ビジネスにおいては、上手くコミュニケーションを取り、自己表現、他者理解することが求められます。
人と上手く付き合うために「アサーショントレーニング」が注目されています。
今回は、「アサーショントレーニング」の重要性やポイントをご紹介しましょう。
アサーション・トレーニングとは
コミュニケーションは、相手の意見を聞く力と自分の意見を伝える力のバランスが重要です。
「アサーション・トレーニング」は、人の意見を取り入れて自己表現もできる絶妙なコミュニケーションスキルを目指す方法です。
アサーションと心理学
人とのコミュニケーションにおいては、自分と相手の双方を大切にするスムーズなやり取りが大切です。
コミュニケーションにおけるアサーションは、絶妙なバランス感覚を持った心理学に基づいています。
なぜアサーション・トレーニングが必要なのか
アサーションを習得するためには、感覚を掴むために反復練習が必要となります。
相手の気持ちをしっかり理解し、その場にふさわしい方法で自分の気持ちを表現できるようになるのです。
ビジネスだけに限らず、日常生活にも活きるスキル
アサーション・トレーニングでは、実際のコミュニケーションの中で実践をして感覚を掴んでいきます。
従来よりも人間関係が円滑になり、日常生活のコミュニケーション能力もアップするでしょう。
アサーショントレーニングとドラえもん
アサーショントレーニングでは、自己主張のパターンが3つに分かれます。
主張のパターンは、よくドラえもんのキャラクターに例えられます。
自分のパターンはどれなのかを知ることで、理想的なアサーションに近づくことができます。
ジャイアンタイプ:アグレッシブ(攻撃型)
アグレッシブ(攻撃型)は、相手よりも自分の意見を優先するジャイアンのようなタイプです。
自分が一番という思いが強く、相手の気持ちを無視し、自分勝手な行動をしたり考えを押し付けたりします。
のび太タイプ:ノン・アサーティブ(非主張型)
ノン・アサーティブ(非主張型)は、自分よりも相手を優先して、自分を後回しにするのび太のようなタイプです。
相手の気持ちや態度を優先してしまうため、自己主張が控えめ・苦手です。
しずかちゃんタイプ:アサーティブ(相手と自分両方の気持ちを大事にする)
アサーティブは、自分の気持ちを率直に伝えならがら
相手の気持ちも考えられるバランスさがあります。
しずかちゃんのように場の空気まで重んじて、相手と自分両方の気持ちを大事にすることができます。
しずかちゃんタイプが理想
アサーティブは、自分の気持ちを正直に表現できて相手の意見も大切にする理想的なタイプ。
お互いに意見を出しあい、最終的に双方の納得のいく結論を出すことがポイントです。
アサーショントレーニングを実際に行う際のポイント
アサーショントレーニングでは、自己主張が苦手、人の意見を聞くのが苦手など、自分に必要なアサーションを習得していくことを目指します。
土台となる4つのアサーティブマインド
アサーティブにるには、まずは「私」を主語として伝えること、そして「私」と「相手」の両方を尊重するがポイント。
まずは「私」を主語として伝える
アグレッシブ(攻撃型)の方は「私」を主語として伝えることを意識しましょう。
「あなた」を主語にすると相手を責める口調になるため、主語を「私」に変えてみましょう。
例えば、「私は~に困っています」「私は〜して頂けると助かります」など、気持ちを伝える表現をします。
「私」を主語とした気持ちを伝えることで、相手を傷付けずに伝えることができます。
「私」と「相手」の両方を尊重する
「~して欲しい」「~してください」というお願いの表現を使うことで、互いの意見が違っても話し合える余裕が生まれます。
意見の対立を防ぐために「~すべきだ」「~しなさい」といった断定、支配、命令的な主張は避けてましょう。
アサーショントレーニングの例題
ここからは、日常でよくある会話からアサーショントレーニングの例題を見ていきましょう。
①上司から無理な依頼をされた場合
①「今忙しいので、無理です!」とすぐに断る
本当に忙しくて断る必要があっても、自己主張が強過ぎて相手をはねつける印象を与えるのでNG。
②「はい、わかりました」と断れず引き受けてしまう
無理に仕事を引き受けることで、納期に間に合わず仕事の質が落ちる可能性もありNGです。
③「明日提出しなければならない企画書があるるので今は難しいですが、あさってならば大丈夫です」
上司の対応に対して新たな提案することで、自分も相手もスムーズになります。
自分の気持ちや現在の状況を伝えて、相手に率直に伝えましょう。
②人に褒められた場合
①「そうでしょう。他にもこれもあって凄いでしょう」と自慢をする
褒められたことを自慢話に変えるのはコミュニケーションを妨げるのでNGです。
②「いいえ、全然そんなことはありません。」と謙遜して否定する
日本人は謙遜の美徳という概念がありますが、褒められたことを全否定するのはNG。
③「ありがとうございます。」と素直に感謝する
まずは褒めてくれた相手に対して、お礼を言って褒め言葉を受け取り、素直な気持ちを表現するように心がけましょう。
③友人が約束の時間よりも大幅に遅れてきた場合
①「何で遅くなったの?いつも私を待たせるんだから!」と怒る
相手が謝る前に怒鳴り散らすと、相手は許して欲しいという気持ちを出せずNGです。
②反発されると困るので黙って何も言わない
相手の気持ちを優先させて、自分の気持ちを伝えられないのはコミュニケーション不足となりNGです。
③「私は待ち合わせ時間に合わせてスケジュールを決めていたのに無駄になってしまって残念」
「私は」を主語にして自分と相手を両方とも尊重していることがポイント。
アサーション・トレーニングにまつわる本
アサーション・トレーニングに関するおすすめ本5選をご紹介しましょう。
改訂版 アサーション・トレーニング さわやかな〈自己表現〉のために 平木典子 著
アサーション・トレーニングを25年間研究し、第一線で活躍されてきた平木典子先生による入門書。
日本にアサーション・トレーニングを最初に紹介した
決定版です。
マンガでやさしくわかるアサーション 平木 典子 , 星井 博文 他
アサーションの第一人者として活躍する著者によるわかりやすい解説をストーリーマンガで楽しく学べます。
アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法 平木典子 著
臨床心理士養成指定大学院における、臨床心理士の養成やコミュニケーション方法の入門編です。
深く聴くための本―アサーション・トレーニング 森川 早苗 著
アサーション・トレーニングシリーズ第二弾として
「伝える」と「聴く」力、平木典子先生との対談あり。
よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方 (こころのクスリBOOKS) 平木典子 著
臨床心理士の養成や訓練に携わってきた平木典子先生による自己表現方法が分かります。
まとめ
今回は、アサーション・トレーニングのポイントついてご紹介しました。
相手の意見を尊重して、その場にふさわしい表現方法
で自分の気持ちを伝えられるようにしましょう。