公私混同とは?具体例・公私混同してはいけない理由・特徴・対処法を紹介

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職場で問題になる公私混同という行動。公私混同とは、プライベートと仕事を一緒にしてしまうことを言います。職場で公私混同をしてしまうと、コンプライアンス違反や社内風土の乱れに繋がります。公私混同の具体例・公私混同をしてしまう人の特徴・公私混同する人への対処法を紹介します。
目次

公私混同とは?

公私混同とは、職場において仕事とプライベートを混同してしまうこと。

公私混同の意味

公私混同には、公事と私事を区別せずにごちゃ混ぜにすること。つまり、仕事とプライベートでそれぞれに求められる役割があるのに、混同してしまうという意味があります。職場・プライベート双方で公私混同は使えますが、職場で使う場面が多く、公私混同した人に対して「公私混同するな」と言えるように、公私混同にはネガティブな意味合いがあります。

公私混同の使い方

公私混同の使い方を例文で紹介します。

・私は友人との飲食代を会社として請求し、交際費を公私混同してしまった。
・管理職になったAは、初めてできた部下に自宅の掃除や引っ越しの手伝いをさせることで、権力を公私混同した。
・会社の車で営業に行くBは、通勤でも営業車両を使い、公私混同した。

職場での公私混同の具体例

職場での公私混同の具体例を紹介しますので、公私混同のイメージを掴んで下さい。

経費を不正に請求する

中小企業の社長である太郎さんは、親から継いだ会社を一代で売上高100億円規模に引き上げ、らつ腕を振るっていました。しかし、影では自宅の塗装費や自家用車を経費として会社に請求する等、公私混同していました。

備品を私用で使う

里香さんは総務部スタッフとして働いています。月に1度の備品管理をしていたところ、ハサミやノリ、A4用紙等の備品が大量に余っていることに気付きました。前月にたくさん購入してしまったためです。備品を私用で使うのは公私混同なのですが、里香さんはそれらの備品を自宅に持ち帰りました。

会社の携帯電話を私的に使う

私用のスマートフォンを壊してしまった健一さん。携帯電話ショップに修理を依頼したところ、修理費用として20,000円がかかると見積もられました。そこで健一さんは、会社のスマートフォンを私用として使うようになりました。本来、仕事でしか使ってはいけないスマートフォンを私用でも使うことは、公私混同だと分かっていましたが、電話代やネット代が会社持ちになるので使い続けてしまいました。

旅費を不正に使う

綾乃さんは新卒採用の担当者として働いています。地方の就活生を面接するため、京都に行くことになりました。一度、夫と一緒に京都に行ってみたいと思った彼女は、彼を同伴して京都に出張しました。ホテル代や出張費は夫と折半しましたが、会社の規程では社外の人を同伴することは公私混同であるというルールになっていました。

職場で公私混同してはいけない理由

例文や具体例により、職場で公私混同してはいけないことは理解頂けたと思います。なぜ、職場で公私混同してはいけないのか?理由があります。

コンプライアンス違反を招く

中小企業の社長・太郎さんの例のように、会社の金を私的に使うことはコンプライアンス違反となります。税務署は企業にコンプライアンス違反がないかを確認しています。もし公私混同が露見したら税務署から摘発されてしまいます。また、金融機関から融資を受けられなくなる可能性もあるのです。そうなれば、資金繰りが悪化し、最悪の場合、企業は倒産の憂き目を見ることになります。公私混同をしてはいけないのです。

社内の風土が乱れる

公私混同を是正せずに蔓延している企業に属していると、社員は公私混同しても良いという風潮になり、社内の風土が乱れます。そうなると、会社の資産を社員が大切に扱わなくなり、不正が横行することになりかねません。社内の風土の乱れから、横領が発生することにも繋がります。公私混同を是正し、風土を整える必要があるのです。

費用がかさむ

職場で公私混同をすることは、費用がかさむことに繋がりますね。スマートフォンを私用で使う事例、備品を私用で使う事例を見ても、私用で使われる分だけ、会社の費用は上乗せされてしまいます。多くの社員が公私混同するようになれば、企業の財務状態を圧迫することにもなりかねません。

公私混同する人の特徴

公私混同する人には、どんな特徴があるか紹介します。

公私の区別ができない

公私混同する人は、公私の区別ができない人に見られます。懇親会で仕事の説教をしたり、休日のゴルフに部下を無理やり連れて行ったりする人は公私の区別ができていないと言えます。機密情報が満載で持ち出し不可の資料を自宅に持ち込んで、仕事をしてしまう人も公私の区別ができていないと言えるでしょう。こういった人は公私を区別して働くことができないので、公私混同になりがちです。

自分に甘い

自分に甘く、自分のものでなくても「ちょっとくらいなら良いか」と思う人は、公私混同しやすいと言えます。会社の備品を私用で使ったり、経費を不正に使ったりすることに罪悪感がありません。むしろ、会社のものを私的に使うことで自分が費用を出す必要がないので、積極的に公私混同しようとします。自分に甘い人は、自分の家計の経費削減のために公私混同しがちです。

他者のミスを見逃す

部下や同僚がミスをした時に、注意できるか否か?これは公私混同になりやすい人の特徴の分かれ目です。他者のミスを見逃すことは、他者が不正をしても注意できない訳ですから、会社のルールに基づいて働けていないことと同義と言えます。つまり、自分が経費や旅費を不正に使っても、他者のミスを見逃したことと同様に、自分のミスを見逃して、公私混同してしまいがちとなるのです。

公私混同する人への対処法

公私混同する人を職場で見かけたら、どのように対処したら良いでしょうか?対処法を紹介します。

職場とプライベートを切り離す

公私混同する人に対しては、職場とプライベートを切り離すことが重要です。具体的には次のやり方があります。もし、相手が「休日にゴルフに行こうよ」と言ってきたら、何らかの理由をつけて断ることです。また、雑談の中で「会社のスマートフォンを使えば通信費が少なく済むんだよね」と言ってきたら、「公私混同するなよ」と注意しましょう。もし、相手の反応が悪かったとしても、自分は正当な理由でゴルフを断り、ルールに違反している人を注意したのですから気に留めないことです。

もちろん、相手が上司であれば対処が難しいところですが、社内のコンプライアンス委員会に匿名で通報するなり、さらに上の上司に通報するなり、自分なりの防御策を取ることです。

職場以外での交際をしない

職場以外での交際をしないことも重要です。関係が深くなればなる程、なれ合いのような関係となり、相手から影響を受けてしまいがちとなります。公私混同する人に対して防御しているつもりでも、仲良くなれば、いつの間にか自分も「あの人がやっているなら」という気持ちになります。従って、初めから職場以外での交際をしないことも、対処法として重要です。

まとめ

公私混同は、仕事とプライベートを一緒にしてしまうこと。公私混同を放置しておくと、コンプライアンス違反・不正等に繋がります。公私混同する社員がいたら確実に是正させ、早めに芽を摘むことが重要です。

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