マネジメントの父と呼ばれるP.F.ドラッカーは、マネジメントは「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」と定義しています。
今回は、マネジメントの意味や定義、P.F.ドラッカーの心に残る名言、参考書籍をご紹介しましょう。
ピーター・F・ドラッカーとは?
P.F.ドラッカーは「マネジメントの父」「マネジメントの生みの親」と呼ばれ、全世界のベストセラー「マネジメント」の著者です。
オーストリア生まれのP.F.ドラッカーは、大学では法律を学び、アメリカの証券会社、地元紙の経済記者、イギリスの銀行などに勤めます。
1939年頃から企業コンサルタントや経営学者として活躍し、政治に関する書籍、経営・経営者に関する書籍を出版。
1954年に発表した「現代の経営」、1973年の「マネジメント」がきっかけとなり「マネジメントの父」「マネジメントの発明者」と呼ばれるようになりました。
ドラッカーによるマネジメントの定義
P.F.ドラッカーは、自身の著書の中で「マネジメント」は「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」 と定義しています。
ドラッカーはマネジメントを実際に遂行する人を「マネージャー」と呼び、「組織の成果に責任を持つ者」と定義しています。
マネージャーの役職は、組織の目標を設定して組織を作り、部下の動機付けや評価をし、人材育成する使命があります。
リーダーシップと混合されがちなマネジメントですが、どちらも目的は同じです。
両者は役割に違いがあり、リーダーシップは目標や結果を示し、マネジメントは手段や目標を達成ノウハウを示す役割を持っています。
ドラッカーの「マネジメント」の内容を要約・解説すると?
1973年に出版された「マネジメント」を要約したものが日本で出版された「マネジメント(エッセンシャル版)」です。
2001年の発刊から100万部を超えるベストセラーとなっています。
「マネジメント」の内容は、「マネジメントの使命」、「マネジメントの方法」「マネジメントの戦略」と3つに分かれています。
内容は、マネジメントの目的と役割、企業とは何か、存在意義などについて詳しく書かれてます。
マネジメントスキルが重要な理由
組織は自社の製品やサービスを通じて社会貢献し、
存続や発展していきます。
従業員は組織の中で働く事で自己実現を図り、組織は個人にその対価として報酬と地位を与えます。
マネジメントスキルは社会と個人が組織に対して、成果を挙げるために重要な位置づけとなります。
仕事によっては20代のうちから求められるスキル
マネジメントスキルは、組織に真剣に向きあい、世間から求められている役割を果たします。
仕事によっては、20代のうちから求められるスキルと言えます。
仕事は基本的にチームで行うもの
企業側は、組織で働く人材に対して、仕事を通して自己実現できる組織づくりをすることが大切です。
従業員一人ひとりの特性を見極め、適材適所で責任のある生産的な仕事を与えます。
チームでプロジェクトを達成するために、フィードバックや研修・学習の機会を与えます。
チーム全体の生産性や仕事の満足度をUPさせるために必要
ドラッカーの考え方によれば、マネジメントスキルはチーム全体の生産性、仕事の満足度をUPさせるために必要です。
会社は社会のためにあり、社会から求められているものを提供することが社会貢献に繋がります。
マネジメントスキルを3つに分けると…
マネジメントスキルを3つに分けて考えてみましょう。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキル(conceptual skill)は、物事の本質を的確に捉えて、個人や組織の持つ可能性を最大限にまで高めることができる能力です。
経営者や人事部など経営層の人材が身に付けるべきマネジメントスキルです。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルは「対人関係能力」の意味があり、良好な人間関係を保ち、目標達成に向けた円滑なコミュニケーションができる能力です。
リーダーシップ(統率力、調整力)、コーチングスキル、交渉力、提案力も挙げられます。
テクニカルスキル
テクニカルスキルは「業務遂行能力」の意味があり、与えられた職務や業務を正しく遂行する能力です。
主に商品知識、製造技術、加工技術、高度な専門知識、パソコンスキル、プログラミング技術が挙げられ、技術者や現場の管理者に必要なスキルです。
ドラッカーのマネジメントにまつわる名言
ここからは、ドラッカーのマネジメントに関する名言を見ていきましょう。
1. 未来を語る前に、今の現実を知らなければならない。現実からしかスタートできないからである。
現状を把握しなければ、戦略も立てられずスタートラインに立つことはできません。まずは、事実を認めることから始まります。
2.仕事を生産的なものにするには、成果すなわち仕事のアウトプットを中心に考えなければならない。技能、情報、知識は道具にすぎない。
スキルアップのために知識や技術を身につけても、どんどん自発的にアウトプットする機会が必要であること。
3.21世紀に重要視される唯一のスキルは、新しいものを学ぶスキルである。それ以外はすべて時間と共にすたれてゆく。
時代にあった新しいスキルを身につけることはマネジメントスキルにおいて必須です。
4.多くの人が、話上手だから人との関係は得意だと思っている。対人関係のポイントが聞く力にあることを知らない。
コミニュケーション能力を高めるには、まずは聞き上手になれということ。聞く能力があってこそ、話上手に繋がります。
5. 企業は何よりも「アイデア」であり、アイデアを生むことができるのは個々の人間だけである。
今後は多くの職種がAIに変わると言われていますがゼロから何かを生み出すのは人間だけといえます。
ドラッカーのマネジメントに関する本や漫画(amazon)
ドラッカーのマネジメントに関する本や漫画は分かりやすく長期的に役に立つ内容となっています。
ここからは、アマゾンで人気のある書籍と漫画をご紹介しましょう。
1. マネジメント( エッセンシャル版 ) 基本と原則
マネジメント論を体系化した『マネジメント――課題、責任、実践』を初心者向けまとめた入門書。
マネジメントの仕事とは実践、そして成果を出すことであると明確に規定しています。
マネジメントが果たすべき使命、役割、取り組むべき仕事、中長期的に考えるべき戦略について解説しています。
2. もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら
高校野球の女子マネージャーと野球部が甲子園を目指して奮闘する青春小説です。
野球部のマネジメントにも生かせることに気付いたユニークな視点がポイント。累計270万部の大ベストセラーです。
3. まんがと図解でわかるドラッカー マネジメント、イノベーションなどが初心者でも簡単に理解できる! (別冊宝島)
ドラッカーが述べるマーケティングの要点を豊富なマンガと図解でわかりやすく解説した一冊。
現代日本の経営に役立つヒントも実例と合わせて紹介されています。
4. チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ! (はじめて読むドラッカー (マネジメント編)
マネジメントとは何か、なぜ必要なのか、何をどう行うのかを説くドラッカーの入門書です。「プロフェッショナルの条件」の姉妹書。
5. まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論
ドラッカーのリーダーシップ論のポイントをまんがを通して学べる一冊。
リーダーに必要な条件、考え方、行動を心で理解できるようになります。
まとめ
今回は、ドラッカーのマネジメントについて定義や名言、参考書籍をご紹介しました。
マネジメントには、的確な意思決定、コミュニケーション能力、管理能力が求められます。
人材を活かすために、人材を育成するというステップが重要です。