統率力とは?高い人の特徴や人気の本などについて

統率力の記事

統率力とは何か、統率力を発揮するにはどうしたら良いのか。低成長時代の日本企業においては、少ない人材で、しかも難しい課題をこなしていかなければなりません。

そのためには統率力が重要なカギになってきます。本記事では、統率力の意味や統率力の高い人の7つの特徴などについて丁寧に解説していきます。

目次

統率力とは

統率力とは
統率力とは人を率いていく力。統率力の具体的な意味、また、リーダーシップとの違いについても説明します。

統率力の意味は?英語でいうと?

統率力とは企業の中で、目標達成を期して組織やメンバーを率いていく力を言います。英語で言うとleadershipとなりますが、日本語のリーダーシップと統率力は同じ意味ではありません。

統率力とリーダーシップの違いは?

リーダーシップは、ビジョンや目標を作成し、また、会社のビジョン・組織の目標を達成するために会社・組織やメンバーを動かしていくこと。ですから、リーダーシップには統率力を含んだ意味があるということです。

統率力が高い人の特徴

統率力が高い人の特徴
それでは、統率力が高い人の特徴にはどんなものがあるでしょうか。ここでは統率力が高い人の特徴を7つに分けて具体的に説明していきたいと思います。

判断力がある

統率力を発揮するためには判断に秀でている必要があります。組織目標には売上額、品質管理、経費節減、人材育成など多様な目標があります。そういった目標を達成するために、日々、判断を求められることがあります。中には判断に迷うほど難しい意思決定もあるでしょう。メンバーもリーダーの判断を待っているでしょう。しかしそういった場合に逡巡しているとどんどん時間が経過していきます。だからといって間違った意思決定をする訳にはいきませんよね。従って統率力がある人は、難題に直面しても正しく、迅速に判断できる特徴を持っています。

コミュニケーション力がある

統率力が高い人はコミュニケーション力があります。コミュニケーションの手法は1つではありません。組織目標を達成するためには、メンバーに対して様々なコミュニケーションを取ることが考えられます。例えば、進捗の報告やルールを順守するよう厳しく求めます。このケースではメンバーに対して、何としてでも目標を達成するんだという強いメッセージを与えることができます。リーダーはメンバーに対して強い指導をすることもあり得ます。それゆえにメンバーは躍起になって目標達成のために努力するでしょう。

一方で、厳格なコミュニケーションだけではメンバーが疲弊してしまいますよね。ですから統率力が高い人は、メンバーからの相談を受け付けやすい雰囲気を形成しています。仕事をしていて困ったことがあったらリーダーに相談できれば、メンバーも素早く問題解決することができます。また、メンバーがモチベーションを高くして仕事に向き合えるように、メンバーの言動を支持してくれるリーダーも、コミュニケーション力があるといえますね。

献身性が高い

統率力が高い人は献身性が高いです。メンバーが困っていたら手を差し伸べてくれるリーダーがこれに値します。

視野が広い

組織目標を達成するためには視野が広い必要があります。無計画に弾を撃ち込んでもそこに敵がいなければ意味がありませんよね。目標を達成するために、計画を立案し、メンバーに役割を割り振っていけること、すなわち視野が広いことが、統率力が高い人の特徴です。

前向きに考えられる

前向きに考えられることも統率力が高い人の特徴です。組織目標を達成するためには乗り越えることが難しい壁が立ちはだかります。メンバーが、自分たちは無理だと思っても、「こういうやり方で進めばうまくいくんじゃない?」とか、リーダー自身も「私にはやれる」といった前向きな思考がメンバーを鼓舞し目標達成に貢献することでしょう。

責任感がある

組織目標を達成するためには、リーダーはメンバーを率いて達成するよう仕向けなければなりません。しかし、もし未達成となった場合、「お前たちのせいだ!」とメンバーに責任転嫁するリーダーならメンバーはどう思うでしょうか?リスクを恐れて目標達成のために行動しなくなりますよね。統率力が高い人は、責任感があります。統率力が高い人は、メンバーに仕事をさせて、その結果として目標が未達成になったとしても責任は自分が取るというスタンスを持っているものです。それゆえにメンバーは、リスクを恐れずに自分の裁量で仕事を進めることができる訳です。

柔軟性がある

統率力が高い人には柔軟性があります。目標達成を阻害する壁が立ちはだかった時、目標レベルを下げることなく、むしろレベルを維持したまま達成の手段を変えていくこと。それが統率力が高い人が備えている柔軟性ですね。達成レベルを下げれば、統率力が低い人でも目標を達成できるかもしれません。でも、それでは企業が求める組織目標を達成したことにはなりません。

個々の組織目標は経営方針とリンクしているものです。そのため、軽々しく目標レベルを下げるべきではないですが、レベルを維持したまま達成するには、既存の手段・プロセスではどうにもならないことがあります。その際、既存の手段・プロセスを変えていける柔軟性を持っているかが、統率力では問われている訳です。

統率力をつけるためのヒント

統率力をつけるためのヒント
統率力をつけるにはどうしたら良いでしょうか。仕事で使える統率力を身につけるためのヒントを3つ紹介しましょう。

経験をたくさん積む

統率力の7つの特徴を振り返ると、人間関係的な特徴(コミュニケーション、献身性)、思考的な特徴(判断力、視野の広さ)、個人特性的な特徴(前向き、責任感、柔軟性)に分けられることに気づきます。

統率力をつけるためには、これらの特徴にかかわる経験を積むことが重要です。自分を振り返り、7つの特徴のうち、どれが足りていてどれが不足しているのかを内省すると良いですね。あるいは客観的に他者からフィードバックしてもらうのも効果的です。それによって自分における統率力の特徴の強み・弱みが見えてきたら、強みを活かし弱みを克服するために経験を積むと良いです。

例えばこれまでメンバーに対して厳しい指導ばかりしていた人は、相手の話を聞いてあげたり相談に乗ってあげたりすることを心がけましょう。そうすることでコミュニケーション力が高まっていきます。既存の手段・プロセスに拘泥していて目標達成がおぼつかない場合は、ふと立ち止まって「このやり方で良いんだろうか?もっと他のやり方はないかな?」と自問自答することで柔軟性が高まっていくでしょう。このように、7つの特徴に照らし合わせて統率力の強み・弱みを内省することで、どういう経験を積んだら良いかが分かってきます。闇雲に経験を積んだだけでは統率力は高まらないので参考にしてみて下さい。

自分が尊敬できる上司の特徴を整理してみる

統率力を身につけるためにはロールモデルがいるとやりやすいですよ。現在でも過去でも構わないのですが、自分が尊敬できる上司の特徴を整理してみます。整理する時は、単語を羅列するだけではなく具体的なエピソードで書くことをおすすめします。そうすると、統率力が高い人の具体的なイメージが沸いてきます。整理したことでエピソードがついてくるので、実践しやすいです。実践することで、「こうすれば統率力を身につけられるんだ」という実感が沸くと思います。

自分が上司だったらと考えてみる

統率力を身につけたい人は、必ずしも管理者とは限りません。一般社員であっても統率力を身につけたい人は、自分が上司だったらと考えてみましょう。上司だったらどうすべきかをまとめると良いです。すると、同僚や後輩に対する接し方が変わります。同僚や後輩が自分の言うことを聞いてくれるにはどうしたら良いか?管理者ではないですから、ポジションパワーは使えません。7つの特徴にあるように、相手の立場に立ったり、視野を広げてみたりすることで、同僚や後輩はあなたの言うことを聞くようになります。関係は対等であっても、組織目標を達成するためのリーダーはあなたであるという構図ができあがってくるでしょう。

統率力に関する本 ( Amazonで評価の高い本)

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統率力を身につけるには、経験と共に書籍を読むことで視野が広がっていきます。Amazonで評価が高く著名な本を3冊、ご紹介します。

人を動かす本(D.カーネギー)

『人を動かす』は、カーネギーの名著。1937年に発売されましたが、現在でも売れ続け、全世界で1500万部を売り上げたベストセラーです。自己啓発の書籍ですが、統率力の人間関係的な力を高めるために有益な本です。

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』は、岩田松雄の本。スタバやボディショップなどでCEOを務めた経験を持つ著者による、リーダーになるための51個の考え方が載っています。リーダーというと孫正義とかスティーブ・ジョブズなどの経営者を想起すると思います。あんな風になれないと思うかもしれません。でも、本書を読むと価値観が180度変わることでしょう。何しろ著者は「普通のおじさん」を自認し、「まわりに推されてリーダーになる方法」を本書で開陳していますから。

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書

『自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書』は、篠原信による本。リーダーやマネジャーに聞くと、メンバーが「自分の頭で考えていない!」という答えが返ってくることがあります。いわゆる指示待ち人間ですね。指示待ちの部下に対して逐一、行動を改めるよう指導していては統率力をうまく発揮できません。だから、自分の頭で考える部下を育てることが求められます。本書では、そんな「自分の頭で考える」当事者意識の高い部下を育てるための指南書になっています。

まとめ

 統率力のまとめ
統率力といっても非常に幅広く、統率力が高い人には7つの特徴がありました。統率力には人間関係的な力が重視されますが、特徴を見ると思考的な力や個人特性的な力も併せて重要であることが分かったと思います。統率力を身につけるにはどうしたら良いのか。既にマネジャーやリーダーの位置にある人も、これから目指す人にとっても、経験や書籍を通じて、統率力を身につけるためのヒントを示しましたので、参考にして頂きたいと思います。

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