フローチャートとは?
フローチャートとは、仕事のプロセスを可視化するために図式化したものをいいます。仕事を進めるために必要な関係者や項目を洗い出し、それぞれを記号や矢印を使って関係を表したものがフローチャートです。
フローチャートの意味と重要性
フローチャートは、誰が見てもシンプルに仕事のプロセスが理解できるように作られています。仕事の確認にフローチャートを使ったり、フローチャートを見ながら先輩が新入社員に仕事内容を説明したりすることができます。
また、フローチャートを作っておけば、複雑な仕事の流れでも把握しやすくなるため、間違いやミスが起きにくくなります。仕事の流れが理解しやすくなること、そして仕事のミス・トラブルを防止できるといった点で、フローチャートは重要なのですね。
フローチャートの目的
フローチャートには業務を効率化するという目的があります。フローチャートによって仕事のプロセスが可視化されます。それにより仕事の進め方の理解に時間がかからなくなるので、効率的に仕事を進めることができるのです。また、他者との情報共有も容易になり、仕事の全体像が把握できるため、業務の効率化に役立ちます。
また、フローチャートには、業務の改善に役立たせるという目的もあります。フローチャートでは仕事のプロセスが可視化されるため、どこに問題点があるかが明確になります。問題点が明らかになれば解決策も講じやすくなるため、業務改善に役立ちます。
フローチャートを正しく書く時の4つのコツ
フローチャートは、作成のコツを押さえておかないとうまく書けず、フローチャートの目的も達成できないことに。フローチャートを正しく書くためのコツを4点、紹介します。
1.左上を起点として時系列に書いていく
どんなフローチャートを書く時でも、起点は左上からと決まっています。左上に書いた項目を起点に、矢印を用いて仕事のプロセスを書いていくことがポイントです。項目はできるだけ、長い文章にしないようシンプルな書き方をするよう努めて下さい。
仕事のプロセスは時系列に書いていきます。なお、Yes/Noによって仕事のアクションが違ってくることもありますので、確実に、分かりやすく記述します。
2.正しい記号を使う
フローチャートには共通の記号があります。例えば、フローチャートの開始と終了には角丸長方形を用います。フローチャートを作成する際には、共通の正しい記号を使えば、視覚的に分かりやすくなります。また、その他のフローチャートの記号には、処理には長方形、判断にはひし形、準備には六角形などがあります。
3.役割分担を明確にする
フローチャートを正しく書くには、関係者の役割分担を明確にすることも必要です。役割分担を明確化することで、関係者がどんな仕事をすべきかが分かるようになるので、仕事のプロセスをしっかり把握することができるようになるのです。
4.フローチャートを1ページにおさめる
フローチャートは1ページにおさめるようにします。2ページ、3ページと長くなってしまうと関係性が不明瞭になり、仕事のプロセスが分かりづらくなります。長くなるようなら、余分なものを思い切って省略して1ページにおさめていきましょう。
1ページにおさめることが難しい場合は、連続性のあるフローチャートではなく複数のチャートを作成することがポイントです。
フローチャート作成の4つのステップ
フローチャートを作成するにあたって、ステップを解説します。
1.フローチャート作成の目的を立てる
フローチャートは、いきなり書き始めるのではなく、フローチャート作成の目的を立てます。例えば、「エクセルのデータ入力をする」仕事のプロセスをフローチャート化する場合です。フローチャートを利用する人は、新入社員や異動してきた人など、初めてデータ入力に関わる人としましょう。
フローチャートの目的は、フローチャートを利用する人が誰かによって変わります。例のように初めてデータ入力に関わる人が使うなら、できるだけ項目を省かず、理解を深めるために作ります。一方、ベテラン社員が仕事の確認のためだけにチャートを使うなら、あれもこれも盛り込むのではなく、できるだけ無駄をそぎ落としてシンプルなチャートにするのです。
対象者を押さえておかないと、無暗に情報を盛り込み過ぎたフローチャートにしてしまい、フローチャートの利用の目的と離れてしまうでしょう。
2.タスク、関係者を洗い出す
フローチャートの目的を立てたら、フローチャートのタスク、関係者を洗い出します。利用目的がはっきりしているので、洗い出しのやり方も情報をどれだけ盛り込むのかが決まってきます。
仕事は、1人で行うこともあれば複数の関係者が関わってくることがありますよね。関係者を洗い出すことでタスクの抜け漏れがなくなるため、フローチャートが目的に応じて網羅されていくのです。仕事のプロセスもしっかりしていきますし、使う人が見たら理解度が高まるフローチャートを作れるのです。
3.タスクを時系列に並べ、不足は追加する
タスクと関係者を洗い出した後は、タスクを時系列に並べます。並べる際は、記号と矢印のルールを守ります。並べ終えた後で、フローチャートをざっと見直してみます。そこで、不足するタスクがあれば、追加するようにして下さい。以上でフローチャートは完成です。
4.作成後は検証する
フローチャートを作成した後は、実際に使い、検証してみます。使う中で不足があったり、もっと良い表現があることに気づいたりしたら、その都度フローチャートを変更して下さい。検証を重ねることで、目的に合ったフローチャートの精度が高まっていくでしょう。
フローチャートが使えるツール
フローチャートの特徴が分かってきたと思います。無料でフローチャートが使えるツールを3つ、ご紹介します。
draw.io
draw.ioは、無料で使えるオンラインの作画ツールです。無料ながら記号やテンプレートが豊富なので、カラフルなフローチャートを作成することが可能。draw.ioは、アカウントの登録や面倒なインストールなどは不要になっています。オンラインで使えますが、作ったデータをOneDriveやデバイスに保存することができます。
Googleスライドには、フローチャートが使える機能があります。無料で使えるため、コストをかけずにフローチャートを使いたい場合に適しています。Googleスライドは、元々スライド用のツールなので、フローチャートに使える図形やイラストなどは多くありません。Googleスライドは複数のメンバーと同時に編集できます。
デザインに凝らず、仕事のプロセスをシンプルにフローチャート化したい場合に、Googleスライドは適しています。Googleスライドを使うにはGoogleアカウントが必要です。
Cacoo
Cacooは、オンラインでフローチャートを作れるツールです。複数のメンバーと同時にフローチャートを編集でき、また、チャットも使うことができるツールとなります。イラストやテンプレートが豊富なので、見栄えがするフローチャートを作成することができます。
Googleと同じく利用は無料ですが、無料で使うには制限もあります。無料で使うには作成できるシートは6枚までなので、ビジネスでフローチャートをたくさん使いたい場合、無料プランのみだと適しません。有料プランに移行しましょう。
まとめ
仕事のプロセスを分かりやすくするため、フローチャートを使うと便利です。フローチャートは業務効率化と業務改善という2つの目的があります。フローチャートを作成するにはコツがあり、作成のステップも紹介しました。無料のフローチャートツールがありますので、仕事のプロセスをまとめるのに使ってみて下さい。