非課税とは?課税の仕組み・非課税と免税の違い・計算例を解説

無課税の記事
モノやサービスを消費する時にかかる消費税ですが、消費税がかかるものと、かからないものがあります。消費税がかからない取引として非課税・不課税・免税があります。記事では非課税を中心テーマとして、課税の仕組みや非課税と免税の違い、非課税と免税の計算例について解説します。
目次

非課税とは?

普段、私たちがモノを買ったりサービスを消費したりしている時に消費税を払っていますよね。消費税には税金がかかるものとかからないものがあります。税金がかからない取引は非課税取引として定められています。また、その他に税金がかからないものとして不課税や免税もあります。

まずは消費税の課税の仕組みを説明し、非課税や不課税、免税について具体的に解説していきます。

課税と非課税の仕組み

消費税は間接税の1つで、消費に対して課税される税のことをいいます。消費税の負担者は消費者です。しかし消費税は間接税なので、消費者が税務署に税金を納める訳ではありません。例を用いて説明しましょう。

コンビニで、消費者が100円のコーヒーを買うためにレジに持っていくと、消費税10%を加えて110円を支払いました。消費者はコーヒーを購入することで消費税を負担しています。コンビニは、消費者から受け取った消費税10円を税務署に納めます。消費税は間接税なので、消費税の負担者と納税者が異なるのですね。

消費税が課税されるのはモノだけではありません。国税庁ホームページによると、「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取り」が課税対象となっているので、モノだけではなくサービスも課税対象となっています。非課税取引のように消費税がかからないことの意味は、消費税10円分がかからないということです。

ちなみに、消費税が課税されるには4つの要件を満たす必要があります。

1. 国内において行われる取引
2.事業者が事業として行う取引
3.対価を得て行う取引
4.資産の譲渡、資産の貸付け又は役務の提供

次の事項では非課税、不課税、免税をそれぞれ解説します。

非課税

非課税とは、消費税を課されるモノやサービスであっても、以下の理由から非課税としている取引があり、非課税取引といいます。

・課税対象としてなじまないため
・社会政策的配慮のため

非課税の具体例

非課税取引の対象は、国が以下のように限定列挙しています。以下を参照して下さい。

1. 土地の譲渡及び貸付け
2.有価証券の譲渡
3.支払い手段の譲渡
4.預貯金や貸付金の利子、信用保証料、信託報酬、保険料など
5.郵便切手類、印紙、証紙などの譲渡
6.商品券、プリペイドカードなど物品切手の譲渡
7.国等が行う一定の事務に係る行政手数料
8.外国為替業務に係る役務の提供
9.社会保険医療の給付等
10.介護保険サービスの提供
11.社会福祉事業等によるサービスの提供
12.助産
13.火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
14.一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
15.学校教育
16.教科書図書の譲渡
17.住宅(戸建て、マンション、アパート)の貸付け

不課税

不課税とは消費税の4つの要件を満たさないものをいい、不課税取引といいます。非課税取引と不課税取引の違いは、課税対象であるか否かという点です。

不課税の具体例

不課税の具体例には、国外取引や対価を得ない取引(贈与、寄付)等が挙げられます。

免税

免税とは税金を免除することです。税金とは消費税のことで、基本的には国内で取引されるものに消費税がかかります。日本国内の空港に免税店がありますが、これは訪日外国人が日本で消費せずに自国に持って帰るという観点から消費税がかからないことになっています。

免税の具体例

免税の具体例は以下の通りです。例を見ていただくと分かると思いますが、国外取引があった時に免税されるということです。

・商品の輸出や輸出類似取引
・国際輸送
・国際電話などの国際通信
・国際郵便または信書便

非課税と免税の違い

非課税と免税は消費税がかからないという点で同じです。非課税と免税の違いは、仕入税額控除を行えるかどうかという点です。詳しく説明します。

仕入税額控除ができないのが非課税

仕入税額控除とは、モノを仕入れた時に支払った消費税が控除されるということです。そもそも非課税とは消費税がかからないことですから、非課税取引のために行った課税仕入れについても、仕入税額の控除はできません。

仕入税額控除ができるのが免税

そもそも消費税がかからない非課税とは違い、免税は消費税を免除されます。そのため、免税では仕入税額控除ができるのです。

非課税と免税の計算例

非課税と免税の違いについて説明してきましたが、もう少し理解を深めるためにそれぞれの納付消費税額の計算例を見てみましょう。

非課税の計算例

売上高1,000円、仕入高700円の取引が非課税取引だった場合、納付消費税額は次の計算で求めることができます。

1,000円×0%-700円×0%=0%

このように、非課税取引の場合には課税されないため、納付消費税額は0となります。

免税の計算例

次に、同じ事例で免税の納付消費税額を求めてみましょう。

1,000円×0%-700円×10%=-70円

免税においては納付消費税額が70円のマイナスになっています。つまり、免税では70円を還付されるということです。

消費税がかからない非課税取引について

非課税となる事業の具体例にはどんなものがあるか、見ていきます。

病院

病院で医療行為を行った時の収入には健康保険が適用されるため、消費税がかからない非課税取引となります。保険薬局の薬代についても健康保険の適用となるので非課税取引です。

ただし、医療行為の中でも予防を目的とした健康診断や人間ドック、予防接種、あるいはインプラントや美容整形については健康保険が適用されないので、消費税がかかります。病院やクリニックだからといって、必ずしも非課税取引という訳ではないので注意が必要です。

整体院

整体院において、自賠責保険や労災による治療を受ける時には消費税がかからない非課税取引となります。

老人ホーム、デイサービス

老人ホームやデイサービスにおいて、介護保険の適用となるサービスを行った時は、消費税はかかりません。介護保険の適用となるサービスに消費税がかからないということなので、健康診断やデイサービスの機能訓練等の収入については消費税がかかかります。

不動産の賃貸ビジネス

住宅用のアパートや戸建てを賃貸するビジネスを行う時、家賃収入については非課税取引となります。

ただし不動産の賃貸ビジネスといっても、事務所や店等からのテナント収入や駐車場を貸した時の収入については消費税がかかります。また、住宅用のアパートや戸建てを賃貸した場合でも、民泊ビジネスの場合は消費税がかかります。

投資

個人が株やFX等の投資を行う時、消費税はかかりません。つまり株を売っても買っても消費税はかからないのです。

ただし、株を売買する時に証券会社に支払う手数料には消費税がかかりますから、注意して下さい。

まとめ

消費税には、非課税・不課税・免税があります。非課税取引は、「課税対象としてなじまない」「社会政策的配慮」といった理由から税金がかかりません。不課税は消費税の条件を満たさないもの、免税は消費税を免除されることでした。非課税と免税の違いとして、仕入税額控除ができるかできないかといった点がポイントです。

よかったらシェアしてね!
目次