モンスター社員とは
モンスター社員とは職場の中で非常識な言動や態度を取り続け、職場や関係者に悪影響を及ぼす社員のこと。その言動と態度を行う目的は、仕事のためではなく自分のためであることがモンスター社員の特徴です。
職場や関係者への迷惑な言動
モンスター社員の言動の目的は自己中心的です。自己中心的な言動を繰り返すことで職場や同僚に迷惑をかけます。モンスター社員は、自分の思う通りに事が運ばれないと暴言を吐きますが、それが1回では終わらず継続性があるのがモンスター社員です。モンスター社員の迷惑な言動の具体例を以下に示します。
・自分のミスを他人のせいだと言う
・相手との合意を無視して主張を押し通す
業務の正常な進行を妨げる
モンスター社員の言動は職場や関係者に悪影響を及ぼします。例えば同僚に非がないにもかかわらず、モンスター社員が同僚のせいで仕事でミスをしたと暴言を吐きます。暴言には継続性があります。すると同僚はモンスター社員への対応や、暴言によって仕事が手につかなくなる等、モンスター社員の暴言のせいで業務の正常な進行に妨げが生じます。
モンスター社員はなぜ生まれたのか
モンスター社員の意味、そしてモンスター社員の事例を見てきました。では、そもそもモンスター社員はなぜ生まれたのでしょうか?理由を確認していきたいと思います。
企業風土や職場環境に原因がある
企業風土や入社後の職場環境が原因でモンスター社員になることがあります。具体的には、社員に厳しい組織風土や職場環境のために追い込まれて、自らを守るために攻撃的になるケースがあります。攻撃的な言動をした時に、例えば相手に否定されないことでその言動をしても良いんだと思い込むと攻撃的な言動をし続けるモンスター社員になってしまいます。
企業風土や職場環境の例をもう1つ挙げまると、攻撃的な言動が許容される風土、職場であるとモンスター社員が生まれやすくなります。例えば上司がしょっちゅう怒鳴っている職場においては誰も暴言を制止しないので、暴言を吐いても良いんだという認識になりがちです。そうなるとモンスター社員が生まれる原因となります。
人事評価が高いと気付けない
仕事さえできれば人間関係に配慮しなくても良いという企業においては、モンスター社員が生まれる土壌があると言っても過言ではありません。人間関係に配慮しないと人事評価が下がる仕組みであるべきなのに、人間関係に配慮せず攻撃的な言動を吐く社員の評価を下げない仕組みはモンスター社員が生まれる原因となります。
新入社員がモンスター社員であることも
これまで企業風土や職場環境、人事評価によって社員がモンスター社員となるケースを説明してきました。中には、新入社員がモンスター社員になるケースもあります。これは、企業風土や職場環境に影響を受けるだけでなく、入社時からモンスター社員である新入社員がいるということも指します。
モンスター社員を企業が抱えるリスク
モンスター社員の意味や原因を説明してきたので、社内にモンスター社員がいると問題だということが分かったと思います。それでは具体的にどういう問題なのか、4つのリスクに分けて解説します。
離職リスク
職場にモンスター社員がいると、その迷惑な言動により他の社員は嫌な気持ちになります。モンスター社員は攻撃的なので、一緒に働くこと自体に苦しさを感じることでしょう。そうなると他の社員が退職してしまうという離職リスクが高まる可能性が出てきます。
組織の崩壊リスク
モンスター社員の暴言は、所属する組織全体に対しても悪影響を及ぼします。例えば上司がモンスター社員であれば、部下は上司の暴言を受け続けなくてはならなくなります。上司がモンスター社員を黙認している場合もあり、モンスター社員の暴言で組織メンバーが疲弊します。すなわち組織としての連帯感がなくなり、職場の崩壊リスクが高まる可能性が出てきます。
訴訟リスク
モンスター社員は自己中心的であり、言動の目的が仕事に向かっていません。従って自分の思い通りにならなければ攻撃的な言動を続けます。しかし、モンスター社員の主張を会社が必ず聞き受けるとも限りません。主張を聞いてもらえないと思ったモンスター社員が裁判所に訴える訴訟リスクが高まる可能性が出てきます。
人件費リスク
「人事評価が高いと気付けない」でも書きましたが、モンスター社員に対して適切な人事評価をしないと人件費がかさみがちとなります。労働者は労働法によって保護されていますから、たとえモンスター社員であっても容易には解雇できないのが現状です。従って、モンスター社員を抱えることは人件費リスク が高まる、つまり人件費が高止まりする可能性をはらんでいる訳です。
モンスター社員への対処方法を紹介
モンスター社員に対して、企業はどのような対処を講じるべきなのか。4つのポイントに沿って説明していきたいと思います。
人事評価制度の改定
貴社では、人事評価制度において人間関係に配慮することを評価項目に含めているでしょうか?例えばコンピテンシー評価を採用する中で、「人間関係に対する配慮」という項目を含めておくようなイメージです。モンスター社員は人間関係に配慮できずに攻撃的な言動を吐くのですから、人事評価も低くせざるを得ません。
また、「人材育成」「チームワーク」といった評価項目を取り入れることでも、モンスター社員を適切に評価することが可能になります。
就業規則の改定
就業規則に他者に暴言を吐く行為に対して懲戒処分とする規定がなければ、改定するようにします。そうすれば、モンスター社員の攻撃性や暴言に対して懲戒処分を下すことができ、また、モンスター社員の抑止力になり得ます。
人事担当によるヒアリング
モンスター社員を職場で解決することができない場合は、人事担当がモンスター社員を直接ヒアリングすることでモンスター社員の抑止力となります。人事権を握る人事というセクションは会社の中枢ですから、問題行動を起こしたとして人事からヒアリングされたというだけでも、相手は焦ることでしょう。
例えば、人事がモンスター社員に対して「職場から暴言を吐かれたという声が上がっています」と事実を指摘するだけでも、モンスター社員は怖がります。人事担当は人事権を握っていますから、状況次第で何かしらのペナルティが下されるのではないかと思うからですね。もし、そこでモンスター社員が人事担当を怖がり暴言を謝罪するようなことがあれば、「2度と暴言を吐かないこと」を約束させることもできるでしょう。
定期的な状況確認
人事がヒアリングした後、その職場を放っておかないようにして下さい。職場に対してはしっかりと定期的な状況確認を行い、モンスター社員が暴言を吐くことのないよう職場から情報をもらっておく必要があります。いわば人事がモンスター社員を監視するようなものですが、監視しておかないとほとぼりが冷めたとばかりにモンスター社員が再び暴言を吐く可能性を生むことになります。
まとめ
モンスター社員は、職場環境や企業風土によるもの、人事評価によるもの等、様々な理由で生み出されてきました。1度、モンスター社員が生まれてしまうと職場内で解決するのは困難となります。人事が積極的にモンスター社員対策に向き合うことで、モンスター社員を解消することに繋がります。