働き方改革とは?目的と事例を分かりやすく解説

長時間労働や過労死、非正規雇用など働き方に関する様々なニュースを見かける機会も少なくないのではないでしょうか。今回はそんな働き方に関する一大改革である「働き方改革」についてその概要から具体的な事例、メリット・デメリットなどについて解説します。実際に働き方改革に取り掛かろうとしている企業の担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

目次

働き方改革とは?

働き方改革とは?
働き方改革とは、多様な働き方ができるようになる社会を目指して政府が取り組む重要政策の1つです。労働働き方改革は、当たり前のように行われる長時間やそれに伴う過労死、非正規雇用など日本の労働環境が抱える課題の解決につながる可能性があります。
この働き方改革の具体的な取り組みには以下の7点があります。

・非正規雇用の待遇差改善
・長時間労働の是正
・柔軟な働き方ができる環境づくり
・ダイバーシティの推進
・賃金引き上げと労働生産性向上
・再就職支援と人材育成
・ハラスメント防止対策

働き方改革の政府の目的と背景は?

働き方改革は、先ほども触れたような日本の労働環境が抱える様々な課題を背景に、労働者にとって働きやすい環境の実現を目指しています。
それは、働く人それぞれが自分のスキルやライフスタイル、意思などそれぞれの事情に応じて働き方を選べることでもあります。

働きやすい環境を実現することは結果的に、働く人が増えそれに伴う税収増加や企業における労働力の確保など様々なメリットを享受することができるでしょう。

また、正社員では働くことができないような人も、選択肢が増えることで無理なく働けるようになる可能性もあります。

働き方改革で残業時間・残業代はどうなる

働き方改革の取り組みの1つに長時間労働の是正があります。これまで常態的に行われていた長時間残業ですが、働き方改革の実施によって以下のような上限が設けられます。

・原則として月45時間まで、年360時間まで
・特別な事情がなければこれを超えてはいけない

また、特別な事情であっても以下の上限を超えることはできません。

・時間外労働、休日労働の合計が年720時間以内
・時間外労働、休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働、休日労働の合計に関して「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」のいずれも1か月あたり80時間以内
・45時間/月の時間外労働ができるのは1年で6か月まで

これらの決まりに違反した場合、罰則として6か月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金が科される可能性があります。
ちなみに、時間外労働、休日労働の平均80時間以内は1日に直すとだいたい4時間程度となります。

働き方改革で副業が可能になる?

働き方改革では、柔軟な働き方ができる環境づくりを目指しているように、副業の解禁も奨励しています。

副業に関しては、平成29年3月の働き方改革実現会議「働き方改革実行計画」の中で「副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効である。」として紹介されているなど、副業に対する期待があることがわかります。

ただし、副業をすることで長時間労働になる可能性についても懸念しているため、解禁にあたっては注意しなければいけません。

働き方改革の具体的な取り組みや事例は?

働き方改革の具体的な取り組みや事例は?
ここからは、企業における働き方改革の具体的な事例について紹介します。

テレワーク

テレワークとは、自宅やカフェなど場所にとらわれずに働くことです。テレワークが可能になれば会社のデスク以外でも仕事をすることが可能になります。

ソフトウェアの開発などを行うサイボウズでは、就業機会を創出することを背景に2011年4月からテレワークを導入しています。会社から支給するパソコンはもちろん、個人で所有するパソコンも事前申請・登録によって端末認証を受ければ利用できる仕組みになっています。対象は全ての部署の全ての従業員です。

育児休暇

育児休暇は働き方改革以前も存在していましたが、現在でも各社が様々な取り組みを行っています。
例えば、トヨタグループのトヨタ紡織では、子供が3歳になるまで育児休暇が取得できるほか、時短勤務制度も導入しています。また、花王では男性の育児休暇取得の促進に取り組んでおり、実際に取得する人が増えたそうです。

短時間勤務制度

短時間勤務制度はその名の通り、通常の定時時間よりも短い時間で働くというものです。朝から勤務開始した場合、夕方頃には帰宅できるので保育園に子供を迎えにいったり、自宅で家事に取り組んだりすることが可能になります。

ランジェリーなどの製造、販売を手がけるワコールでは、女性社員の比率が高く、人員の確保と定着を目的として短時間正社員制度を導入しています。
また、ブラザー工業では育児のための短時間勤務制度(小学4年生が始まるころまで取得可)と、介護のための短時間勤務制度(6年まで取得可)を導入しています。

フレックスタイム制度

フレックスタイム制度は始業時間と終業時間を自由に決めることができる制度です。これを利用すれば始業時間を早めて終業後に自分の時間を確保することもできますし、朝はゆっくり寝てからコンディションを万全にした状態で仕事に取り組むこともできます。

WOWOWではコアタイム(この時間は仕事をしていないといけいという時間)のないフル・フレックスタイム制度を導入しています。また、大京では、いくつかある始業時間の中から従業員が選べる仕組みのフレックスタイム制度を導入しています。

長時間労働の削減

長時間労働はワークライフバランスを崩してしまう恐れがあるほか、体調を崩したり、最悪の場合命を落としたりする恐れがあります。そのため、長時間労働の削減は非常に重要な課題だと言えます。

事例としては、「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムでは、創業当時から社員全員が18時退社する形で働いており、長時間労働ができない仕組みを作っています。
また、企業によってはノー残業デーを設定し、全社員が必ず定時で帰宅する日を設けているケースもあります。

働き方改革のメリット・デメリット

働き方改革のメリット・デメリット
働き方改革を紹介するとなると、どうしてもいい面ばかりが目立ってしまいます。しかし、実際にはメリットだけでなくデメリットも存在します。そこで続いては働き方改革のメリット・デメリットについて解説します。

働き方改革のメリットは?

働き方改革によるメリットとしては以下のような点が挙げられます。

・生産性の向上
・社会的評価の向上・人材確保のしやすさ
・ライフスタイルに合わせた生活の実現

生産性の向上に関しては、労働時間が短くなることで集中して仕事に取り組むことが期待されるためです。また、残業ができない分いかに時間内に仕事を終わらせるかという点について考えるきっかけにもなるでしょう。

また、働き方改革を実施していることをアピールすれば、会社に対する評価の向上も期待できます。評判が良くなるとこの会社で働きたいと考える人も増えると予想されるため、結果的に人材確保もしやすくなると考えられます。特に近年では仕事だけにとらわれないライフスタイルを希望する人も少なくないため、働き方改革に取り組んでいる企業に興味を持つ人は意外とおおいでしょう。

また、副業の解禁やフレックスタイムの導入、テレワークの導入など従業員のライフスタイルに合わせた働き方ができます。例えばフレックスタイムを利用して朝は子供を送り出してからゆっくり出社ということもできますし、子供の体調が悪い日は自宅でテレワークといったこともできます。

働き方改革のデメリットは?

一方のデメリットとしては以下のような点が挙げられます。

・スケジュール管理の難しさ
・人件費アップ
・ルールの整備が必要

1点目に関しては、残業時間が制限される一方で業務量が減るわけではないため、例えば納期までに製品や報告書を作らなければならず、かえってスケジュール管理が難しくなる可能性があるというものです。
「明日までに仕上げなければいけない。でも残業はできない」といったジレンマに陥る可能性もゼロではありません。

また、働き方改革では賃金の引き上げにも取り組んでいるため、単純に人件費が高くなることが予想されます。

そして、テレワークやフレックスタイムなどの各種制度を始めて導入するとなると、ルールの整備に時間がかかるほか、最初のうちはトラブルが発生する恐れもあるなど、注意しなければいけなくなります。

まとめ

働き方改革のまとめ
今回は働き方改革の概要と改革に伴う変化、メリット・デメリットなどについて解説しました。労働者にとって望ましくない環境が常態化している日本企業においては、働き方改革は非常に重要なものだと言えます。一方で、メリットだけでなくデメリットもあるため、それぞれを理解することも欠かせません。これから働き方改革に取り組もうとしている企業はぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

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