再就職手当とは?受給条件・受給時期・計算方法・もらえない場合を解説

再就職手当の記事

失業保険を受給中、早めに就職するともらえるのが再就職手当です。再就職手当がいつもらえるか、受給金額はどれくらいか、そして再就職手当をもらえる条件なども知りたいところですね。記事では、受給条件・受給時期・計算方法など、再就職手当の概要を詳しく解説します。

目次

再就職手当とは?

再就職手当は雇用保険から支給される給付金のことです。意味を確認しましょう。

早く就職したときにもらえる手当

再就職手当は、失業保険を受給している期間中、早めに就職が決まったときに条件を満たすことで支給される給付金です。

いつ就職しても再就職手当を受給できるのではなく、「失業保険の支給残日数が1/3残っている」など、早く就職が決まったときにもらえます。

再就職手当の8つの受給条件について

再就職手当の支給額は「支給残日数×基本手当日額×給付率」です。再就職手当は、失業保険の受給期間なら誰でももらえるわけではありません。8つの受給条件を確認します。

待機期間を満了している

再就職手当を受給するには、7日間の待期期間を満了した後の再就職でなくてはなりません

支給残日数が1/3以上残っている

再就職手当には失業保険の支給残日数が1/3以上残っているという条件があります。

再就職手当の給付率は支給残日数によって異なります。2/3以上残っていれば70%、1/3以上残っている場合は60%の給付率となります。早く就職すれば、それだけ多くの再就職手当をもらえるという仕組みですね。

復職していない

退職した会社に復職していないことも再就職手当の受給条件です。

また、退職した会社以外への就職でも、元の会社と資本金・人事・取引面などで密接な関わりがある場合は再就職手当を受給できません。元の会社もしくは元の会社と関連する会社以外に就職したときに、再就職手当がもらえると理解しましょう。

ハローワークなどからの紹介で就職した

自己都合による退職などで給付制限を受けているときは、紹介元に制限があります。7日間の待期期間満了後、最初の1か月間はハローワークもしくは厚生労働省が許可した職業紹介事業者を通じて就職先を決めていなくてはなりません。

雇用保険被保険者として1年超の勤務が間違いない

雇用保険被保険者として1年以上の勤務が間違いないことも受給条件です。正社員は期間の定めがありませんから問題ありません。契約期間が1年以下の契約社員や派遣社員などの非正規社員は再就職手当の対象外です。

ただし更新する見込みがあり、契約期間が1年を超えることが間違いなければ、非正規社員でも再就職手当をもらうことができます。再就職手当を受給するには、安定した職に就くことが条件ということですね。

雇用保険被保険者である

原則として雇用保険被保険者であることが受給条件となります。ただし自営業を開始した場合は、雇用保険被保険者でなくても再就職手当をもらえます。

過去3年以内に再就職手当などを受けたことがない

過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受けたことがないことが受給条件です。

求職申し込み前から就職が決定していない

求職申し込み前から就職が決定していない点が受給条件です。

再就職手当はいつもらえるか?

再就職手当はいつもらえるのでしょうか?再就職手当を受給するには、就職先とハローワークへの両方の手続きが必要となります。

手続きを通じてハローワークから再就職手当の申請が認められると、支給決定通知書が手元に届きます。支給決定通知書に、いつ再就職手当が支給されるかが書いてあります。

再就職手当の受給金額の計算式と具体例

再就職手当の受給金額は、以下の計算式によって求められます。

「支給残日数」×「給付率」×「基本手当日額」=「再就職手当の受給金額」

実際にどれくらいもらえるか、給付率の2つのパターンで計算してみましょう。

給付条件

  • 年齢:29歳
  • 給付日数:120日
  • 基本手当日額:4,000円

まずは支給残日数が90日残っている場合から。

支給残日数(90日)×給付率(70%)×基本手当日額(4,000円)

となり、252,000円が再就職手当の受給金額になります。

支給残日数が2/3以上残っている場合の給付率は70%です。

次に支給残日数が50日残っている場合です。

支給残日数(50日)×給付率(60%)×基本手当日額(4,000円)

となり、120,000円が再就職手当の受給金額になります。

支給残日数が1/3以上残っている場合の給付率は60%です。

ジョブくん

再就職手当を受給するときにどれくらいもらえるかが分かると生活設計にも役立ちます。

計算式の項目の意味

計算式の項目を確認しましょう。支給残日数は、失業保険を受給できる日数がどのくらい残っているかを示すものです。

所定の給付日数(計算例でいえば120日)から就職前日までの支給日数を引いて求められます。給付率は再就職手当の給付率のこと。支給残日数によって決まり、2/3以上残っていれば70%、1/3以上残っている場合は60%の給付率です。

次に基本手当日額ですが、失業保険でもらえる1日あたりの金額のことをいいます。基本手当日額は、年齢層ごとに次の通り上限額が決まっています。

  • 30歳未満:6,850円
  • 30歳以上45歳未満:7,605円
  • 45歳以上60歳未満:8,370円
  • 60歳以上65歳未満:7,186円

基本手当について

再就職手当をもらうための手続き

再就職手当をもらうにはどんな手続きが必要か、流れを確認します。

  1. 採用証明書を就職先から受け取り、ハローワークに提出
  2. ハローワークから再就職手当支給申請書の受取
  3. 再就職手当支給申請書を就職先に提出(就職先の証明を受ける)
  4. 再就職手当支給申請書をハローワークに提出(雇用保険受給資格証添付)
ジョブくん

就職先とハローワークを行ったり来たりすることになるので大変ですが、手当の金額は馬鹿にならないのできちんと申請しておきましょう。

再就職手当がもらえない場合とは?

再就職手当を受給するには8つの受給条件を満たすことが必須。しかし「雇用保険に加入していなかった」「支給残日数が1/3以上残っていなかった」という場合がありますので、注意が必要です。

支給残日数が足りなかった

再就職手当の受給条件の中に「支給残日数が1/3以上残っていること」があります。

しかし、失業期間が長く、再就職手当を申請しようと思ったら支給残日数が不足していたという事態も考えられます。支給残日数がどれくらい残っているかを確認しておきましょう。

雇用保険に加入していなかった

再就職手当を受給するには、雇用保険に加入していることが必要です。正社員だから雇用保険に加入しているだろうと安易に考えず、現職の会社が雇用保険に加入しているかどうかを確認しておきましょう。

再就職手当に関するよくある疑問

再就職手当の概要については理解して頂けたかと思います。最後に、再就職手当に関してよくある疑問にお答えします。

ハローワーク以外で就職しても受給できるか?

必ずしもハローワーク経由で就職しなくても、再就職手当は受給できます。7日間の待期期間満了後、最初の1か月間はハローワークもしくは厚生労働省が許可した職業紹介事業者を通じて就職することが受給条件です。

派遣社員として就職しても受給できるか?

1年を超える有期契約、また、契約期間が1年を超えることが間違いなければ派遣社員でも再就職手当を受給することができます。 注意点としては、派遣先が変わっただけでは再就職手当をもらえない点です。派遣社員として働いていたが退職し、8つの受給条件を満たした上、派遣社員として再就職した場合に再就職手当を受給できます。

アルバイトとして就職しても受給できるか?

アルバイトとして就職した場合には、再就職手当ではなく就業手当を受給できます。就業手当をもらうには、支給残日数が所定給付日数の1/3以上あり、かつ45日以上あることなどの条件を満たす必要があります。他には「復職していない」「待機期間を満了している」など、再就職手当と同様の受給条件があります。

自営業を始めた場合でも受給できるか?

自営業を始めた場合でも、以下の条件を満たせば再就職手当を受給することはできます。

  • 支給残日数が所定給付日数の1/3以上残っていること
  • 事業開始により自立することが認められること
  • 待期期間満了後、事業を開始したこと
  • 自己都合による退職などで給付制限を受けている場合は、待期期間満了後の最初の1ヵ月が経過した後に事業を開始したこと
  • 過去3年間の就職について、再就職手当や常用就職支援手当などの支給を受けていないこと

まとめ

失業保険はできるだけ長く受給した方が良いと考えるかもしれません。しかし、早めに再就職すると再就職手当という給付金がもらえることがあります。再就職手当は、支給残日数がどれくらい残っているかによって給付額が変わってきます。いつ・どれだけもらえるか、また、受給手続きはどうしたら良いかについて確認しておきましょう。

よかったらシェアしてね!
目次