有給休暇とは?権利発生タイミングや義務化や付与日数などについて解説

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有給休暇は必ずしも導入する必要がないと思っている方は多いのではないでしょうか。確かに、有給休暇の取得は義務付けられていませんが、労働者は条件を満たせば有給休暇を取得できる権利を与えられています。そのため、有給休暇について、権利発生のタイミングや付与日数を確認しておく必要があります。ここでは、有給休暇の取得や日数などについて、詳しく解説します。

有給休暇

有給休暇は、一定の条件を満たした場合に、労働者が取得できます。会社独自の制度ではなく、法律によって定められている制度です。有給休暇の正しい知識を身につけておくことが大切です。有給休暇の概要から有休休暇の違いまで詳しくみていきましょう。

有給休暇とは?

有給休暇は、正しくは年次有給休暇といい、賃金の支払いを得たうえで法定休日以外の日に休める制度です。労働者にとっては、働いていないのに賃金を得られるため、積極的に利用したい制度と言えます。有給休暇の条件を満たしていても、同僚や上司からの威圧や業務内容などの要因によって、取得できない場合があります。

そのため、会社と労働者との間でトラブルになることも多い制度です。

有給休暇と有休休暇の違いは?

有給休暇と間違われる言葉に「有休休暇」があります。正しくは、「有休休暇」という言葉は存在しません。これは、有給休暇のことを「有給」と略す人と「有休」と略す人がいるために、「有休休暇」という言葉が存在すると誤認したものと考えられます。

また、「有給」と「有休」はどちらも同じ意味ですが、「有給」は給料が発生し、「有休」は給料が発生しないと誤認されるケースもあります。そのため、有給休暇か年次有給休暇という言葉を使うことをおすすめします。

有休休暇の発生条件と日数

有休休暇の発生条件や日数は、法律でルールが決められています。会社によって、「一定の成果を挙げなければ取得できない」、「成果によっては付与日数を減らす」などのルールを定めることはできません。それでは、有給休暇の発生条件や付与日数について詳しくみていきましょう。

発生条件は?

有給休暇の発生条件は、労働基準法39条で定められています。雇用した日から6ヶ月続けて勤務しており、労働すべき日の8割以上出勤していることが条件です。なお、雇用形態にルールはないため、パートやアルバイトであっても、有給休暇を取得する権利があります。

付与日数は?

条件を満たしていれば、入社6ヶ月で10日の有給休暇を付与します。勤続年数が長くなればなるほどに、付与される有給休暇も増えます。また、通常の労働者、認定職業訓練を受ける未成年者、パート・アルバイトで付与日数が異なるため、詳しくみていきましょう。

・通常の労働者
6ヶ月・・・10日
1年6ヶ月・・・11日
2年6ヶ月・・・12日
3年6ヶ月・・・14日
4年6ヶ月・・・16日
5年6ヶ月・・・18日
6年6ヶ月以上・・・20日

・認定職業訓練を受ける未成年者
6ヶ月・・・12日
1年6ヶ月・・・13日
2年6ヶ月・・・14日
3年6ヶ月・・・16日
4年6ヶ月・・・18日
5年6ヶ月・・・20日

・パート、アルバイト
週の所定労働日数4日以下かつ週の所定労働時間30時間未満の方が対象です。また、週単位以外で所定労働時間が定められている場合は、1年間の所定労働日数216日以下が条件となります。条件によって有給休暇の付与日数が異なります。

(1)週の所定労働日数が1日で、年間の所定労働日数が48~72日の場合
6ヶ月・・・1日
1年6ヶ月・・・2日
2年6ヶ月・・・2日
3年6ヶ月・・・2日
4年6ヶ月・・・3日
5年6ヶ月・・・3日
6年6ヶ月以上・・・3日

(2)週の所定労働日数が2日で、年間の所定労働日数が73~120日の場合
6ヶ月・・・3日
1年6ヶ月・・・4日
2年6ヶ月・・・4日
3年6ヶ月・・・5日
4年6ヶ月・・・6日
5年6ヶ月・・・6日
6年6ヶ月以上・・・7日

(3)週の所定労働日数が3日で、年間の所定労働日数が121~168日の場合
6ヶ月・・・5日
1年6ヶ月・・・6日
2年6ヶ月・・・6日
3年6ヶ月・・・8日
4年6ヶ月・・・9日
5年6ヶ月・・・10日
6年6ヶ月以上・・・11日

(2)週の所定労働日数が4日で、年間の所定労働日数が169~216日の場合
6ヶ月・・・7日
1年6ヶ月・・・8日
2年6ヶ月・・・9日
3年6ヶ月・・・10日
4年6ヶ月・・・12日
5年6ヶ月・・・13日
6年6ヶ月以上・・・15日

有給休暇の義務化

有休休暇は制度として導入していても、なかなか取得できない現状です。そこで政府は、働き方改革の一環のひとつとして、有休休暇の取得を推進してきました。そしてついに、一定の条件を満たす労働者に対し、一定の有給休暇を取得させることを義務づけられるようになったのです。

これまでは、「権利」でしたが、「義務」となったことで、違反した場合には罰則が設けられています。そのため、労務担当者や経営者としては、義務化について十分に確認しておくことが大切です。

有休休暇の義務化について、詳しくみていきましょう。

有給休暇の義務化とは?

有給休暇の義務化とは、年10日以上の有給が付与されている労働者に対し、最低5日の有給休暇を取得させるというものです。有給休暇は、業務や人手不足などの要因で、なかなか取得できないという問題がありましたが、今回の法改正により、業務上難しくても、5日の有給休暇を取得させなければならなくなったのです。

また、義務となる有給休暇の5日間については、会社側が指定しなければなりません。これは、会社にとっては好都合とも言えるでしょう。人手が必要な繁忙期を避け、業務への負担が少ないタイミングで有給休暇を取得させることができます。

義務化はいつから?

有給休暇の義務化は、平成31年4月1日からです。それまでは、有給休暇の取得は義務付けられていないため、これまで通り労働者が求めなければ、有給休暇を取得させる必要はありません。

義務化しない時の罰則は?

これまで、有給休暇を取得させられなくても罰則はありませんでしたが、今回の有給休暇の義務化によって、対象者に有給休暇を取得させないことで、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されることになりました。

実際に、そのような重い罰則を受けることになるかは別として、違反によって書類送検されることで、会社側に大きな不利益がもたらされる可能性があります。例えば、ハローワークからの助成金を受けられないなど、金銭的な不利益がもたらされます。

まとめ

有給休暇は、一定の条件を満たした労働者に与えられる当然の権利です。会社側が有給休暇の取得を拒否することは、労働基準法違反となります。平成31年4月1日からは、年10回の有給休暇が付与された労働者に対し、5日の有給休暇を取得させることが義務付けられています。会社の利益を守るためにも、労働基準法に従って有給休暇を取得させましょう。