皆さんは「ノンバーバル・コミュニケーション」という言葉をご存知でしょうか?
実は普段良く耳にするコミュニケーションは、「バーバル・コミュニケーション」と「ノンバーバル・コミュニケーション」の2つに分けることができます。
この記事では、ノンバーバル・コミュニケーションの意味や特徴、種類、具体例などをわかりやすく解説します。
ノンバーバル・コミュニケーションとは
つまり、ノンバーバル・コミュニケーションとは「非言語コミュニケーション」とも呼ばれる、言葉以外のコミュニケーションのことを言います。
ノンバーバル・コミュニケーションの意味
バーバル・コミュニケーションは「言葉のみ」のコミュニケーションのことで、手紙やメールなども含まれます。
一方のノンバーバル・コミュニケーションは、言葉以外の意思疎通なので、「仕草」「表情」「声のトーン」などから話し手の感情や伝えたいことを読み取ります。
ノンバーバル・コミュニケーションと日本人
日本語は多くの外国人にとって難しい言語です。
ひらがな・カタカナ・漢字があることや、同じ文字でもニュアンスによっては意味が異なってくる場合があるからです。
例えば、「〜は結構です」という日本語も、外国人にとっては物事を断る意味なのか承諾しているわかりづらい言葉ですよね。
こうした曖昧な日本語を外国人が読み取るときは、話し手の表情や声のトーンなどのノンバーバル・コミュニケーションを活用する必要があります。
ノンバーバル・コミュニケーションを活用したゲーム
ノンバーバル・コミュニケーションを使ったゲームで有名なのが「ジェスチャーゲーム」です。
これは、言葉を一切話さずにジェスチャーだけで次の人にお題を伝えるゲームです。
体を使ってどう表現したら相手に伝わるかを考え、それを次の人は体の表現だけで読み取らなければなりません。
ノンバーバル・コミュニケーションとビジネス
ノンバーバル・コミュニケーションを意識的に使用することができるようになると、ビジネスシーンで大活躍できます。
例えば、大切なプレゼン時に意識的にノンバーバル・コミュニケーションを駆使し、声のトーンや表情なども交えながら演説する。
話し手の熱意や感情までもが聞き手に伝われば、良い結果が生まれる可能性が高まります。
メラビアンの法則とノンバーバルコミュニケーション
皆さんは「メラビアンの法則」という言葉を聞いたことはありますか?
メラビアンの法則とは、アメリカの心理学者・メラビアンが、話し手が聞き手に与える影響について実験した結果に基づいた法則です。
メラビアンの法則によると、話し手が聞き手に与える影響は、話し手の言葉が7%、話し手が発する声のトーンや大きさ・テンポなどが38%、話し手の表情や仕草などが55%を占めています。
この法則からわかる通り、言葉の内容はたった7%しか相手に影響せず、ノンバーバルな部分が非常に大きな割合を占めていることがわかりますね。
ノンバーバル・コミュニケーションの効果
さらに、意識的に表情や声のトーン、テンポなどでノンバーバル・コミュニケーションを行なった場合、相手から好印象を持ってもらえる場合が多いです。
したがって、聞き手が気持ちよく聞いていられる状況を作ることが大切なのです。
話し手がどんなに良い演説をしていても、「えー」「そのー」といった相槌が多ければ、集中して話を聞いてもらえなくなります。
まずは相手の話を聞くことが大事
先ほど挙げたメラビアンの法則によれば、確かに言語は7%しか相手に影響を与えないとされていますが、
話を聞く姿勢もビジネスや人間関係を円滑に進める上で重要なことと言えます。まずは、相手の話を良く聞きましょう。
ノンバーバルコミュニケーションの種類
ノンバーバル・コミュニケーションの種類は、全部で7つあると言われています。その中でも、一番大きな部分を占めている「身体的動作」について詳しく見ていきましょう。
表情によるコミュニケーション
エクマンという研究者の実験によると、人間の顔は「額と眉(上部)」「まぶたと目と鼻の付け根(中間部)」「鼻の下部と口と顎(下部)」の3つに分けられます。
そして、「怒り」「悲しみ」「喜び」「恐怖」などの様々な感情によってこれらが変化すると言われています。
動作によるコミュニケーション
「身体的動作」のなかで最も読み取りやすいのが、ここでご紹介する「動作」です。
これはジェスチャーともいい、皆さんが聞き手に何かを説明するときに、手振り身振りで相手にわかりやすく伝えることを指します。
そういった「動作」がノンバーバル・コミュニケーションに含まれています。
声によるコミュニケーション
そして、話し手の声も重要なノンバーバル・コミュニケーションのひとつです。
声とは、声のトーンや話すスピード、相槌などで、聞き手が心地よく聞けると話し手の真意や情熱が伝わりやすくなる場合があります。
ノンバーバルコミュニケーションの具体例
それでは、「身体動作」の具体例について見ていきます。
表情(アイコンタクトなど)
人間の「目」は私たちの想像以上に多くの情報を読み取っています。
例えば、自分が話しているのに、聞き手とあまり目が合わない(聞き手が下を向いたり違う方向を見ているなど)ことが多いと、聞き手は「退屈している」または「性格がシャイ」などといったことが予想できるでしょう。
動作(ジェスチャーなど)
例えば、喜びを表現する際に「Vサイン(ピース)」を手で作ることがありますが、これもまた相手に言葉を使わずにコミュニケーションを取れるジェスチャーのひとつです。
しかし、ジェスチャーは国によっては全く違う意味になることがありますので、外国で使用するときはその国のジェスチャー表現について十分に気をつけましょう。
声(ボリュームやスピードなど)
そして、声にも感情が現れることがあります。
話し手の心情が穏やかであれば「ゆっくり、優しく」話していることでしょう。しかし、話し手が怒っている状態では「大きな声で早口になり語尾も強い」という場合が多いです。
ノンバーバルコミュニケーションにまつわる本
最後に「ノンバーバル・コミュニケーションについてもっと学びたい!」という人向けに、おすすめの書籍をご紹介します。
伝わり方が劇的に変わる! しぐさの技術 (DOBOOKS)
「面接になかなか受からない」「プレゼンがいつも上手くいかず上司から評価されない」などで悩んでいる人にオススメの1冊です。
その悩みは言葉や話す内容以外に問題があるかもしれませんので、あなたのノンバーバル・コミュニケーションを今一度見直してみましょう。
自分や相手を上手くコントロールして、人生を有意義に過ごすヒントを得られます。
FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)
著者は「人間ウソ発見器」と呼ばれた元FBI捜査官。
人間は言葉ではウソをつけても、しぐさや行動ではウソをつけないという自論を元に、その身体的動作で相手の真意を探るコツが書き綴られています。
相手の真意が分かることでトラブルを避けられ、人間関係を円滑に進められる場合もあるため、人付き合いをスムーズにしたい人におすすめです。
顔は口ほどに嘘をつく
感情とその表現研究の第一人者が、「自分の感情をコントロールする技術」「相手の本当の感情を読み取る方法」などを指南する1冊です。
感情を隠すのが上手い人と下手な人がいるのはなぜか?など、日常生活でつい考えてしまう謎を説明してくれます。
まとめ
言葉を使わない意思疎通方法として有名なノンバーバル・コミュニケーションについて解説しました。
日常生活でノンバーバル・コミュニケーションをコントロールし、人間関係やビジネスを円滑に進められるようになれば、今抱えている悩みの中で解決できるものもあるかもしれません。
自分の感情と身体的動作の関係性をしっかりと意識し、うまく操れるように訓練を重ねていきましょう。