O2Oとは?オムニチャネルとの違い・メリット・ツール・成功事例を紹介

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インターネットで集客し、実店舗の購買行動に繋げるO2Oというマーケティング手法があります。インターネットを使って大量の広告を打っても直ぐには顧客の消費に結び付かない時代。特定の顧客の購買行動を促進するために、O2Oによるマーケティングが注目されているのです。O2Oとは何か?オムニチャネルとの違いやO2Oのメリット・成功事例等、O2Oの基本を解説します。
目次

O2Oとは?

O2O とは、Online to Offlineの略で、インターネットで集客し実店舗の購買行動に繋げるマーケティング手法のこと。O2Oの具体例やO2Oが注目される理由について解説します。

「オンライン→オフライン」へのマーケティング施策

O2Oは、オンラインからオフラインの購買行動に繋げるマーケティング手法です。例えば、居酒屋を経営している企業がインターネット上で割引クーポンを発行し、来店を促すような手法が該当します。総務省の通信利用動向調査(2017年)によると、スマートフォンの世帯保有率は75.1%となっておりパソコンの世帯保有率72.5%を上回っています。スマホを持つことで日常的にネットに繋がっている状態が当たり前となっている現状では、O2Oの重要性はますます高まっていると言えます。

O2O が注目される3つの理由

O2Oはなぜ注目されるのでしょうか?3つの視点で解説します。

「まず検索」が当たり前になった消費者

スマートフォンの世帯保有率が75%に達していることを紹介しましたが、顧客が何かを消費しようと検討する際、インターネットで検索することが当たり前になっています。ですから、企業がマーケティングを考える際には、インターネットで集客することに重点を置かなくてはならないのです。しかもスマートフォンなら顧客の位置情報から現在地付近の店舗を検索できます。オンラインで集客し実店舗への購買行動に繋げる手法を利用しない手はないのです。

SNSやアプリが浸透した

SNSやアプリの浸透も、O2Oが注目される理由の1つ。SNSの公式アカウントを使ってお得な情報を提供したり、公式アプリを活用してクーポンや来店ポイントサービス等を提供したりすることで、実店舗への購買行動を促進する必要が出てきているのです。

オンラインマーケティングが主流になった

オフラインのビジネスを本業としている企業にも、オンラインマーケティングが主流になったということが、O2Oが注目される理由として挙げられます。従来であれば、マス広告の他にインターネット広告や自社HPを通じたマーケティングでも集客することができていました。

しかし、インターネットの普及による情報量の拡大、そして顧客の情報発信力の増大により、顧客が情報を峻別するようになりました。従って、いくら広告費用をかけたとしても、必ずしも顧客に情報が届くとは限らなくなっています。そのため、O2Oのようにオンライン→オフラインへの仕掛けがマーケティング上必要になってきているのです。

O2O とオムニチャネルとの違い

O2Oとよく似たマーケティング手法にオムニチャネルがあります。オムニチャネルとは、企業の全ての販売チャネルを統合して顧客との接点を持ち、販売促進に繋げるマーケティング手法のこと。O2Oは、オンラインの集客からオフラインへの購買行動という一方通行なので、例えばクーポンやアプリといった顧客との接触チャネルは特定されます。一方でオムニチャネルはオンラインやオフラインを問わず、あらゆる観点で顧客との接触チャネルを持とうとします。

O2Oを導入するとどんなメリットがあるのか?

企業がO2Oを導入するとどんなメリットがあるのでしょうか?3つのポイントを解説します。

新規顧客を獲得できる

O2Oを導入すれば、クーポンやアプリを使って幅広い顧客の目に触れることができます。既存はもちろん、潜在顧客やスマホの位置情報で店舗を検索した顧客等、多くの新規顧客を獲得することができるのです。

マーケティング施策の成果を測定しやすい

O2Oはマーケティング施策の成果を測定しやすいメリットがあります。アプリやSNSを使って集客した場合、どのくらいクーポンが使われたか、それによってどれだけの購買行動に繋がったかを容易に測定することができるのです。

短期的な成果が期待できる

DMやマス広告では成果を出すにはどうしても時間がかかります。しかし、クーポンやアプリを使ったO2Oなら、その日に集客し購買行動に繋げる効果を生み出すことができるのです。ですから、O2Oは即効性が高く、短期的な成果を生み出すことができると言えます。

O2Oにはどんなツールがある?

O2Oの代表的なツールを紹介します。

クーポン

まずはクーポン。クーポンには割引やお試し、キャッシュバックといった活用方法があります。クーポンはホームページやアプリ、SNS等を使って発行し、顧客に届けます。クーポンは即効性が高く、インターネットで情報を検索した新規顧客が購買行動に繋がりやすいです。新しい店舗への誘導にも役立ちます。

オンラインショップ連動

O2Oは、インターネットでじっくりと検討し、商品は店頭で購入するというウェブルーミングにも活用できます。また、インターネットで商品を購入する消費行動が一般になっていますが、お気に入りの店で買いたいとか、発送時間を短縮するため実店舗で買いたいという、オフラインでの購入ニーズがあります。そのため、オンラインショップの情報を充実させ、実店舗での購買行動に繋げる仕組みがO2Oのツールの1つとして有用なのです。

SNS

O2OのツールではSNSもあります。SNSでクーポンを知らせたり、セール情報を告知したりすることで、実店舗での購入に繋げるのです。SNSなら顧客がシェアしたりツイートしてくれたりする拡散効果もあります。

O2O の成功事例の紹介

O2Oのマーケティングに成功した企業事例を3つ紹介します。

ガストアプリ

ファミリーレストランのガストでは、ガストアプリを用い主にクーポンをO2Oツールとして使用しています。ガストアプリは顧客の年齢・性別・家族構成に基づいてクーポンを配信しており、顧客の来店を促進します。ガストアプリは顧客の属性に応じたO2Oマーケティングにより、顧客の囲い込みを狙っています。

ダイソーLINEアカウント

100円ショップダイソーは、LINEアカウントを使ってO2Oを展開しています。ダイソーは100円ショップですからクーポンの配信は行いません。代わりに、LINEアカウントを使って商品画像を顧客にアピールしています。それによって、店頭に行くとLINEアカウントで紹介された商品画像が陳列されているので、オンラインの集客から購買行動に繋げることができているのです。ダイソーの事例は、価格に関連した施策でなくてもO2Oが成功する事例として参考になるでしょう。

Ponta×Twitter

三菱商事の関連会社であるロイヤルマーケティング社が展開するPontaも、SNSを活用したO2Oマーケティングの成功事例となっています。PontaはTwitterと連携し、ハッシュタグを使うハッシュドポンタの活用で集客に繋げました。例えばケンタッキー・フライド・チキン(KFC)では、ハッシュドポンタを利用して商品を買った顧客に、通常の5倍のPontaポイントを提供します。KFCの成功事例は、実店舗での購買行動に留まらず、Twitterでの拡散効果も狙える施策です。

まとめ

O2Oは、インターネットでのマーケティングが当たり前となった現在において、オンラインで集客し、オフラインでの購買行動にダイレクトに繋げる即効性の高いマーケティング手法です。記事ではクーポン、SNS等のO2Oツールを紹介しましたが、QRコードを使うツールもあり、O2Oは様々に応用することができます。ネットで商品を買うのが一般化された現在だからこそ、O2Oを使って実店舗での購買行動を促す施策の重要性は増すのではないでしょうか。

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