株主名簿の必要性・記載事項・管理方法・具体的な書き方まで紹介

株主名簿の記事

株式を発行している企業は、株主名簿の作成が必要になります。この記事では、株主名簿がなぜ必要になるのか、作成する際の記載事項、作成後の管理方法などについて解説します。株式を発行している企業の担当者はぜひ参考にしてみてください。

目次

株主名簿はいつ必要になるのか

そもそも、株主名簿はいつ、どのような時に必要になるのでしょうか。まずはその点について解説します。

株主名簿は全ての株式会社が作成する必要がある

株主名簿は規模の大小に関係なく全ての株式会社が、設立されるタイミングで作成しなければいけないものです。

株主の人数や株券を発行しているかどうか、といった点は一切関係ありません。株主が1人しかいない場合でも作成する必要があります。

さらに、株式の譲渡や相続が発生した場合には、株主名簿に記載されている情報を更新しなければいけません。

そのほかにも株主や債権者が「株主名簿を見せて欲しい」と請求してくることもあるので、それにも対応できるようにする必要があります。

ジョブくん
万が一株主名簿が作成されていない、情報が更新されていないといったことが発覚すると会社法に基づいて100万円以下の過料が科される恐れがあるので注意しなければいけません。

会社設立後の提出時期

株主名簿は、会社設立後のどの時期に提出するのかについても確認しておきましょう。

法人設立届出書の添付書類として

株主名簿は、会社を設立してから2ヶ月以内に税務署に「法人設立届出書」を提出するタイミング、もしくは登記申請をするタイミングで必要となるため、それまでに用意しておくようにしましょう。なお、登記申請をする際に株主名簿が不要になるケースも中にはあります。

株主名簿の記載事項

株主名簿を作成する際には、名簿にどのようなことを記載すればいいのか、わからない人がほとんどだと思います。そこで、ここでは、株主名簿に記載する具体的な事項について解説します。

法人設立届出書に添付する時の記載事項

まずは、法人設立届出書に添付する際の記載事項について解説します。

株主の氏名・住所

最初に記載するのは株主の氏名と住所です。基本的な事項ですが抜け漏れや間違えのないように記載しましょう。

株主が所有する株式数

次に記載するのは株主が持っている株式の数と種類です。基本的に定款で何も定めていなければ、発行している株式の種類は1種類だと判断されます。

また、数字の記載ミスをなくすためにも、ダブルチェックを行うなどしてください。

金額

それぞれの株主が所有する株式の金額についても記載してください。

役職名

役職名は代表取締役や取締役といったものを記載することになります。株主が経営者の親族である場合もその間柄を記載するようにしましょう。

会社に置いておく時の記載事項

続いては会社に株主名簿を置いておく際に記載する事項について解説します。なお、株主の氏名・住所、株式数は「法人設立届出書」に添付する際と同じなのでここでは省略していますが、忘れないように記載してください。

株式取得日

株式をいつ取得したのか、詳しい取得年月日も記載する必要があります。

株券の番号

企業によっては、株券を発行しているケースもあります。その場合は株券の番号も合わせて記載しておくようにしてください。ま

株主名簿の管理方法

実際に株主名簿を管理する際の管理方法について解説します。

株主名簿は名簿の必要事項が全て記載されると、原則として会社の本店に保管することになります。

基本的には本店ですが、別途株主名簿の管理人や管理会社を決めている場合は、例外としてその管理人・管理会社のもとで保管・管理をすることもできます。

また、保管・管理している最中には、株主などから株式名簿の開示請求を受けることもあります。請求が正当な理由に基づいたものであれば、株式会社は請求に応えなければいけません。

先ほども触れていますが、この時株主名簿が最新の状態に更新されていないと過料を科される可能性があります。また、株主からの信頼にも影響するものなので、変更事由がないときでも、定期的に名簿をチェックするなどして、常に最新の状態を保っておくようにしましょう。

項目別株主名簿の具体的な書き方

項目別に株主名簿の具体的な書き方について解説します。

株主の氏名・住所の書き方

株主の氏名と住所は、そのまま書けばいいのですが、間違えのないように正しく記載するようにしましょう。ちなみに、株主には個人だけでなく法人でもなれます。

法人が株主となった場合は、法人の名称と本社所在地を記載する必要があるので覚えておいてください。

なお、株主になる法人の例としては、一般会社の他にベンチャーキャピタルなどのファンドも挙げられます。

株式数の書き方

株式数の書き方にも注意が必要です。まず、普通株式の場合は、普通株式である旨を記載した上で具体的な株式数を描いてください。例えば、「普通株式30株」といった形です。

次に普通株式+別の種類の株式という2種類以上の株式を発行している場合です。この場合も株式の種類を記載したうえで株式数を書くようにしましょう。例えば、「普通株式30株、○種優先株式20株」といった形です。

株式取得日の書き方

株式取得日は、株主による代金の払い込みが完了した日とするのが一般的です。そのため、株主に株式取得日を確認する際は注意してください。

まとめ

今回は、株主名簿の必要性と、株主名簿に記載する具体的な事項、さらには管理方法などについて解説しました。株主名簿は株主の人数や会社の規模、株券の発行の有無に関係なく全ての株式会社が発行しなければいけないものです。株主から開示請求を受けることもあるので必ず作成し、常に最新の状態を保っておくようにしましょう。また、記載事項は決して難しいものではありませんが、抜け漏れや記載間違えのないように気をつけバガラ記入するようにしてください。

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