労務とは?具体的な仕事内容と必要な能力、仕事を行う際の注意点など

労務

企業経営には3つの要素があり、「人」「物」「金」があります。
基本的にこの三要素のどれが欠けても企業経営は成り立たなくなってしまいます。ですがこの三要素の中で一番欠けてはいけないのが「人」です。金や物はまた頑張れば手に入れることが出来ますが、人の場合は簡単には行きません。
特に最近は、働き方改革などが意識される中で、企業としては人を大切にすることが意識され始めているのです。

そこで今回は、企業は人を大切にする必要があるということで、人を大切にする労務について紹介します。

労務とは

労務とは
労務とは、会社で働く人たちの労働に関する事務のことです。
例え労働者が1万人以上会社や5人未満の会社だとしても、労務が企業には必要なのです。

労務の意味

企業経営の三要素である「人」について労務は担当しています。物やお金に関しては会社で働く人たちが管理をしますが、その人である社員の労働や安全について担当管理をする必要があるため、労務は存在するのです。

労務の役割

会社の中で労務の役割としては、会社で働く人たちが安心して働くことが出来るようにサポートをすることです。労務がなければ組織としての決まりがなく、働く人たちの安全や安心が守られないのです。

労務の仕事内容

労務の仕事内容
それでは実際に労務とはどのような仕事をするのでしょうか。
労務の仕事で主に管理しているものは、労働・給与・保険・健康がありますので、それぞれを項目ごとに紹介します。

労務管理(労働契約や就業規則の管理・作成など)

労務管理とは、働く人たちの労働契約や、就業規則の管理や作成などをしているのです。
労働契約は、企業に労働を提供することを代わりに、報酬を支払うことを契約するのです。
そして就業規則とは、社内で働くために定められた規則を明示化したものです。労働時間や休日、退職時の手続きなどが規則化されているのです。

給与の計算

労務は従業員の給与計算をしなければなりません。従業員一人ずつ、計算された給与から各種税金を差し引き、納税し、それらの書類を作成します。そして総額の給与から税金などが差し引かれ給与が手取りとして従業員に入るのです。

社会保険や労働保険の手続き

従業員一人一人の4つの保険加入の手続きなども行います。
雇用保険・厚生年金・健康保険・労災保険の4つの保険を、新入社員や年に1回保険料を算定するための手続きも行っているのです。

健康診断の対応なども

やはり労務が経営3要素の人を担当しているので、従業員の健康診断も対応するのです。健康診断は労務の仕事として年中行事のようなもので、雇入れを行った時や1年に1回健康診断を実施しなければならない義務があるのです。

労務の仕事をするために

労務の仕事をするために
労務と同様に企業で人に関する仕事している部署があります。それは人事の仕事です。企業によっては人事労務と呼ばれているかもしれません。同じ対象を仕事としている労務と人事の違いと、労務として働く為に必要な能力を紹介します。

労務に必要な能力

労務の仕事は企業にいる全従業員が対象となります。そのため、トラブルが起きた時のコミュニケーション能力や、労働基準法などの法律への理解、給与・税金・社会保険料に関する正確な計算処理能力などが必要となります。
さらに、従業員が安心をして働ける労働環境を整え、ストレスなどの健康問題が起きても対処できる能力も必要となるのです。

労務と人事との違い。人事労務とは?

労務と人事の仕事には大きな違いがあります。基本的に労務は従業員視点で仕事をしますが、人事は会社視点の仕事内容となります。
人事は基本的に採用・昇給・異動などを決めたり、採用や従業員の研修や教育なども担当しているのです。そのため、人事は企業側に立って仕事をしますが、労務は従業員側に立って仕事をするのです。人事は新たな人材を確保することで企業を活性化させ、労務は従業員が安心して働ける企業づくりをするのです。
ちなみに人事労務と括られるのでしょうか。それは、人事と労務が企業において人に関わる仕事であるため一括りにされていたり、従業員人数が少ない企業では総務の仕事として人事と労務の両立や、はじめから人事労務となっていて事務職1人が担当することもあるからなのです。

労務管理士とは?

労務管理士とは?
労務管理士とは、労務の仕事が出来るスキルを持っていると証明することが出来る資格です。
労務は企業の中で働く人を対象として仕事をします。そのため通常の事務作業とは違い、人を管理する仕事となるので、トラブル解決や労働環境改善に必要なコミュニケーション能力や従業員全体を見ることができる能力など、少し特殊な仕事となるので労務管理士の資格が重要となってくるのです。

労務管理士と労務士との違い

労務の資格として、労務管理士と労務士の資格があります。この2つの資格には大きな違いがあり、労務管理士は民間資格、労務士は国家資格なのです。他にも労務管理士は企業内の労務担当部署に配属された従業員が取得したりするのですが、労務士は独立して個人の事務所を構えている人が多いのです。

労務管理の資格について

労務管理士の資格は、一般社団法人である日本人材育成協会と日本経営管理協会が認定している資格なのです。受験資格としては20歳以上であれば学歴不問で受験が可能です。
公開認定講座・通信講座・WEB研修のいずれか1つを受講した後に、試験(択一式筆記試験)に合格すると資格が取得できるのです。書類審査でも資格取得ができますが、最低3年以上の実務経験と労務管理士資格取得者からの推薦が必要となり課題論文があります。

労務士の資格について

労務士は正確には社会保険労務士と呼ばれています。
労務士試験には受験資格があり、学校教育法による大学や高等専門学校を卒業した人、行政書士となる資格を有するものなどのいくつかの条件があるのです。受験資格がある人は毎年8月下旬の日曜日に開催される試験を受けることができます。
労務士を受験する人は毎年増え続けており、人気の背景には社会保険手続きや就業規則などの作成業務を、独占業務として扱えるのです。さらに企業内で活躍することもできますし、独立開業をすることも可能なのです。

労務管理を行う際の注意点

労務管理を行う際の注意点
やはり労務管理を行う際には、注意をしなければならない点がいくつかあります。物やお金ではなく、企業で働く人を対象としているので、問題が起きても簡単に解決できなかったり、扱う情報が非常にデリケートな場合があります。そこで、労務管理を行う際の注意点を紹介します。

個人情報管理

従業員一人一人の労務管理を行う上では、個人情報の管理が非常に重要になってきます。プライバシーの問題があります。従業員一人の給与や社会保険、さらには健康状態までの個人情報を扱うこととなるので、情報漏洩や社内でのデータ取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。

法令遵守

労働に関していくつか法令があり、労務管理を行う上では法規則に触れないか注意しなければなりません。特に、労働環境や労働時間、適切な給与体系になっているかが重要になってきます。過剰に働かさせられたり、残業時の手当が正当ではなかったりということが無いように、きちんと法規則に従って労務管理をする必要があるのです。

世の中の流れをしっかりと追う

そして労務管理を行う上では、世の中の流れを追うことが重要になってきます。最新の法規則や、働き方、最適な労働環境など時代に沿った労務管理をしなければ、従業員が企業を離れる原因となってしまうのです。特に最近では働き方改革と耳にする機会が増えているので、その時々の流れに合った働き方や手当を従業員に提供していく必要があるのです。

まとめ

労務のまとめ
企業経営にとっては、三要素であるお金や物よりも「人」が一番大切となってくるのです。お金や物は人がいなくては生み出すことはできません。そこで、企業にとって一番大切な人を管理する仕事として労務の仕事があるのです。
労務は従業員情報の管理や健康状態まで管理する必要があります。そのためには幅広知識や能力が必要となってくるのです。さらに、時代の変化に対応できなければ、古い企業と判断され評判や良い人材を集めることも難しくなってきます。
労務の仕事は、企業の中ではあまり表舞台に立つ仕事ではありませんが、縁の下の力持ちのように企業にとっては必要不可欠な仕事なのです。