くるみんマークとは?取得のメリット・認定基準・企業事例を紹介

くるみんマークの記事

企業のウェブサイトを見ているとくるみんマークを見かけることがありますよね。くるみんマークは子育てサポート企業がもらえるマークのこと。名刺やウェブサイトなどへの活用、優秀人材の離職防止などの効果があります。くるみんマークに認定されるには10の認定基準をクリアする必要があります。この記事では、くるみんマークのメリットや認定基準の詳細、企業事例の紹介など、くるみんマークの概略を解説します。

目次

くるみんマークとは?

くるみんマークとは、厚生労働大臣から子育てサポート企業として認定を受けたときにもらえるマークです。

従業員の仕事と育児の両立をサポートしている企業を認定する「くるみん制度」により、10の認定基準を満たした企業にはくるみんマークがもらえます。

くるみん制度が生まれた背景には少子高齢化による人口減少、ダイバーシティ&インクルージョンによる働き方の変化などがあります。出産後も女性が働きやすい社会を作らなくては、日本の人口減少を止めることが難しくなります。

断れない転勤、長い労働時間などが当たり前の社会では、「女性が働くのは難しい」「子どもを生まずに働く」ということになり少子化を解消できません。

そこで厚生労働省はくるみん制度を設け、仕事と育児の両立をサポートしている企業を認定し、人口減少に歯止めをかけようとしています。

プラチナくるみん認定

プラチナくるみん認定は、くるみん認定を受けた企業のうち、さらに高いレベルの要件を満たした企業を認定するものです。

認定された企業はプラチナくるみんマークをもらえます。プラチナくるみんマークをもらうには、くるみんマークよりも多い12の認定基準を受ける必要があり、また、認定基準の内容もくるみんマークより高レベルです。

くるみんマークを取得するメリット

くるみんマークを取得すると企業にはどのようなメリットがあるでしょうか。4つのポイントで確認します。

子育てサポート企業であることのPR

くるみんマークは会社のウェブサイト、名刺、求人広告などに使うことができます。くるみんマークを活用すれば、顧客や消費者、株主などのステークホルダーに対して、自社が子育てサポート企業であることをアピールできるメリットがあります。

税制優遇

くるみんマークを取得するとくるみん税制という税制優遇を受けられます。

どのような優遇措置を受けられるかというと、次世代育成支援対策資産を割増償却することができるというもの。雇用する従業員の人数によって割増償却率が異なっています。

常時雇用する従業員が101人以上のくるみん認定企業では、「建物及び建物付属設備」の割増償却率が24%、「車両・運搬具及び器具・備品」は18%となっています。

常時雇用する従業員が100人以下のくるみん認定企業になると、「建物及び建物付属設備」の割増償却率が32%、「車両・運搬具及び器具・備品」は24%です。

仕事と育児を両立したい人材の離職防止

くるみんマークを取得した企業なら、従業員が育児をしながら働きやすくなります。退職せずに働けるので仕事と育児を両立したい従業員の離職防止に繋がります

従業員に退職されると新たに人材を採用しなくてはなりませんし、入社後は育成する手間がかかりますよね。くるみんマークを取得して退職を防ぐことができれば、既存の従業員に活躍し続けてもらうことができるのです。

生産性の向上

くるみんマークには「労働時間の短縮や始業時刻の変更の措置」「労働時間に関する事項」などの基準を満たす必要があります。

これらの事項は労働時間をできる限り短くし、短い労働時間で付加価値を出していくこと。くるみんマークの取得で生産性向上を図ることができるのです。

くるみんマークの認定基準

くるみんマークには10の認定基準があります。認定基準の特徴を1つひとつ確認していきましょう。

行動計画の策定

雇用環境を整備するために、行動計画策定指針を元に行動計画を策定します。

行動計画を策定するにあたっては、行動計画策定指針の「一般事業主行動計画の内容に関する事項」の第1項「雇用環境の整備に関する事項」の以下2項目のうち、1項目以上を盛り込む必要があります。

  • 妊娠中もしくは育児中の労働者が仕事と家庭生活を両立できるよう支援するために雇用環境を整備
  • 働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備

行動計画の計画期間が2年以上5年以下

行動計画の計画期間は2年以上5年以下と定められています。行動計画に企業の子育てサポートの実情を盛り込むには、短過ぎず、長過ぎない2年以上5年以下の計画期間が望ましいです。

行動計画の目標達成

くるみんマークを取得するには実際に目標を達成したかどうかが問われます。行動計画を目標達成したことを書類で証明します。

証明書類の例として「子育てサポートを盛り込んだ就業規則の新旧の写し」「育児休業を取得した従業員の氏名、育児休業を取得した期間を記載した書類」などが挙げられます。

計画の周知

企業は策定した行動計画について外部に公表すると共に従業員にも周知する必要があります。時期は策定日からおおむね3か月以内のタイミングとします。

外部に公表する方法の例としては「企業のウェブサイト」「両立支援のひろば」(厚生労働省)への掲載があります。また、従業員への周知方法の例には、メールや社内掲示板による周知があります。

男性従業員の育児休業などの取得率

人口減少を食い止めるには、育児休業は女性が行うものという認識を改める必要があります。

くるみんマークの認定基準には男性従業員の育児休業などの取得率が求められます。具体的には、行動計画の期間内に以下の2項目のいずれかを満たす必要があります。

  • 育児休業などを取得した男性従業員の割合が7%以上
  • 育児休業などを取得した男性従業員の割合が合計15%以上、なおかつ育児休業などを取得した人が1人以上存在すること

女性従業員の育児休業などの取得率

行動計画の期間内に女性従業員の育児休業などの取得率が75%以上である必要があります。

女性従業員の育児休業などの取得率の計算式は「計画期間内に育児休業などを取得した者の数÷計画期間内に出産した者の数」です。

労働時間の短縮や始業時刻の変更の措置

くるみんマークの認定基準では、3歳~小学校就学前の子どもを育てている従業員に対して労働時間の短縮などの措置を講じる必要があります。

育児休業は性別を問わず取得できますが、取得できるのは最大でも2歳まで。労働時間短縮措置を講じることで、育児休業以外の面でも企業が子育てサポートを行えるようになります。具体的には、以下のような制度の導入です。

  • 育児休業に関する制度
  • 所定外労働の制限に関する制度
  • 所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更などの措置に準ずる制度

労働時間に関する事項

労働時間については、以下の2項目を満たす必要があります。長時間労働が常態化していないことで、仕事と子育ての両立に繋がります。

  • フルタイムで働く従業員の法定時間外労働時間・法定休日労働時間の各月平均が45時間未満
  • 従業員月平均の法定時間外労働が60時間を超す従業員が存在しないこと

3つの措置への取り組み

以下の3つの措置について具体的に目標を定めて取り組むことが必要です。

  • 所定外労働時間を削減する措置(フレックスタイム、ノー残業デー)
  • 年次有給休暇取得を促進する措置
  • 短時間正社員制度・在宅勤務制度・テレワーク制度などの多様な働き方の整備のための措置

コンプライアンス遵守

くるみんマークを認定されるには企業がコンプライアンスを遵守していることも必要です。

法や法に基づく命令などに違反していないことが重要となります。行政から勧告・公表されていないことはもちろんのこと、社内の実態を見てコンプライアンスが守られているかどうかを確認しましょう。

くるみんマーク認定企業の事例

くるみんマークを認定企業の3つの事例を紹介します。それぞれにどんな特徴があるのかを確認します。

日本アイ・ビー・エム

日本アイ・ビー・エムは、くるみん認定企業としていくつかの特徴的な取り組みを行っています。例を挙げると「予定日の7週間前より産後休暇を使用可能」「子どもが2歳になるまで取得できる育児休業制度の導入」などがあります。

トマト銀行

プラチナくるみんを認定された企業としてトマト銀行を紹介します。トマト銀行は2017年に、プラチナくるみん認定されました。トマト銀行の子育てサポートへの取り組みは早く、2006年には女性活躍推進委員会を発足。子育てサポートへの提案をまとめて、経営層に提言する試みを行いました。

トマト銀行の先進的な取り組みとしては「男性の育児休業取得率が51.5%まで上昇(2017年度)」「育児支援給付金制度の導入」「育児サポート・職場復帰プログラムの導入(トマト・はぐはぐ・プログラム)」などがあります。

中外製薬

中外製薬は、2018年にプラチナくるみんに認定されました。

中外製薬の先進的な取り組みとしては「子どもの保育園送迎に営業車両を使用可能」「短時間勤務の従業員にフレックスタイム制を適用」「女性管理職比率が13.3%まで上昇」などがあります。

まとめ

子育てサポートに取り組んでいる企業は、「くるみんマーク」を取得することができます。

くるみんマークよりも高いレベルの要件を満たすと、プラチナくるみんマークを取得できることが分かりました。

くるみんマークには10の認定基準があり、くるみんマーク認定企業も紹介しましたので、参考にしてみて下さい。

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