安倍首相が「緊急事態宣言」を発令して以来、都内にある多くのお店・施設が営業の自粛要請を受けました。
幼稚園・保育園も例外ではなく、都市部では相次いで保育施設の休園が始まっています。
緊急事態宣言が終わる予定の2020年5月6日までは、「夫婦共働きでテレワーク業務をこなしつつ、子供の世話もする」…という厳しい生活を続けている人もいるかと思います。
自宅保育と仕事を両立するのは、想像以上に難しいものです。慣れない自宅での作業に加えて、行動を予測しづらい子供の相手を常にしなければなりません。
そこで今回は、実際に「自宅保育」+「テレワーク」を夫婦でこなしている人たちの声を聞きつつ、テレワークと子育てを効率的に進める10のコツについて解説します。
効率的にテレワークを進める6つのアイデア
まずはテレワーク期間中に効率良く働くためのアイデアを紹介。
「作業環境」「スケジュール管理」「集中する方法」に内容を絞って解説しています。
作業環境を整える
自宅で仕事をする場合、まずは快適な作業環境を作ることから始めましょう。
「この場所では絶対に仕事をする!」…と明確に分けられたスペースを作るのがコツ。これを徹底することで、仕事モードのスイッチが入りやすくなります。
- PCモニターを設置
- 作業用に広めの机を準備
- 漫画・ゲームなどの娯楽は片付ける
- オンライン会議用の仮スペースを確保
…などなど、可能な限り仕事用のスペースを確保することが大切。
作業スペースを確保するだけでも仕事がしやすいですし、すぐに集中しやすくなります。
稼働時間をずらす
子供の生活リズムと仕事の時間帯を、意図的にずらしてみるのも有効です。
子供が起きる数時間前から仕事をスタートし、時間が取られやすい昼の時間帯は少し長めに業務を中断、子供が寝かしつけたあとに仕事を再開…というふうに、保育の時間と仕事の時間が重ならないようにスケジュールを上手く調整します。
子供が活動している時間帯は思うように仕事をできないことが多いので、前後のリードタイムで重要な仕事を一気に片付けてしまうのが得策。
思い切って時間をずらしてしまえば、食事を準備する時間帯は長めに作業を中断するなど、メリハリをつけた時間の使い方ができるようになります。
稼働時間を細かく区切る
稼働時間に関するテクニックをもう一つ紹介すると、仕事のタスクを「集中的に作業するもの」と「片手間で作業できるもの」に分けるのも有効です。
子供の世話と自分の仕事を同時にこなさなければならない日中の時間帯は、突発的なタスクが次々と舞い込むため、まとまった作業時間が取れないことが多いです。
集中して作業する必要がある重要な仕事は、子供が起きていない時間帯で一気に片付けるのがコツ。
一方で「短時間ですぐに終わる仕事」や、「中断しても影響が少ない単純作業」などのタスクは、子供が起きているときのために、あえて残しておくのも一つの手です。
スケジュールの前後に余裕をもたせる
予期せぬタスクが発生しやすい自宅保育の時間帯は、タイムスケジュールに余裕を持たせることも非常に重要になります。
通常は分単位できっちりスケジュールを組んでもある程度対応できますが、子供のことで急に手が離せなくなったり、保育の時間が長引いたりすることは日常茶飯事。
特にオンライン会議などは注意が必要で、取引先とのミーティングに遅れるなどの失礼がないように努める必要があります。
タスクの間には意図的に15〜30分程度の空白を作り、突発的なタスクにも対応できる時間を先に予約しておきましょう。
家の中で運動できる遊具を設置
自宅保育とテレワークを両立する上で注意したいのが、子供の運動不足です。
自然な外出ができず、仕事で相手をできない時間が増えるため、保育園にいるときよりも明らかに運動量が落ちてしまいます。
子供の健康上も良くないのはもちろん、いつもの時間に昼寝をしなくなる(※エネルギーが有り余っているため)というデメリットもあります。
そこでおすすめしたいのが、家の中で運動できる遊具やおもちゃを用意すること。
小型のジャングルジムや滑り台などを用意し、子供たちだけでも自発的に運動できる仕組みを作ってしまうのです。
もし大型の遊具を持ち込むスペースがなければ、子供たちが普段よりもアクティブに行動できるようなおもちゃ・遊びなどを準備してあげればOK。
運動力が増えて子供のストレス発散にもなるし、狙った時間でお昼寝タイムに持ち込める可能性が高くなります。
夫婦で活動時間帯を分担する
夫婦共働きでテレワーク勤務になっている場合は、仕事を始める前に保育時間の割り振りを話し合っておくことが大切です。
どちらかに負担が集中しすぎないように均等にタスクを分割し、ピンチのときは柔軟に助け合えるように上手くスケジュールを組んでおきましょう。
突発的なタスクで二人の作業時間が削られるのはまずいので、作業のコアタイム(集中時間)もお互いに違う時間帯に設定するのがベストです。
身体と心のケアに必要な4つのアイデア
慣れない環境の中では、夫婦・子供たちの双方が辛い気持ちになりやすいもの。
ここからは、疲弊する心と身体を楽にするための心構えを紹介します。
子供と一緒に過ごせる時間に感謝する
自宅保育期間は、心身共に過酷な日々を送ることになります。
通常業務のノルマ、慣れないテレワーク環境、そして子供の世話が全て乗っかかってくるので、厳しいタイムスケジュールをこなさなければならないのが普通です。
ですが、そんな時だからこそ、子供と一緒に過ごせる時間のありがたさに感謝する気持ちを忘れないようにしましょう。
忙しく働く毎日ではあまり見ることができない子供の成長期を、間近で見て・接して・体感することができる。
確かに生活は大変ですが、子供と一緒に過ごす時間が多くなることは、コロナ騒動などがなければ滅多に発生しない状況です。
「貴重な時間を過ごせている」という感謝の気持ちを持っていれば、日々の生活も少し楽な気持ちになるかもしれません。
子供が抱えているストレスを認識する
子供が思うように動いてくれなかったり、理不尽なわがままを言われたりすると、思わずイライラして八つ当たりしたくなる状況もあるでしょう。
しかし、生活が一変して戸惑っているのは子供たちも同じ。
- 家で十分にかまってもらえない
- 保育園のおともだちに会えない
- いつも通りに外で遊ぶことができない
など、子供たちも大人と同様に様々なストレスを抱えているもの。
子供のストレスを十分に理解し、今できることを精一杯にやってあげる意識を持ちましょう。
定期的に休む習慣を身につける
自宅保育とテレワークを両立しようとすると、身体が疲れやすくなるのが特徴です。
デスクワークと子供の世話を同時にこなさなければならない状況が続くため、「気がついたら長い時間休憩を取っていなかった…」という状況に陥りがち。
忙しさの中でも体調管理に気を配り、定期的に休める環境と習慣を作りましょう。
- 姿勢が悪い場所で長時間作業しない
- 1時間ごとに立ち上がって体を動かす
- 休憩時間に腰・首のストレッチを組み込む
- 夫婦で協力して、お互いが休める時間帯を作る
などなど、実践できる対策はいくらでもあります。
現状できる対策の中から、実現可能な休息に優先順位をつけて取り組みましょう。
非常時の訓練として取り組む
慣れないテレワーク期間を嘆いても仕方ないので、「非常時に柔軟かつ効率的に働くための訓練だ」と考え方を変えて行動してみましょう。
良い機会だと思って、働き方や生活スタイルを根本から変えてみることが大切。課題意識を持つことで、日常の中でも違った発見や新しいアイデアが生まれる可能性が高まります。
多くの人が仕事・家庭面で混乱することになったコロナ騒動ですが、一方で「テレワーク」「仕事効率化」「保育と仕事の両立」「夫婦の協力体制」…など、新しい働き方を考える良い機会になったのは言うまでもありません。
テレワークの推奨期間がいつまで続くか分かりませんし、今後も似たような状況が発生する可能性も十分に考えられます。
そもそもテレワークの導入は、2020年の東京オリンピックに向けて推奨されていたものであり、今後ますます柔軟な働き方に対応していくことが求められるのは必須です。
テレワークと自宅保育を上手く両立しよう
今回は、自宅保育とテレワークを両立するアイデアについて解説しました。
コロナ騒動はいつ収束するのか検討もつきません。都内の感染者数からみても、今後長期化していく可能性は非常に高いです。
この機会に家族や会社との結束力を高めて、新しい環境に柔軟に対応できる体制を作っていきましょう。