企業や組織での研修を目的として「OJT研修」を取り入れるには、どんなポイントに注意すれば良いでしょうか?
今回は、これからOJT研修を成功させたい企業・組織内の人事担当者様に向けて、OJT研修の意味や目的、OFF JTとの違いなどを詳しくご紹介していきます。
OJT・OJT研修とは
OJT・OJT研修とは、「On-The-Job Training」の略称です。
実際の職務現場において、業務を通して上司や先輩社員が部下の指導を行う教育訓練のことです。
多くの場合、新入社員育成のための教育訓練を指しています。
上司や先輩社員が指導担当者となり、職務をする上で必要な知識やスキルを身につける教育方法です。
OJTは優れた教育手法のひとつ
OJTは優れた企業内研修として日本企業に浸透している教育手法です。
OJTの基本ステップは以下の4つの段階から構成されています。
やってみせる(Show)
説明する(Tell)
やらせてみる(Do)
確認、追加指導(Check)
職務訓練は、育成計画やマニュアル、評価システムを設定して計画的に実施されます。
OJTは、コミュニケーションを重視する目的や指導者の養成・強化にも繋がります。
OJTのメリット
▼OJTのメリット
実務を通して効率的に仕事を覚えられる
即戦力を養成する
個人の能力に応じて柔軟に対応できる
業務内で行うため生産性が下がらない
指導者自身のスキルも向上する
講師や研修を外注するとコスト削減になる
社内コミュニケーションが活性化する
OJT研修をするメリットは、自社独自の業務内容を把握して、即戦力となる人材を育成することができるのが最大のメリット。
個人の能力やスキルに応じて柔軟な対応ができるのもOJT研修を実施するメリットです。
OJTの問題点
新入社員に向けたOJT研修は、ストレス耐性に持ちこたえられるか問題点と言えます。
近年、少子化社会の影響もあり、家庭や学校などの教育現場においても大人から厳しく接せられる機会が少ないため、プレッシャーがストレス要因になってしまうことも。
あまりに厳しい教育手法は、新入社員の早期退職や心身の不調による休暇に繋がるリスクがあります。
OJTとOFF JT
OJTOff-JTとは、「Off-The-Job Training」の略称であり、職務現場を一時的に離れて行う教育訓練のことです。
OJTでは、育成担当者の指導力の差により、研修品質にバラつきが生じがちですが、Off-JTでは一定の品質を担保しやすい特徴があります。
OJTOff-JTは、職務現場を離れて、外部の講師を育成者に配置すると幅広い情報や技術の習得に役立ちます。
OJTはアウトプットの場であるのに対して、Off-JTはインプットの場であると言えます。
日常的にはOJTを実施して、内容に応じてOff-JTを併用するやり方が理想的です。
OFF JTとは
Off-JTは、集合研修において業界知識やビジネス知識、理論、原理原則を学びます。
Off-JTで学んだことをOJTで実践していきながら会社の慣例を学び、一人で問題なく業務が行えるようになります。
多忙な時にOJTを行うと指導者が他の業務をする支障が出てしまうため、Off-JTで基本的なビジネス知識の基礎をつけておくとスムーズに進みます。
OFF JTのメリット
Off-JTを実施するメリットは、外部機関に研修を依頼又は委託するため専門的な知識の習得することができること。
企業の実務から一旦離れて、一般の知識や技術などを学び、技術や業務をする意味を習得することができます。
Off-JTはほとんどの場合、個別研修ではなく集団研修となるためチームワークの重要性も再確認できるのがメリット。
OFF JTのデメリット
Off-JTは、従業員側は実際の業務に反映させなければ意味がなくなります。
企業秘密の漏洩防止のため、外部機関は研修後には学んだものを実務に反映させる過程まではチェックしません。
実務に活かすことができて初めてOff-JTの価値があったと言えるのです。
そして、Off-JTは外部機関に依頼又は委託するため費用が発生するのもデメリットと言えるでしょう。
OJTとOFF JTの使い分けが大事
OJTは、現場で実際に仕事を進めながら先輩や上司から仕事を教わる研修のため、実際に仕事を体験しながら理解を深めて即戦力となります。
OFF JTは、社内では学ぶことができない知識や技術を外部機関で学びます。
OJTとOFF JTは、両者を上手に使い分けることが社員教育のために重要です。
OJTのやり方や実施する際のポイント
OJTは、意図的・計画的・継続的の3つの原理を満たしているか確認してください。
4段階職業指導法として、やってみせる(Show)、説明する(Tell)、やらせてみる(Do)、確認、追加指導(Check)を実行します。
OJTを実施する際の流れ
ここからは、OJTを実施する際の流れを見ていきましょう。
1.マニュアル化
▼マニュアルに必要なもの
目的
指導方法
業務内容
評価基準
計画表
達成目標期間
評価基準は指導者・新人の両者が判断できること、段階的・体系的なトレーニングを目指しましょう。
2.フィードバック
▼2種類のフィードバック
できた部分を評価するフィードバック
改善点を教えるフィードバック
新人の成長・モチベーションアップのためには必要不可欠なフィードバックは頻繁に行うようにしましょう。
3.オープン・クエスチョン
オープン・クエスチョンとはYes/Noでは答えられない質問のことです。
OJTで教えたことは、新人が自分の言葉で説明できるようにオープン・クエスチョンを実施しましょう。
研修内容をどの程度理解しているか確認することができます。
効果的なOJTにするための注意点
OJT研修の指導者は、上司や先輩社員が担当するため、どうしても指導スキルには大きな差が出てしまいます。
知識や能力によって教育の質が変わってくるので、対策を取ることが大切です。
そして、上司や先輩は自分の業務を進めながら同時に指導に当たるため時間的負担が大きくなります。
人事担当者も育成計画の立案に積極的に関わることで、指導者の負担を軽減することができます。
OJT計画の作り方
OJT計画を作成する際は、以下の3つの要素を組み込むようにして、作成後は育成担当の人事と話し合いで決定します。
社会人としての基本姿勢、専門的スキルの2大項目
1年後の育成のゴールイメージを描く
いつまでに、何ができているかを具体的に記述する
計画する際のポイント
計画する際は、人事・教育担当が研修後に新人にどうなってほしいのか、どんなスキルを身に着けてほしいのかを具体的な目的や目標を明確にしておく必要があります。
OJTでは、職種ごとに目標と計画を立てていき、細かなステップを決めることがポイントです。
OJT計画書のサンプルや記入例
研修プランを考えるOJT計画書は、研修の通知書、日程スケジュール、研修を受けたスタッフ・新入社員に書かせるチェックシートや報告書なども用意する必要があります。
具体的な数値や期限などを決めると新人もイメージすることができて意欲的に日々の業務に望むことができるでしょう。
まとめ
OJT研修を成功させるためには、OFF JTと上手く併用して、より明確なOJT計画書を制作することが重要です。
ぜひ、今後の新人研修に活かすために導入して行きましょう。