- 「会社に新入社員が入ってきたけど、新人教育のやり方がわからない」
- 「新人教育のつもりで叱ったら、新人が元気をなくしてしまった」
などなど、新人教育の進め方について悩んでいる担当者は多いことでしょう。
どのような新人教育を行うかで、企業で新人が活躍するか否かが決まってしまいます。
この記事では、新人教育をうまく行うためのコツや、研修の種類、わかりやすいマニュアル作成方法について解説します。
新人教育の重要性
新人教育の重要性は、新人が社内でいち早く戦力化することにあります。会社に入社するまで学生だった新人は、そのままでは戦力になりません。
社内用語や業界知識、対人関係のマナー、仕事の進め方に至るまで知らないことだらけです。「戦力になる」とは、職場の目標を達成する人材になることを意味します。
新人教育の目的
新人教育の目的は、研修の種類によって変わります。新人教育というと、新入社員研修のような集合研修を思い浮かべると思います。
新人教育として研修を行う目的は、新人に社会人として必要なマナー、ビジネススキル、仕事で使う知識などを学ぶことにあります。
また、OJTなら仕事への習熟が目的です。新人教育は、新人が戦力化するために必要なマナーやスキル、そして仕事への習熟を目的として行われるのです。
新人教育の種類
新人教育にはいくつかの種類があります。それぞれを解説します。
新人研修
新人教育として一般的なのは新人研修です。会社によっては新入社員研修と言うこともあります。新人研修は、新人が4月に入社した後、配属前1~3か月の間に行われます。
期間は会社ごとに異なりますが、集合研修で行われるのが一般的です。
最近まで学生だった新人に対して、新人が知っておくべきマナー、ビジネススキル、仕事で使う知識を網羅的に学習してもらいます。
新人研修の中には、講義や演習だけでなく、職場見学を行い、実践のシミュレーションを行うカリキュラムが含まれていることもあります。職場見学をしておけば、会社の製品に直に触れたり、業界のことを肌で知ったりすることができるでしょう。
OJT
配属前の教育が新人研修なら、配属後の新人教育は「OJT」です。
OJTとは、「On the Job Training」の略で、企業内教育と訳されます。
新人へのOJTは、教育担当者が新人に仕事を教えるというもの。仕事をしながら教育することで、新人は実践的に仕事を覚えていきます。
新人はOJTを受けながら、段階的に仕事を覚え、少しずつレベルの高い仕事を任されていきます。
業務中に教育・指導を行うため、分からないことがあればすぐに質問できるのも優れるポイントの一つ。
セミナーや公開研修
新人教育として、セミナーや公開研修を行うこともあります。
新人が配属された後、体系的な知識を学ぶために行うのが一一般的。業務に必要な知識をテキスト・図・動画などを用いて丁寧に教えていきます。
講師は国家資格を持つ人や研修会社のコンサルタントが務めることが多いです。公開研修は、採用された新人が少ない場合、新人研修として行うケースもあります。
マニュアル
新人教育としてOJTを行う時、教育担当者がマニュアルを用いて教育することがあります。
例えば、データの入力作業を担当する新人に対して、教育担当者はマニュアルを使って入力方法を教えます。
新人はマニュアルに従ってデータを入力し、間違ったらマニュアルに戻って正確な入力方法を覚えていきます。
マニュアルは仕事の流れを可視化しているため、理解が早いというメリットもあります。
新人教育をうまく行うためのコツ
ここからは、新人教育をうまく行うためのコツを解説します。
新人教育の対象者を把握する
自分の部署に配属された新人に対して、あなたはどのように教育するでしょうか。
新人教育をうまく行うには、まずは相手の人間性を把握することが重要です。
もちろん最初から把握することは難しいため、人事担当者から事前に対象者の情報をもらい、教育・コミュニケーションをとりながら徐々に理解していくのが良いでしょう。
教育対象者がどんな人材かざっくりと分かるようになれば、教育の方針を立てやすくなり、対象者に合った柔軟な指導ができるようになります。
2つのタイプの新人に同じ指導をすると、新人が本来持っている能力に見合った成果が得られなくなります。
- 自信がない新人Aには、丁寧かつ自立性を高める指導を行う
- マイペースな新人Bには、客観性や対人関係を強化する指導を行う
など、相手のタイプを見極めながら指導方法を変えていく必要があります。
マニュアルを作ってOJTで使う
新人教育においては、マニュアルを使うことでOJTが有効に働きます。
特にイレギュラーが発生しにくい定型的な仕事については、マニュアルを使ってOJTを行うことで、新人に正確かつ迅速な業務遂行のやり方を覚えさせることができます。
新人が質問しやすい雰囲気を作る
新人は社会に出たばかりで、仕事の進め方・仕事そのもの等について知らないこと、分からないことだらけです。
新人は質問することで分からないことを学習していきます。新人教育をうまく進めるためには、新人が質問しやすい雰囲気を作ることが重要です。
仮に分からないことがあっても、教育担当者が「話しかけるな」という態度でいれば、新人は質問を遠慮してしまいます。
新人に質問を遠慮させることは業務への習熟度を低下させることに繋がるので、最初のうちは気軽に話しかけられるような体制作りをしましょう。
フィードバックを行う
フィードバックとは、自分が見た相手の現状を伝え、相手の改善をサポートすることを言います。
新人教育におけるフィードバックとは、教育担当者が教えた仕事に対して、新人が「どの点はできているか」「どの点はできていないか」について伝え、できていない点については、どうすればできるかを教えることです。
新人教育で上手にフィードバック活用できれば、的確に問題点を解決し、仕事に対する高いモチベーションを維持することができます。
新人教育マニュアルの作り方
最後に、新人教育マニュアルを作るときのポイントについて解説します。
業務の整理
マニュアルを作り始める前に、新人に教える業務を整理することが大切です。
教育担当者の仕事と新人に教える業務が区別されます。新人に教える業務は何かを明確に設定することで、マニュアル作成で教えるべき内容がクリアになります。
教える業務があいまいになっていると、新人には不要な用語や説明が出てきてしまい、新人が混乱します。
マニュアルは専門用語を多用せずに作成
マニュアルを作るときは、わかりやすい言葉で統一するのがコツです。
専門用語を多用すると新人が用語を理解するのに時間がかかります。
専門用語は仕事に慣れていくうちに覚えていくものなので、マニュアルでは極力わかりやすい言葉や表現を使い、理解力を高めるのが良いでしょう。
図を多用する
新人の理解を助けるため、図を多用することも必要です。
文章だけでは理解しにくい内容であれば、図や表を用いて理解を早めていくのが重要です。
作成に手間がかかるものもありますが、一度作った資料は何度も使い回しすることができます。
まとめ
新人教育は、研修、OJT、公開研修等、様々な種類があります。
新人教育は新人がいち早く戦力になるために重要な教育です。OJTを行うときは、マニュアルの力を借りて、新人が理解を深められる工夫が必要です。