具体的に解説します。

給与の過払いがあった場合

給与の過払いがあった場合には、調整手当をマイナスして給与額の調整を行います。基本給や家族手当等の他の手当を減額するのではなく、調整手当を減額することで過払い分を調整する訳です。

従業員にペナルティを課す場合

従業員にペナルティを課す場合にも、調整手当をマイナスして給与額の調整を行うことがあります。従業員が遅刻したり欠勤したりした時に、その時間・日数分について調整手当をマイナスすることで調整するのです。

調整手当の運用方法と規定例

調整手当の運用方法と規定例について解説します。

調整手当の目的を明確化する

調整手当を設けていない企業が調整手当を導入する際は、調整手当の目的を明確化することが重要です。闇雲に調整手当を設定すると、給与規程の管理が煩雑になったり、給与の支払いオペレーションにミスを誘発したりしかねません。

就業規則や給与規程に記載する

調整手当は就業規則や給与規程に記載する必要があります。調整手当の詳細は、就業規則や給与規程に盛り込んでも良いですし、「調整手当は会社が必要と判断した社員に支給する」のように抽象的な表現に留めておいても構いません。

給与明細の項目

調整手当を給与明細に記載する時は、社員に基本給と混同されないように分類して記載します。

規定例

調整手当を規定に盛り込む際には、「給与の構成」や「手当」を記述する欄に記載しておきます。また、調整手当という項目を独立して設けて、調整手当をどんな時に支給するのかを記述します。例えば、前述の「調整手当は会社が必要と判断した社員に支給する」でも構いません。調整手当の支給要件を具体的に規定に定めておく時は、その旨記述しておきます。例えば、「新卒の新入社員に対する初任給調整手当」「固定残業手当としての調整手当」「中途入社者に対する調整手当」について具体的に記述しておくということです。

まとめ

調整手当は、様々な不均衡を是正するための手当です。調整手当は、その他の手当のように手当の内容が各企業間で同じ意味合いとは言えず、企業の決め方で変わる手当です。中途入社者の前職での給与とのバランスを取るため、あるいは、固定残業代のために調整手当を支給する企業もあるのです。調整手当は就業規則や給与規程にその旨規定しておく必要がありますが、詳細の内容を必ずしも明記する必要はありません。

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