定年退職とは?定年延長のメリットや、失業保険をもらうための条件

定年の記事
  「定年退職」とは企業が就業規則で定められた年齢を超えると、雇用契約が解除となる制度です。就業規則は企業によって異なり、定年退職の年齢設定や再雇用も変わってきます。今回は、定年退職の制度、定年延長のメリットについて解説していきましょう。
目次

定年について

定年について
定年退職とは、定年制を導入している企業が会社の規則で定めた年齢を過ぎると、自動的に労働契約が終了し、退職する制度をいいます。

定年退職制度は全体の企業の95%に取り入れており、ほとんどの企業が導入している制度です。

定年の年齢は会社の規則によって異なりますが、多くの企業は60歳以上に設定されています。

定年退職とは

定年退職の年齢は一般的に60歳または65歳が多いですが、法令により60歳を下回ることはできません。

実際の定年退職日は企業の就業規則によって異なりますが、定年を迎える年度末の日、誕生月の月末、誕生月の賃金の締め日などが設定されています。

2013年、「高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)」が改正されたことにより、再雇用または年齢引き上げが義務付けられました。

高年齢者雇用安定法とは、定年退職する者が年金受給開始年齢に達するまでの間、継続雇用される環境
を整えるための法律です。

定年退職の年齢を65歳未満としている雇用主は安定雇用するために以下の措置を講じなければなりません。


定年の引き上げ
継続雇用制度の導入
定年制の廃止

定年の年齢について

定年退職制度は60歳より下に設定にすることはできず、多くの企業は60歳、または65歳に設定しています。

厚生労働省の「就労条件総合調査 結果の概況」によれば、定年年齢を65歳に設定する企業が増加しています。

定年年齢は少しずつ引き上げられおり、70代の定年年齢についても導入が検討されています。

公務員の定年

公務員定年は現在、60歳に設定されていますが、日本政府は段階的に65歳まで延長する見込みです。

社会保障制度改革の一環として「生涯現役社会」を目標にしており、高齢者でも働ける社会を目指しています。

まずは、国家公務員の定年を延長して民間にもその動きを広める方針です。

2013年に施行した改正高年齢者雇用安定法により、
企業は段階的に65歳までの労働希望者の雇用を義務付けています。

退職金について

退職金とは、退職した際に勤務先の企業から支払われる賃金のことです。

定年退職した時はもちろん、会社を退社した際にも退職金をもらえることがあります。

詳しい退職金や支払日については、就業規則や賃金規則に記載されているので、確認しましょう。

定年後の生活に不安を感じる人も

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、定年退職した後、老後の暮らしに金銭面で不安ありと答えた人は85.8%に上ります。

定年退職後、希望通りの働き方や暮らし方ができると思うかどうかを聞いてみると、49.5%が実現できないと感じていると分かりました。

定年延長について

定年延長について
近年は、少子高齢化、日本経済の長期低迷、終身雇用の崩壊により、労働環境が大きく変化しています。

定年年齢が従来の60歳から65歳に引き上げられたことにより、労働者と雇用者双方の希望が合えば「定年延長」できる企業も増えてきました。

定年延長に対する世間の評価

2013年4月、「高年齢者雇用安定法」が改正されたことにより、高齢者も希望すれば原則65歳まで継続して働くことが可能になりました。

定年延長する世間の意見は、定期収入を得られる期間が延びるのは嬉しいが、年金減額の可能性が気になっていると44%が答えています。

定年延長するメリット

 

定年延長するメリットは、企業側から見ると、長年働いてきた優秀な人材を確保できることです。

会社の仕組みをよく理解している人材は企業側も扱いやすく、労働者とにても専門的知識を活かすことができます。

公務員の場合は、60歳で退職しても年金支給開始年齢が65歳となりブランクがありますが、65歳までに定年延長すると、退職後すぐに年金がもらえるのがメリット。

定年退職後の再就職希望者の数も多く、長年身につけた能力を同じ職場で十分に発揮できることがメリットです。

定年延長するデメリット

定年延長により、高齢の社員が退社しないことにより、若手への世代交代が難航して、会社全体の高齢化がデメリットといえます。

公務員は民間企業とは異なり、定年を引き上げると給与も比例して上がり、若手社員の給料は上がりにくくなることが考えられます。

定年延長した場合の退職金について

退職金の支給方法は「退職一時金制度」と「企業年金制度」の2つのパターンがあります。

「退職一時金制度」とは、企業の退職金規定に沿って、一度にまとめて退職金が支給される制度です。

一方で「企業年金制度」とは一定期間または生涯にわたって、一定の金額が年金として支給される制度をいいます。

退職金は「自己都合退職」か「定年退職」によっても金額が変わります。

大卒の労働者が大企業を定年退職した場合の相場は約2,500万円です。

定年退職と失業保険

定年退職と失業保険
失業保険とは正式には雇用保険といい、失業した人が再就職するまでの生活をサポートする制度です。

失業保険の適用事業所で雇用されていた労働者が31日以上、週20時間以上雇用される場合が対象です。

労働者の失業保険加入が義務付けられているアルバイトやパートタイム労働者も失業保険の対象です。

定年退職でも失業保険はもらえる?

失業保険は職を失った人が再就職するまで失業給付金をもらうことができます。

定年退職した労働者も一定の条件を満たせば、失業給付金を受け取ることができます。

条件によって複雑な規定が定められており、失業時の状況によって給付額や給付期間が異なります。

もらうための条件

失業給付金を受け取るには以下の条件に合っている必要があります。


・離職日以前の2年間に失業保険の被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること

・積極的に就職しようとする意思があること

・健康状態・労働環境など、いつでも就職できる能力があること

・積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと

離職の理由は、会社都合で自己都合でも問題なく、受給対象となります。

定年後について

定年後について
ここからは、定年後の収入や生活について見ていきましょう。

定年後生活していくための収入は?

公的年金は定年後の主な収入源となり、現行の年金制度では原則65歳が受給スタートです。

60歳まで開始時期を早める「繰り上げ受給」、70歳まで遅らせる「繰り下げ受給」があります。

定年後の仕事はどうする?

定年後に再就職先を探すには、一度退職をしてから再び同じ会社に雇用される再雇用制度の活用することが一般的です。

しかし、年収は約20%~50%減って役職も下がってしまうため、ストレスを感じる方も多いようです。

その他、友人の紹介や民間の人材紹介会社を活用して仕事を紹介してもらうパターンがあります。

定年後に再就職せずに起業する道も

今から若者と同じ土俵で働くのは難しいと感じた場合は、定年後に再就職せずに起業する道も選択肢となります。

まずは自分の得意分野から起業したり、フリーランスとして働き始めるのも良いでしょう。

定年後に役に立つ資格は?

定年後の職探しや独立に役立つ資格は、離婚の調停が増えたことにより、行政書士のニーズが高まっているようです。

ビル、マンション管理には「電気主任技術者」、「建築物環境衛生管理技術者」「マンション管理士」はシニア層に人気があります。

定年後は趣味も大事

 
定年後に仕事や人との繋がりが途絶えると、会社生活とのギャップを感じることが多いです。

急に居場所がなくなって困惑しないように、心から楽しめる趣味を持つことも大切です。

定年後の再雇用について

定年後の再雇用について
定年の年齢は60歳~65歳以上が最も多く、再雇用を取り入れている企業は多いです。

改正された高年齢者雇用安定法により、再雇用されるケースが増えています。

改正された高年齢者雇用安定法の内容

高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)とは、希望する高齢者を65歳まで引き続き雇用することを企業に義務付ける法律です。

改正ポイントは、年金受給開始年齢までのブランク期間も働き続けられる環境が整えられました。

定年退職後に再雇用されるまでの流れ

退職することが支給条件であれば、退職時に退職金が支給されます。

引き続き労働を希望する人は、給与(賃金)などの内容を確認して同じ会社に再雇用されます。

「高年齢者の継続雇用に関する実態調査」によれば、60歳以上の労働者が継続雇用された場合、収入は定年時の賃金に比べて50%〜70%になります。

注意するポイント

定年後の再雇用後の待遇面や給与面は大幅に変わるため、契約内容はしっかり書面で確認しておくことが大切です。

定年後再雇用契約書の控えは必ず保管しておくことをおすすめします。

まとめ

定年のまとめ
民間企業は50代後半からの賃金が減額されるため、
定年前から安定した収入を検討することが大切です。

定年後の再雇用も考慮して、早めに人生設計を進めていきましょう。

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