ブレインストーミングとは?
ブレインストーミングの意味や効果について説明します。
ブレインストーミングの意味
ブレインストーミングとは、メンバーが集まりアイデアを発想できる会議手法をいいます。集団でアイデアを発想すれば、思いもよらない発想が生まれることもあります。ブレインストーミングが考案されたのは1938年のアメリカ。広告代理店で副社長を務めていたアレックス・オズボーンが考え、現在では世界中にブレインストーミングが伝わっています。
ブレインストーミングにはどんな効果がある?
ブレインストーミングを行うと、課題解決や目的達成を目指してメンバー全員でアイデアを出し合います。個人で考えると限界があった課題解決策も、ブレインストーミングを行うと1人では思いつかないアイデアが生まれることがあります。
また、ブレインストーミングは、相手の意見を尊重し自由に発言してもらうアイデア発想法です。ですから、ブレインストーミングを活用すると普段の会議では意見を出せなかった人も積極的にアイデアを出せるようになります。
ブレインストーミングの4つのルール
ブレインストーミングには決められた4つのルールがあります。
- 相手の意見を否定しない
- 自由に発言する
- 質より量を重視する
- 意見を組み合わせる
相手の意見を否定しない
せっかく意見を投げかけたのに、意見を否定されたら積極的に意見を表そうとしなくなりますよね。ブレインストーミングでは相手の意見を否定しないというルールがあります。ブレインストーミングは何よりもアイデア発想法ですから、投げかけられた意見を否定したり批判したりすることなく、アイデアを広げるために受容します。
自由に発言する
相手の意見を否定せずに受容し、アイデアを発想してもらうブレインストーミング。「管理者の前では意見が言えない」「自分が意見を言うと場の流れがおかしくなる」とメンバーが怖気づくことなく、自由に発言してもらいます。
自分が思っていることと、相手が思っていることとは違います。ですから、自分が言った意見によって相手がアイデアをひらめくことがありますし、アイデアが深まることもあるでしょう。自由な意見を阻害することなく発言を尊重し、アイデア発想に活かすことがブレインストーミングのルールです。
質より量を重視する
会議中に物事をじっと考えていても良い意見は出てきません。次の見出しで説明しますが、ブレインストーミングのルールには意見を組み合わせることがあります。すなわち、意見を組み合わせるためにたくさんの意見やアイデアが必要になるのです。ブレインストーミングでは意見・アイデアが否定されませんから、質より量の発想でどんどん意見を出してもらい、アイデア発想に活かしていくのです。
意見を組み合わせる
ブレインストーミングの4つのルールには、意見を組み合わせることがあります。他のメンバーが言った意見に、自分が意見を組み合わせ、アイデアを深めていきます。他のメンバーの意見によって意見を膨らませていけば、アイデアの質の向上に繋がるでしょう。
意見を組み合わせるといっても、相手の意見を否定した上でアイデアを深めようとしてはいけません。ブレインストーミングは、メンバー同士が自由に意見を言い合う場です。アイデアを発想するために他の意見を受容して、組み合わせていくことが求められます。
ブレインストーミングのやり方
ブレインストーミングのルールを確認したところで、実際のやり方を具体的に解説しましょう。
事前の準備
ブレインストーミングでは事前の準備が必要です。
目的を設定しておく
ブレインストーミングの担当者は、なぜブレインストーミングを実施するのか、すなわちブレインストーミングを行う目的を設定します。
ブレインストーミングを行うには、何らかの解決すべき課題があるはずです。課題を解決するためのアイデアを発想することがブレインストーミングの目的になります。目的を設定するには、次のような課題設定を先行して考えます。課題設定さえできれば、おのずと目的はできてきます。
・3か月以内に情報システム部の業務効率化を進めるにはどうしたら良いか?
・工場勤務者にテレワークを推進するにはどうしたら良いか?
以上の課題設定例でお分かりのように、数字や納期を盛り込むなど具体的な内容にするとブレインストーミングでは意見交換しやすくなります。
道具を準備する
ブレインストーミングでは、ホワイトボード、マジックなどの道具を準備しておきます。模造紙を使うこともでき、ポストイットを用意しておくと意見を出しやすくなるでしょう。
役割の設定
ブレインストーミングでは、司会者と書記係を決めておきます。コツで説明するように、司会者には重要な役割があります。誰でも良いのではなく、司会者の役割を遂行できる人物が担当しましょう。書記係は挙手によって決めて構いません。
アイデアの記録
アイデアの記録は書記係が担当します。書記係にはできるだけ発言をそのまま書くようにしてもらいます。意見をアイデア発想に繋げるため、書記係はメンバーの意見に解釈を加えないようにするのです。
アイデアの結合
アイデアが出そろってきたら組み合わせていきましょう。組み合わせていくことで、新たなアイデアが発想されます。組み合わせの中で、アイデアを整理していきます。
ブレインストーミングを成功させるためのコツ
ブレインストーミングは、ルール通りにやれば自由な意見が出て、アイデアを発想できる訳ではありません。ブレインストーミングを成功させるためにはコツが要ります。
ブレストの課題と目的を明確にする
事前準備のところで説明しましたが、ブレインストーミングの課題と目的を明確に設定することでブレインストーミングをうまく進めることができます。課題と目的が曖昧だと、意見が出にくくなりますからアイデアをうまく発想できないのです。
例えば、「上期目標の受注額3億円(前期比120%)を達成するにはどうしたら良いか?」という課題は、目標がハッキリしていて受注額も具体的ですから、営業担当者は意見を出しやすくなりますよね。しかし、これが「営業部の受注額を高めるには?」という課題になると、目標が何なのか分からないですし、前期に比べてどの程度高い設定なのかが分かりません。そのため、曖昧な課題では意見が出づらくなり、自由な意見交換は望めません。
課題を達成するためのアイデア発想がブレインストーミングの目的になります。ブレインストーミングを始める前には、何が課題で、意見交換を通じて何をしたいのかといった目的の明確化をメンバー間で共有することが求められます。
司会者が柔軟に対応する
司会者は集団の意見が出やすいように、メンバーに適度に話題を振っていきます。発言者が偏らないよう、場を調整していくのですね。また、ブレインストーミングではメンバーの意見やアイデアを否定してはいけません。ですから、司会者は異質な意見が出てきた時にも、受容して、アイデア発想に繋げていきます。
アイデアが枯渇しそうな時には、司会者はメンバーの背景や、あるいはやり取りの中でヒントになりそうなポイントを想起して、メンバーに質問してみましょう。するとメンバーは、「そういえばこういうことも考えられるかも…」と新たなアイデアを投げかけてくれる可能性がある訳です。
ブレストの脱線に気を付けよう
ブレインストーミングは脱線することもあります。脱線自体に問題はありませんが、脱線したら司会者は本論に戻れるように調整して下さい。ブレストの目的はアイデア発想ですから、意見がたくさん出るだけでは物足りないのです。司会者は、脱線には十分気を付けて下さい。
まとめ
ブレインストーミングは意見を否定されることなく、自由に意見を言えて、アイデアに繋げるアイデア発想法です。ブレストには4つのルールがあるので、ルールを守りつつ、ブレストを成功させるためのコツを実行していくと良いでしょう。