家族手当とは? 支給の条件と相場・導入メリット・デメリットを解説

家族手当の記事
家族手当は社員の福利厚生の1つです。社員に家族がいる場合に支給されますが、多くは扶養家族に対して支給されるものです。家族手当の支給条件は企業が自由に決めて良いです。社員の満足度を向上させるために、適切な支給条件を考えたいところです。家族手当導入のメリット・デメリットについても解説します。
目次

家族手当とは?

社員の福利厚生の1つである家族手当。家族手当の意味・定義など、家族手当の概要を解説します。

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家族手当の意味・定義

家族手当は社員に家族がいる場合に支給される手当をいいます。家族手当は基本給とは別に支給されます。家族手当といっても家族の全てが対象となるのではなく、社員が扶養している家族(扶養家族)が対象となることが多いです。家族手当は法律で定められている福利厚生ではないため、実際には企業によって定義が異なります。

導入企業は約78%

家族手当を導入している企業の割合はどのくらいでしょうか。人事院の「平成30年職種別民間給与実態調査」によると77.9%の企業が家族手当を導入しています。 従業員数別で見てみると次の通りです。

人事院:平成30年職種別民間給与実態調査の結果


【500人以上】78.4%
【100~499人】78.4%
【50~99人】70.7%

全体で70%以上の企業が家族手当を導入しています。企業規模による違いはあまり大きくないため、家族手当は広く様々な企業で導入されているといえますね。

家族手当と扶養手当の違い

家族手当と似た手当に扶養手当があります。扶養手当は、社員にとっての扶養家族がいないと手当が支給されません。すなわち、配偶者が働いていて社員の扶養になっていない時は扶養手当の支給対象とはならないのですね。

家族手当は企業によって定義が異なりますが、扶養家族以外を支給対象とすることも可能です。例えば、同居する家族に対して家族手当を支給するというルールを設けている企業の例を考えてみます。この場合、配偶者が働いていて社員の扶養には入っていない場合でも、同居していれば家族手当の支給対象になり得ます。

家族手当の平均支給額・相場

家族手当は多くの企業に支給されていますが、平均支給額・相場はどのくらいでしょうか。

大企業で2万円程度

厚生労働省による「平成27年就労条件総合調査」によると、社員1人あたりの家族手当の平均支給額は17,282円です。従業員数別にみると次のようになっています。

厚生労働省:平成27年就労条件総合調査

【1,000人以上】21,671円
【300~999人】17,674円
【100~299人】15,439円
【30~99人】12,180円

従業員1,000人以上の大企業においては2万円程度支給されます。企業規模が大きくなるにつれて家族手当の支給額が増えていることが分かりますよね。

家族手当の支給条件

家族手当の決め方は企業によって違います。家族手当の支給条件を示しますので、家族手当を決める際の参考にしてみましょう。

配偶者や子供の人数

家族手当の対象となる家族を制限し、支給条件を設定します。家族といっても両親や兄弟姉妹などがいるので、配偶者や子供を支給対象とするのです。そうすれば、家族の数によって家族手当の額を多くし過ぎる必要がなくなります。尚、子供の人数によって家族手当の支給額を変動させることもできます。

同居の有無

家族手当の対象家族を決めたら、同居の有無を支給条件とします。配偶者や子供がいたとしても、同居していない場合は支給しないという支給条件です。

しかし、同居の有無を家族手当の支給条件とする場合、社員が単身赴任すると家族手当の支給から外れるというおかしなルールになってしまいます。そのため、「扶養家族」であることを条件に加え、同居していなかったとしても扶養家族がいれば、引き続き家族手当を支給する運用にします。

扶養家族の有無

扶養家族の有無も家族手当の支給条件となります。家族手当は福利厚生です。これは、配偶者や子供に一定の収入があり、社員の扶養家族でない場合は支給しないようにすることができるということです。また、扶養家族に支給するというルールにしておけば、同居していない家族がいても家族手当は支給されます。

家族の収入上限を定める

家族手当の支給条件を扶養家族にしなかった場合でも、家族の収入上限を定めておくことで、高い収入がある家族にも家族手当を支給しなくて良くなります。収入が多い家族がいる社員には手当を支給しないので、過剰な家族手当の支給に悩まされることがありません。

年齢制限を設ける

扶養している子供であっても、年齢制限を設ける支給条件もあります。例えば、一般の大学卒業年齢である22歳までを家族手当の支給条件とするというやり方です。

家族手当こんなときはどうする?

家族手当にも色々なケースがあります。こんな時はどうしたら良いだろう?という疑問にお答えします。

事実婚の場合

配偶者を家族手当の支給対象としている時、事実婚の場合、家族手当の支給対象となるでしょうか?

事実婚の場合は、就業規則において配偶者をどう定義しているかによって決まります。婚姻届を提出している相手を配偶者と定義している会社では、事実婚の社員には家族手当が支給されません。一方で、事実婚の相手を配偶者に含める会社では、事実婚の場合でも家族手当が支給されることになります。

離婚した場合

離婚した場合は、配偶者は家族ではなくなるため家族手当の支給条件から外れます。配偶者が子供を養育する場合、同様に家族手当の支給条件から外れることになります。一方で、離婚しても子供を社員が養育する時は、引き続き家族手当が支給されます。

家族手当の導入メリット

家族手当を導入すると従業員満足度を向上させるというメリットがあります。

従業員満足度を向上させる

家族手当があると従業員満足度を向上させられるメリットがあります。家族がいるだけで手当を受けることができます。家族手当を支給される社員にとっては、実質的に年収増となります。

家族手当を廃止する企業が増えている理由

家族手当にはメリットがある一方で、廃止する企業も増えています。その理由について4点、紹介します。

共働き世帯の増加

家族手当は社員の満足度を向上させることができます。しかし、現在は共働き世帯が増加しています。扶養家族に家族手当を支給する会社の場合、一定の年収以上を配偶者が稼いでいると家族手当をもらえないことになります。配偶者が働いているために家族手当のメリットが得られなくなります。そのため、企業が家族手当を廃止する理由となっているのです。

トヨタは配偶者手当を廃止

世界的な自動車メーカーであるトヨタ自動車は家族手当にあたる配偶者手当を廃止しました。その一方で子供手当については5,000円から2万円に拡充することを決めました。トヨタの取り組みは、共働き世帯も増え、働く女性の意識に対する企業イメージなどを考慮し、配偶者手当より子供手当を手厚くしたという意味合いです。

家族手当の見直し方法

家族手当を廃止する企業が増えている理由について説明しました。「自分の会社でも家族手当を見直した方が良い」と思った場合、どうしたら良いのか手順を解説します。

支給条件を変更する

支給条件を変更することで家族手当を見直す方法です。トヨタのように配偶者に対する手当を廃止し、子供手当を手厚くすることで子育てへの支援に繋がります。あるいは配偶者・子供という対象をなくし、扶養家族に一律に家族手当を支給する方法もあります。

段階的な廃止を進める

家族手当を突然廃止することは、労働者の不利益変更になるため注意しましょう。家族手当のメリットが従業員満足度であることを考えれば、突然の廃止は社員からの反発を生んでしまいがちです。

将来的な家族手当の廃止を検討するのであれば、突然ではなく段階的な廃止を進めるようにします。また、家族手当の廃止は社員の年収減に繋がりますから、廃止しただけでは、やはり社員の反発を受けます。したがって、家族手当を減額した分を補てんするため、成果給に変更して、パフォーマンスを上げた社員には報いるようにしたいところです。

まとめ

家族がいる社員が支給される家族手当は、導入企業が78%に上り、多くの企業で普及している福利厚生です。一方で、共働き世帯の増加から子供手当への移行をする企業が出てくるなど、徐々に家族手当のあり方も変わってきています。家族手当を廃止することも1つの手段ですが、急な廃止は不利益変更に繋がります。記事では、家族手当の見直し方法も記載しましたので参考にしてみましょう。

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