人事におすすめの資格とは?昇進や転職にも有利になる資格を紹介

人事資格の記事
幅広い業務で専門性を求められる人事の仕事。人事が業務をこなすには、法律や人材マネジメント等の知識が必要です。それらの知識を得るためには書籍やインターネットの情報を収集する他に、資格試験への合格もあります。「人事にはどんなおすすめの資格があるのか?」「昇進や転職にも有利になる資格とは何か?」を紹介していきます。
目次

人事に資格が必要な理由

人事に資格が必要な理由は、人事に求められる役割が大きくなっていることが挙げられます。採用・制度設計・労務管理・人材開発といった人事の仕事をこなすためには、会社で先輩から仕事を教えてもらうだけでは間に合わなくなってきました。資格を取るために勉強することで、人事が役割を遂行するための骨格となる知識を取得することができます。

人事の仕事内容

人事の仕事内容は、人事管理・採用・制度設計・人材開発のような人事面の仕事と、給与計算や社会保険のような労務管理の仕事があります。会社規模により、幅広い職務に従事する人事もいれば、採用や制度設計、労務管理専門の人事もいます。人事は、経営資源の1つである「ヒト」を扱う仕事ですので、経営者の人事戦略に基づき質とスピードの両面に配慮して実行しなくてはなりません。

人事は実務経験が豊富でなければこなせない仕事

人事の仕事は幅広く専門的で実務経験が豊富でなければこなせない仕事です。それゆえに、書籍で読んだ知識を元に人事業務をこなそうとしても、うまくいかないことがあります。実務経験を元に、社内外のヒトにフォーカスした実務をこなすことで、企業の業績に貢献する必要があるのです。

資格取得のための勉強はスキルアップに繋がる

人事の仕事は、実務経験が豊富でなければこなせません。一方で、経験だけでなく法律や人材マネジメントの骨格となる知識が必要です。知識とは、人事業務のベースあるいは自身への啓発となる正確な知識を言います。知識を得るには、書籍、インターネット、セミナー等から知識を得る方法もありますし、資格取得のための勉強もあります。資格を取得するためには一定量の勉強時間の確保が必要です。ですから、資格取得は正確な知識をしっかり蓄え、人事としてのスキルアップを目指すために有用です。

資格は昇進や転職にも有利になる

資格取得はスキルアップに留まらず、昇進や転職にも有利となります。転職では資格を持っていることで他者との差別化になります。昇進では、資格取得を昇進の要件としている企業もある程です。

人事におすすめの5つの資格

人事にとっておすすめの5つの資格を紹介します。

衛生管理者

衛生管理者は国家資格の1つ。労働安全衛生法により50人以上の従業員がいる場合は、必ず1人以上の衛生管理者を置くことが定められています。衛生管理者には第一種と第二種があり、第二種は金融業、保険業、卸売業、小売業等の業種に限定されますが、第一種なら全業種に対応することができます。例えば、製造業であれば、第一種なら対応できますが、第二種ではカバーできないということです。

衛生管理者で学べる分野は労働基準法、労働安全衛生法の法律分野が中心です。難易度は低めで、第一種は45%程度の合格率、第二種は55程度の合格率です。試験勉強をしながら法律の知識が学べます。

メンタルヘルスマネジメント検定

メンタルヘルスマネジメント検定はストレスやメンタルヘルスに関する資格です。Ⅰ種(マスターコース)・Ⅱ種(ラインケアコース)・Ⅲ種(セルフケアコース)まで3つのコースがあります。コースによって必要な対象者が分かれており、人事が必要なのはⅠ種(マスターコース)となります。Ⅰ種(マスターコース)の目的は社内のメンタルヘルス対策の推進ですので、労務関係に携わる人事に有用な資格と言えます。

メンタルヘルスマネジメント検定は受験資格がなく、誰でも受けることが可能。出題分野はメンタルヘルス・ストレスに関する知識、メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割等です。合格率は、Ⅲ種(セルフケアコース)が85%、Ⅱ種(ラインケアコース)で65%。人事に必要なⅠ種(マスターコース)は20%程度と難易度が高くなっています。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは国家資格の1つ(2016年4月より)。人材開発に対してアドバイスをするための知識を学習できます。社員教育に携わっている人事にとっては、ダイレクトに参考になる資格と言えます。キャリアコンサルタントでは法令の知識習得と共に、キャリアコンサルティングの理論・実務に関する幅広い知識を学ぶことができます。

キャリアコンサルタントの合格率は50%程度と高めではあるものの、受験資格は以下の通り限定されています。そのため、誰でも受験できる訳ではありません。

・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
・平成28年3月までに実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了した者

社会保険労務士

社会保険労務士は国家資格の1つ。人事労務のスペシャリストにとっては最適な資格です。社会保険、労働基準法・労働者災害補償保険法等の各種法令が出題科目となります。知名度が高く、転職はもちろん社内の昇進にも有用です。難易度は非常に高く、合格率は数%しかありません。尚、社会保険労務士で学ぶ知識は以下の通りです。

・労働基準法及び労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・労務管理その他の労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法

統計検定

統計検定は、基本的なデータ分析のスキルを身に付けたい人事に有用な資格。統計検定のレベルは、4級・3級・2級・準1級・1級の5段階です。データに基づいて人事戦略を行いたい企業にとっては、人事が統計学やデータ分析のスキルを持っていることは他社に比べて大きなアドバンテージです。統計検定に合格することで、感覚ではなく、数字に基づく人材マネジメントを実行することの手助けとなるでしょう。

資格取得を目指す人事への注意点

資格取得を目指すことで、人事はスキルアップを図ることができます。その際にいくつかの注意点がありますので紹介しましょう。

資格取得が目的では意味がない

資格取得の目的は、法律や人材マネジメントの骨格となる知識を得ることであり、それが自身のスキルアップに繋がります。だからといって、資格取得が目的にならないようにして下さい。資格を取得すると、自身のがんばりが成果になって表れてくるので、爽快感があると思います。しかし、資格はあくまでも自身のスキルアップの手段に過ぎません。

資格以外にも、人事は人材マネジメントの潮流を追ったり、専門書を読んだりしなければなりません。資格取得が目的になってくると、人事業務に求められる知識をおろそかにしてしまいがち。あくまでも、資格取得は手段でしかないことは、自覚しておく必要があります。

仕事に活かせない資格を目指さない

人事におすすめの資格を5つ、紹介しました。これら以外にも必要な資格があるでしょうが、気を付けたいのは、仕事に活かせない資格を目指さないということですね。資格を目指すには時間やお金のコストがかかってきますから、仕事に活きる、スキルアップに繋がる資格を取りましょう。

人材マネジメントの潮流に合った資格を目指す

人材マネジメントの潮流の書籍を学ぶことはお伝えしましたが、資格も同様です。統計検定は人事とは結び付かないような気がしますが、データ分析のスキルが人事に求められること、またはHRTechの進展により有用になってきました。トレンドをニュースで学んでおき、どんな潮流があるのか、そして潮流に合った資格にはどんなものがあるかを探り、取りたい資格を目指すことが肝要。

資格以外で人事がスキルアップを目指す方法

人事の資格について説明したきましたが、資格以外で人事がスキルアップもありますので、最後に紹介します。

データに基づいて思考する

採用、制度設計、人材開発、いずれの業務を行うにしても、人事は、感覚ではなくデータに基づいて思考することが求められます。日ごろからデータ分析に慣れておき、関連する書籍によって学習し、実践していくことでデータ分析のスキルアップに繋がります。

他者の立場に立ったコミュニケーションを行う

人事は社内外の人材を扱う仕事。よって、自分本位ではなく他者の立場に立ったコミュニケーションを行うことが重要です。スキルアップを目指すには、苦手な相手でも回避することなく関わりを持ち、率先して交流していくことで、他社の立場に立ったコミュニケーション力が涵養されます。

経営学・経済学の知識を取得する

人材マネジメントは、広い意味で経営学の1分野なので経営学を勉強することもスキルアップになります。また、行動経済学のような人間の心理を扱かった経済学やゲーム理論等も人事にとっては必要な知識です。経営学・経済学の知識は、人事にとって、抽象的なコンセプチュアルスキルを養うために必要と言えます。

人事戦略に関心を持ち情報収集する

戦略人事という用語があるように、人事は実務をこなすばかりでなく、経営陣のパートナーとして共に人事戦略を考え、実行する役割が期待されています。従って、経営者目線をもって人事戦略に関心を抱き、情報を収集していくことがスキルアップに繋がるのです。尚、先に説明した経営学も経営者目線を養うのに使うことができます。

まとめ

人事は、実務経験は元より、人事業務のベースあるいは自身への啓発となる正確な知識を身に付けることが必要。そのための選択肢の1つに資格取得があります。実務に活かせると思われる資格を取得して、スキルアップに活かしていきましょう。

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