人生100年時代とは?人生100年時代構想・働き方・健康づくり・本の紹介

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医療の発達で人間の寿命が延び、人生100年時代を迎えつつあります。寿命が80年の頃では定年65歳から死ぬまで15年間ありましたが、人生100年時代では定年を過ぎた後に35年間もあります。人生100年時代の中で働き方はどう変わるのか、企業は社員の健康づくりをどうしたら良いのか。考えるべきことがたくさんあります。記事では、働き方・健康づくり、そして政府が進める人生100年時代構想についても解説します。

人生100年時代とは?

人生100年時代を提言したのは、ロンドンビジネススクール教授である経営学者リンダ・グラットン氏です。グラットン氏は人材マネジメントや組織論の権威。グラットン氏は『ライフシフト』の中で人生100年時代を生き抜く働き方の変化を説きました。2018年における日本の平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.25歳と毎年延び続けているため、日本人は人生100年時代を深く考える必要があります。

人生100年時代の意味

人生100年時代が意味するのは、定年後35年間をいかに使うか、そして定年後35年間をいかに健康的でいられるかということです。35年間を幸せに過ごしていくためには、どうしたら良いのか。財政難の日本政府にとっては、年金や医療をどう整えていけるのか、人生100年時代をどう乗り切れるかが焦点となります。

人生100年時代構想について

2017年9月、政府は人生100年時代構想会議を設置し、人生100年時代を見据えた経済・社会システム実現のための政策のグランドデザインを検討することを目的としています。幼児教育・リカレント教育・高等教育の無償化等が議論されています。会議の議長には総理大臣が就任、また、議員にはリンダ・グラットン氏も名を連ねています。議論されたリカレント教育、教育の無償化について解説しましょう。

リカレント教育

人生100年時代においては、義務教育や高等教育に留まらず、人生を通じて学習していく必要があります。リカレント教育とは、生涯にわたって働きながら学習すること、学校以外の場で学習する等を言います。ちなみに本来のリカレント教育はフルタイムの仕事とフルタイムの教育を繰り返すこと。長期雇用が前提の日本では教育のために離職できないので、リカレント教育の概念を広く捉えているのです。

教育の無償化

人生100年時代においては広く学びの場を提供する必要があります。教育の無償化を行うことで教育機会が増えてきます。2020年4月より全面的に実施されている幼児教育の無償化は、その一端と言えますね。低所得者世帯への高等教育無償化の議論も進んでいます。

人生100年時代で期待される働き方の変化

人生100年時代では、ビジネスパーソンの働き方が大きな変化を求められます。どのような変化が求められるのか、3つの観点で説明します。

1つの会社に縛られずに働く

人生100年時代を見据えた時、自分はどのような働き方をすべきか、やりたいことは何なのか自問自答していく必要があります。終身雇用制度も崩壊を迎えつつある中で1つの会社に縛られずに働くスタイルが期待されます。1つの会社で定年を迎えることがいけないのではなく、自分の人生が100年あることを見据えた時、現在の会社で自分のやりたいことは実現できるのか、モチベーションを保てるのかを考えます。

考えた末に1つの会社で定年を迎えるのであれば、それで良いでしょう。しかし自分の人生を思い返した時に、例えば、新卒で行きたいと思っていた業界にチャレンジしてみたいと思えば、行動する(転職する)ことも選択肢に含まれてくるのです。

現役中に新しいキャリアを見据える

人生100年時代では長く働く可能性が出てきます。定年が65歳だったとしても、更に働く必要があるかもしれません。しかし、働きたいと思っても企業のニーズがなければ就業の機会はないので、長い職業人生を見据えて現役中に新しいキャリアを見据える必要があります。

新しいキャリアといっても様々ですが、独立開業ができる社会保険労務士や行政書士、高い報酬を望めなくてもボランティアとして働く等、自分がやりたいことと企業や顧客のニーズを満たせる働き方を現役中に模索しておきましょう。

パラレルワークを実践する

現役中にパラレルワークを実践することで、新しいキャリアが開けたり本業に良い影響を与えたりします。パラレルワークは本業以外の会社で働いたり、業務委託で仕事を受けたりする働き方。本業以外の人材と共に働くことで新たな出会いがあり、あるいは自分に向いている仕事が他にあることに気付けたりする等、本業・キャリアにプラスに働くことがあるのです。

人生100年時代に求められる社員の健康づくり

人生100年時代を迎えるにあたって、企業は社員の健康づくりに配慮する必要があります。健康な状態を維持して長く働いてもらうために企業ができる健康づくりを紹介します。

健康寿命を延ばす食生活を行う

人生100年時代といいますが、100歳まで健康に生きていけるとは限りません。生活を制限されずに自立して生活できる期間を示す健康寿命を考慮する必要があります。2018年の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳でした。一方で健康寿命は、2016年時点で女性が74.79歳、男性は72.14歳です。平均寿命と健康寿命の差は、女性は12.53年、男性が9.11年となるので、介護が必要な期間がそれなりに長いことが分かります。

介護が必要になるのは、生活習慣病や運動器の障害によるものが多いので、暴飲暴食をせず健康寿命を延ばす食生活にすることが必要です。会社が社員に対して、生活を変えてもらうためには、福利厚生によって、無添加の店のクーポンの配布や食事代補助、スポーツクラブのクーポン等によって促進することです。添加物を使わない食事、また、運動することが日常になってくることで、健康に働いてくれる社員を増やすことができます。

人間ドックで健康チェックする

福利厚生の一環として、人間ドックの利用補助を行うことも適切です。「高くて人間ドックまでできない」と思っている社員に対して、人間ドックの利用補助を行えば病気を早期に発見することができます。社員が職場から離脱することなく過ごせるようなサポートを会社が行うことが必要なのです。

人生100年時代を乗り切るためのおすすめ本の紹介

人生100年時代はかつて日本が経験したことがない程、ビジネスパーソンの働き方や健康に対する意識を持つ必要が出てきます。人生100年時代を乗り切るためのおすすめ本を紹介します。

LIFE SHIFT

LIFE SHIFTは、人生100年時代を提言したリンダ・グラットン氏の著作。ビジネスで人生100年時代を考える上では必須の著作と言えます。人生100年時代では、教育を受けた後に仕事に就き、65歳を迎えると引退するというビジネスパーソンの働き方に変革が求められます。イノベーションによってこれまでの仕事がなくなる経験もするでしょう。本書には仕事と人生をバランス良く保つためのヒントが隠されています。

人生100年時代の年金戦略

人生100年時代の年金戦略は、人生100年時代を生き抜くために、国の年金制度をどう活かしたら良いかが説明されています。年金制度の入門書としても読むことができます。確定拠出型年金やイデコへの説明も豊富です。

健康をマネジメントする 人生100年時代、あなたの身体は「資産」である

健康をマネジメントするは、食事の管理・運動の習慣・禁煙を実践するための本です。著者は医師・大学教授で、大学病院において日本初の行動変容外来を開設した経験を持っています。本の副題に身体が資産とあるのは、健康寿命と平均寿命との関係を考えると重要な示唆が込められていると言えますね。

まとめ

リンダ・グラットン氏が提言した人生100年時代は、平均寿命が延びている日本人にとって、働き方をどうすべきか、どのようにすれば健康寿命を延ばせるかが課題となります。