コンコルド効果とは?意味・由来・サンクコスト・事例・防止策を解説

コンコルド効果の記事
コンコルド効果とは、投資した費用を惜しみ、損失が出ると分かっていても投資を続けてしまう心理をいいます。せっかく費用をかけたのだからと思うとムダでも投資し続けてしまうのです。記事ではコンコルド効果の意味・由来・サンクコスト効果・事例・防止策を解説します。
目次

コンコルド効果とは?


コンコルド効果とは何か、なぜ起こるのかについて確認していきます。

コンコルド効果の意味

コンコルド効果は投資した費用を惜しみ、損失が出ると分かっていても投資を続けてしまう心理です。費用をかけたことに対して、人間は「もったいない」と惜しむので損失が出ても投資を続けてしまうわけです。

コンコルド効果はなぜ起こるのか

コンコルド効果は社会心理学でいう認知バイアスの1つです。人間は直観や先入観、勘などによって合理的な思考が妨げられて、非合理的な判断や意思決定をしてしまうことがあり、これを認知バイアスといいます。認知バイアスにはコンコルド効果の他、確証バイアス、アンカリング、ハロー効果などがあります。

コンコルド効果が発生する理由は、投資した費用の見返りを求めるからです。合理的に考えれば投資を回収することは不可能と分かっていても、費用の見返りを求めるために投資を続けてしまうわけです。費用が元に戻らないからこそ、投資を続けてしまう心理に陥ります。

コンコルド効果の由来について

コンコルド効果の由来は超音波旅客機のコンコルドに由来します。コンコルドは利益が出ないにもかかわらず開発が続けられ、商業的に成功できないまま2003年に全ての路線が終了しました。250機作ればコンコルドは採算が取れましたが、結果的に20機しか生産されませんでした。

コンコルドは開発費が膨大にかかり、開発を止めてしまうと全ての投資がムダに終わります。そのため損失が出ると分かっても、コンコルドの開発・運航を止めることができなかったのでした。コンコルド効果の由来は「コンコルドの失敗」からきています。

コンコルド効果とサンクコスト効果

コンコルド効果は、行動経済学ではサンクコスト効果と呼ばれます。どういう違いがあるでしょうか?

意味は同じ

コンコルド効果とサンクコスト効果には違いがなく、同じ意味で使われます。サンクコストとは埋没費用と訳され、既に投資した費用をいいます。つまり何をしても回収することができない費用をサンクコストというのです。サンクコストを惜しみ、損失が出ている事業を継続していると損失が拡大する可能性があるので、経済学ではサンクコストを無視することが合理的な意思決定だとされています。

映画鑑賞の事例

映画鑑賞の事例を用いて、サンクコスト効果を考えてみましょう。花子さんは1,800円の鑑賞券を買って映画を鑑賞しました。すると、15分も経たずに映画がつまらないことに気づきました。花子さんはどういう行動を取るべきでしょうか?次の1.と2.の事例を見て考えて下さい。

1.鑑賞券1,800円がもったいないので、最後まで見続ける
2.鑑賞券1,800円はもったいないが、返金されないので映画館を出る

どちらの選択肢も鑑賞券1,800円が「もったいない」ことは理解しています。サンクコストは鑑賞券1,800円の代金です。しかし1.の選択肢は、もったいないからといってつまらないのに映画を見続けるのです。「つまらない」は花子さんにとって損失です。つまらないのに映画を見続けることは、損失が出るのに投資を続けることと同じです。つまり1.の選択肢は、サンクコスト効果に陥っている状態なのです。

それに比べて2.の選択肢では、鑑賞券はもったいないが返金されないから映画館を出るのです。つまり、2.において花子さんはサンクコストを無視して合理的な行動を取っているといえます。

コンコルド効果の事例

コンコルド効果のよくある事例を見てみます。

ギャンブル

ギャンブルは典型的なコンコルド効果の例です。ギャンブルにおける賭けは、投資と同じです。賭けたお金よりもたくさんの利益が得られることを望んで、ギャンブラーは賭けに興じます。ギャンブルは胴元が儲かるように作られていますが、賭けたお金が惜しくて、負けたとしてもギャンブルを続けてしまうのです。

新規事業への投資

新規事業への投資も採算が取れないとコンコルド効果になりやすいです。例で考えてみましょう。

A社は新規事業に多額の投資をしたのですが、どうも儲からなそうです。しかし経営者の肝いりの事業なので利益が出るまで続けなくてはなりません。採算が取れないのに事業を続けるので、赤字がどんどん垂れ流される結果に。撤退を決定した頃には、財務状態に大きなダメージを追ってしまいました。

コンコルド効果のビジネスへの活用

コンコルド効果に対してはネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、コンコルド効果をうまく利用すればビジネスに活用できるのです。

無料版からサブスクリプションへの移行

サブスクリプションビジネスを営んでいる会社は、消費者のコンコルド効果をうまく活用しています。動画配信サービス会社の例で考えます。無料体験版を使って、消費者に無料の動画配信を体験させます。

無料体験期間は1か月。1か月では興味のある動画を全て見切れません。ですから無料体験版を楽しんだ消費者は、楽しんだ時間が惜しいので有料契約したいと考えるわけです。飽きさせないコンテンツ作りをすることで、無料版からサブスクリプションへの移行を促すのですね。

会員のランク付けの導入

ECサイトで商品を買うとランクが付くことがあります。例えば、上からプラチナ、ゴールド、シルバー、グリーンランクを付けます。購入金額が多くなるごとにランクアップする仕組みです。最初は何気なく買い物していますが、ランク付けにより割引やお得なサービスがついてくると「プラチナになったのだから同じサイトで買おう」「あとちょっとでゴールドになるので買い物を続けたい」という心理になります。

会員のランク付けは、ランク付けされた時間、買い物した費用をもったいないと感じさせます。消費者のコンコルド効果を活用し、他社への乗り換えを防ぎ、自社サイトでの買い物の消費量を増やしているのです。

マネタイズ(課金モデル)の導入

無収益化サービスを収益化することをマネタイズといいます。マネタイズにはいくつもの種類がありますが、課金モデルはコンコルド効果を活用しています。

課金モデルの代表例にはアプリゲームがありますが、アプリゲームの多くは無料です。しかし、ゲームをうまく進めるには課金する必要があります。課金しなくてもゲームができますが、せっかく進めたのだから課金してでも有利に攻略したいという心理が働き、消費者に課金してもらえるのです。「せっかく進めた」という気持ちを利用したコンコルド効果の例です。

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コンコルド効果に陥らないためには?

コンコルド効果に陥らないためにはどうしたら良いか、2つの対策を紹介します。

機会費用を使って考える

機会費用とはある選択肢を選んだことで、得ることができなかった経済的価値の差を表します。

例えば、映画鑑賞の事例で挙げた時間は機会費用として考えられます。映画の時間は2時間で、15分でつまらない映画だと分かりました。この場合、1時間45分が機会費用となります。つまらない映画なのに見続けると、1時間45分の機会費用が損失となるのです。

コンコルド効果に陥らないためには、機会費用を考えて行動を選択するのです。映画鑑賞の事例の時間を機会費用と考え、1,800円の鑑賞券はもったいないが時間を有効に使うために退出しようと考えるのです。そうすればコンコルド効果に陥らないで済みます。

損切りを考える

損切りを考えて行動することも、コンコルド効果に陥らない対策です。損切りとはこれ以上損を出さないために、行動を中止することです。新規事業であれば事業への投資を止めることです。利益を生み出すことはできなくても、中止すれば損失を増やさずに済みますよね。自分を客観的に捉えて、コンコルド効果に陥っていると思ったら思い切って損切りする意思決定が必要となります。

まとめ

「投資した時間やお金がもったいない」と感じると、人はコンコルド効果に陥りやすくなります。言葉の由来となったコンコルドのように、損失を出し続けても投資を継続してしまう心理がコンコルド効果です。コンコルド効果に陥らないためには対策が必要。また、ビジネスでは、人間のコンコルド効果を活用した例もあります。記事を参考にして頂きながら、ビジネスに応用してみて下さい。

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