法人マイナンバーとは?目的・個人マイナンバーとの違い・使い道を紹介

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個人に付与されるマイナンバー。実は法人にもマイナンバーが付与されることがあり、法人マイナンバーと呼ばれています。法人マイナンバーを付与された企業は社会保険や労働保険の手続きの他、多方面で使用することになります。法人マイナンバーが設けられたことには4つの目的があり、個人マイナンバーとも通知・公表方法、利用範囲と利用者等における違いがあります。法人マイナンバーについて分かりやすく解説していきます。
目次

法人マイナンバーとは?

法人マイナンバーの意味について説明します。

法人マイナンバーの桁数

法人マイナンバーとは法人に付与される番号のことで、13桁の番号で構成されています。法人マイナンバーは国税庁から指定・付与されるものです。

全ての企業に指定される訳ではない

法人マイナンバーは全ての企業に指定される訳ではありません。法人マイナンバーが指定されるのは、以下の場合です。

・設立登記法人
・国の機関
・地方公共団体
・税法上特定の届出をすることとされている上記以外の法人または人格のない社団

以上に該当する場合は、手続き不要で法人マイナンバーが指定・付与されます。該当しない場合でも一定の要件に該当する場合は国税庁長官に届け出ることで法人マイナンバーの指定を受けられます。

法人マイナンバーの4つの目的

法人マイナンバーには4つの目的があります。

行政の効率化

法人マイナンバーは行政の効率化を目的としています。法人マイナンバーは1法人につき1つ指定されますから、事業所を移転しても番号は不変です。支店があっても法人マイナンバーは1つだけです。法人マイナンバーがあることで、行政は効率的に情報管理することができるようになります。

国民の利便性の向上

法人マイナンバーの目的には国民にとっての利便性の向上があります。行政の間で法人マイナンバーが共有されることで、企業が行政に申請する時の手続きが簡略化されます。開業する際に複数の行政機関に届出するべきところ、1つの届出で手続きが完了します。また、企業間取引においても添付書類の削減による効率化が期待できるでしょう。

公平・公正な社会の実現

法人マイナンバーは公平・公正な社会の実現を目的としています。法人マイナンバーを指定・付与することで社会保険・労働保険の手続き忘れの防止ができます。また、補助金の給付も効率的にできるようになり、法人マイナンバーを付与された企業間において、公平・公正が担保されることになります。

新たな価値の創出

法人マイナンバーは新たな価値の創出を目的としています。法人マイナンバーは自由に利用でき、利用目的にも制限がありません。例えば、取引先や顧客を管理するため、営業活動のために法人マイナンバーを使うことができます。あるいは、法人マイナンバーを利用した新たなビジネスを生み出すことにも繋がります。

法人マイナンバーと個人マイナンバーとの違い

法人マイナンバーと個人マイナンバーにはどんな違いがあるかを説明します。

通知・公表方法の違い

個人マイナンバーの通知方法は、通知カードを簡易書留で郵送することで通知されます。それに対して法人マイナンバーの通知方法は、登記上の所在地に通知されます。法人マイナンバーは手続き不要で指定される場合と、手続きすることで指定される場合があります。いずれの場合も通知方法は同じです。

次に公表方法の違いについて説明します。個人マイナンバーの公表は禁止されています。個人マイナンバーは原則として本人しか扱えないことになっているのです。一方、法人マイナンバーは国税庁サイトに公表されているという違いがあります。

利用範囲と利用者の違い

利用範囲と利用者の違いについて説明します。個人マイナンバーは年金・雇用保険・税金等に利用範囲が限られます。一方、法人マイナンバーには新たな価値の創出という目的がある通り利用範囲には制限がありません。新たなビジネスの展開に用いても構いません。

また、個人マイナンバーの利用者は本人やマイナンバーの管理担当者に限られますが、法人マイナンバーは誰でも利用可能です。

罰則規定の違い

法人マイナンバーと個人マイナンバーには罰則規定に大きな違いがあります。まず、法人マイナンバーについて、法人マイナンバーに該当するにもかかわらず番号を取得していない時、行政指導や罰則があります。個人マイナンバーを漏えいした場合には、罰金刑の他に懲役刑が科せられる場合がある等、重い罰則が科せられることになります。個人マイナンバーの方が罰則が厳しいですね。

法人マイナンバーの使い道

法人マイナンバーは利用が自由ですが、どのような使い道があるかを説明します。

社会保険手続き

社会保険手続きにおいて法人マイナンバーが必要とされます。健康保険や厚生年金といった社会保険の申請書に、個人マイナンバーと共に法人マイナンバーの記載する欄があります。また、労災や雇用保険等の労災保険の手続きでも、申請書に法人マイナンバーを記載する必要があるのです。

納税申告

法人マイナンバーは納税申告でも使われます。納税申告では法定調書を税務署に提出しますが、その際に法人マイナンバーを記載する必要があるのです。法定調書とは所得税法・相続税法・租税特別措置法等により、税務署に提出が義務付けられている書類のこと。法定調書の代表的な例として「給与所得の源泉徴収票」や「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」があります。

開業手続き

法人マイナンバーは開業手続きでも使われます。開業手続きをするには、法人マイナンバーがない時代では多くの行政機関に書類を提出しなくてはなりませんでした。労働基準監督署・ハローワーク・自治体等にそれぞれ開業手続きを提出する必要があります。

しかし、法人マイナンバーができたことで、例えば労働基準監督署に提出すれば、他の行政にも連携されて開業手続きが完了するのです。開業しようと思っている事業主にとっては、法人マイナンバーは利便性が高いと言えます。

健全な企業であることの証明

法人マイナンバーは健全な企業であることの証明としても使えます。法人マイナンバーは国税庁ホームページで誰でも確認することができます。法人マイナンバーは、企業として登記されていること、所在地がどこにあるかということが国税庁によって保証されているため、健全な企業であることが第三者に理解してもらいやすくなるのです。

取引を行おうと思っている企業の法人マイナンバーを調べれば、健全な企業であることが直ぐに分かるため、ビジネスのスピードが高まるメリットがあります。企業の健全性を担保するために書類を取り寄せる前に、法人マイナンバーを調べてもらうことで事が足りてしまうのです。

法人マイナンバーの調べ方

法人マイナンバーを調べたい時は、国税庁ホームページの法人番号公表サイトで検索することができます。調べ方は「名称・所在地などから調べる」方法と「法人番号から調べる」方法の2通りです。法人マイナンバー、商号または名称(フリガナ)、本店又は主たる事務所の所在地、最終更新年月日が検索されます。

まとめ

法人マイナンバーには、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現、新たな価値の創出といった目的があります。例えば、法人マイナンバーがあることで企業の事務手続きが迅速化されるメリットや社会保険・労働保険の手続き忘れの防止のメリットがあります。法人マイナンバーは、法人番号公表サイトでいつでも調べることが可能です。

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