職位とは?役職などの類語との違い・職位の一覧・書き方を解説

「あなたの職位は何ですか?」と尋ねられたとき、困った経験はありませんか。ビジネスで使い慣れた言葉でありながら、職位を質問されると回答に困りがちな言葉です。職位には役職、等級、職階、職責などの多くの類語があります。職位と類語との違いや職位の一覧を確認していきましょう。

目次

職位とは?

職位は職場における仕事上の地位を表す言葉です。つまり個々の社員の仕事上の地位が企業の中でどの位置に属しているかを表します。

企業により用法が異なる概念

職位は曖昧に使われることが多く、企業によって使われる意味が違います。企業内の仕事上の地位という意味と、割り当てられた仕事という意味の2つで使われます。そのため、他社の人と職位の話をするときには、職位がどんな意味で使われているか、文脈で理解する必要があります。

職位の類語との違い

職位には様々な類語がありますので、類語との違いを確認しましょう。

役職との違い

職位と混同されやすいのが役職です。役職とは企業内の地位のうち、管理職などのポジションを指す言葉です。具体的には係長・課長・次長・部長などを役職といいます。

「役職は何ですか?」と聞かれたら「人事課長をしています」「経理部の係長です」などのように、所属している部署と共に役職名を答えます。 職位には2つの意味があり「企業内の仕事上の地位」という意味がありますが、これは役職の意味と同じです。つまり職位は役職の意味を含んだ言葉と考えることができます。

等級との違い

等級は社員の区分や序列のために用いる言葉で、人事制度で使われます。能力、役割、職務などによって等級を決め、職位と連動させることが多いです。ここでの職位は役職と同じ意味です。

例えば1~3級は一般社員、4級は係長、5級は課長、6級は部長・次長などのように決めます。そうすれば等級が上がるごとに職位が上がることになるので、社員を処遇することができますし、人事評価としても等級と職位を扱うことができるのです。

職階との違い

職階は職務内容や責任の程度によって決められた階級のことです。社員の企業内の仕事上の地位がどこにあるのかを示した言葉で、職位と近い意味を持ち、職位といいかえても通じます。一方、職階を人事制度として用いるときには職階制といいますが、職位制といいかえることはできません。

職責との違い

職責は仕事をする上で生じる責任をいう言葉です。「職責を果たす」といえば、仕事の責任を果たすという意味で使います。人事制度上で、役職ごとに職責を明記している企業もあります。

例えば、部長の職責について「部長は、経営層の指示の下に、組織を統括し、人員を率いて部門目標を達成する責任を有する」などのように規定されます。

階級との違い

階級は軍隊や自衛隊に見られる地位をいう言葉です。軍隊や自衛隊組織における地位を明確に表します。民間企業や一般の公務員における職位を軍隊・自衛隊に置いたものと考えると理解しやすいでしょう。

職位の一覧

職位を企業内の仕事上の地位という意味で使うときは、役職と同じ意味で使います。職位の一覧を確認していきましょう。

会長

会長は、企業の代表者としての役職です。代表取締役会長と代表取締役社長を共に置いている企業では、会長の方が上の地位です。一方で、創業者や社長経験者が代表権のない会長に就くときは、会長は名誉職としての位置づけになります。

代表取締役、社長、CEO

代表取締役、社長は、会長と同様に企業の代表者としての役職です。会長が代表取締役でなければ、実質的な経営層のトップは社長です。事業を動かし、経営を束ねるのも社長です。

ただし会社法上は社長という役職は規定されていないので、法的に企業のトップになるには代表取締役社長である必要があります。会社法で企業のトップを表す役職を代表取締役というからです。

CEOは最高経営責任者と訳される役職で、アメリカから導入された呼称です。企業の代表者としての役職ですが社長同様に会社法上の規定がありません。そのため、代表取締役社長兼CEOという役職になっていることが多いです。

専務

専務は社長やCEOなどの企業の代表者を補佐する役職です。専務取締役というと取締役ですから、取締役会に参加して事業の意思決定、事業所の新設・廃止などを行います。取締役の中でも代表者の次に位置し、代表者不在のときは専務が経営を代行します。

常務

常務も専務と同じく代表者を補佐する役職です。専務との違いは、専務が経営に専念するのに対し、常務は日常の業務を担い、社員を監督するポジションであることです。

常務執行役員といったり、常務取締役といったりと呼称は企業によって様々。常務取締役の場合は取締役なので取締役会にも参加します。

CFO、CTO、CHO

CFOは最高財務責任者、CTOは最高技術責任者、CHOは最高人事責任者を表す言葉です。CFOは経理・財務に、CTOは技術に、CHOは人事に対してそれぞれ責任を持ち、意思決定を下す役職です。

なお、CEO同様に会社法の規定はないので、取締役と兼務することで企業の中での責任と地位を有することになります。

執行役員

執行役員は事業部門のトップとして事業運営を担う役職です。「役員」という言葉がついていますが、会社法上は役員ではなく労働者と同じ扱いです。

執行役員は会社法上の役員である取締役から直接に指示を受けて、事業を取り仕切ります。 執行役員は他の言葉と組み合わせて使われることも多い言葉です。例えば常務執行役員、CFO兼執行役員などという使い方ができます。

部長

部長は部門を統括し、部門の組織目標に責任を持つ役職です。次長・課長などの管理職、一般社員を率いるポジションです。規模の小さな企業であれば役員の下に部長が置かれ、役員から直接に仕事の指示を受け、役員を補佐します。大企業には部下がいない専門部長・担当部長という役職が置かれることもあります。

次長

次長は部門を統括する部長を補佐する役職です。課長よりも上位の位置づけです。次長は部長の代理者としてのポジションなので、部門の組織目標をよく理解し、部門の管理職の業務についても指導する役割を担います。

課長、係長

課長は課を統括する役職です。部門を統括するのが部長で、部門の中の課を透過するのが課長といえば、部長と課長の違いが分かりやすいでしょう。管理職の中では下位に位置する役職です。

係長は課長を補佐する役職です。課の中に多くの一般社員がいる場合は課長単独ではマネジメントできません。そのため係長が直接に一般社員と接してマネジメントを行います。ちなみに、係長を管理職とみなすかどうかは、以下の管理監督者性を満たすかどうかで判断されます。

  1. 経営者と一体的であること
  2. 賃金が一般社員より優遇されていること
  3. 業務時間・業務量に裁量が認められていること
  4. 企業運営や人事権への意思決定に関与できること

主任、一般社員

主任は組織内において社員を取りまとめるリーダー的な役職です。係長が主任に業務を任せたときに、業務を円滑に進めるためにリーダーシップを発揮する役割を担います。主任は役職者ではありますが管理職ではなく、一般社員と同じ位置づけです。

一般社員は組織内において組織の指示に従い、業務を遂行する者のことをいいます。職位は役職といいかえられますが、一般社員については「役職に就いていない」状態です。つまり「あなたの役職は何ですか?」と聞かれたときに「役職は一般社員です」とはいわないのです。

履歴書における職位の書き方

進捗管理する際に便利なツールやアプリ

職位一覧を解説してきましたので、企業内における職位とは何か?イメージがついたことと思います。最後に、履歴書で職位を書くときにはどうしたら良いかについて確認します。

役職と同じで良い

職位には2つの意味があると説明しましたが、履歴書の職位は役職と同じで構いません。つまり履歴書では自身の役職である「人事部長」「営業部第一課長」などを書けば良いのです。そして役職に就いていないときは「役職なし」と書くようにして下さい。

まとめ

職場における仕事上の地位を表す職位という言葉。職位には企業内の仕事上の地位、割り当てられた仕事という2つの意味があることが分かりました。記事では「企業内の仕事上の地位」という意味で説明してきました。

職位の類語である役職と職位は、「企業内の仕事上の地位」という意味ではほとんど同義です。職位一覧で紹介した通り、企業には様々な職位があります。

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