処世術とは?意味・メリット・身につけるための方法を解説

処世術の記事

社会で生きていくために必要な処世術。処世術は、ビジネスでは人間関係を築くためのスキルとして使われます。職場でも「処世術をうまく使っている人」はいませんか?ビジネスで処世術を使えるとどんなメリットがあるのか、処世術を身につけるための方法とは何かについて解説します。

目次

処世術とは?

処世術(しょせいじゅつ)とは社会で生きていく上で必要な世渡りの方法のことです。

ビジネスにおける処世術は、主に人間関係を構築するためのスキルを指すことが多いです。上司に対してうまく処世術を使えば、仕事を回してもらえたり、素早く意思決定してもらえたりするでしょう。

処世術は仕事の能力とは切り離されて評価されることが多く、「人間関係の構築」「上司から気に入られる能力」「周囲から高評価をもらうための立ち回り」…などのスキルが該当します。

処世術には人間関係を円滑にする効果がある一方で、処世術を使うとネガティブな評価を受けることもあります。

「大して実力もないのに、処世術で成果を出している」と思われた場合、人間関係だけで仕事をしているというネガティブな評価になります。

ジョブくん

ビジネスにおいて処世術は大切なスキルですが、周囲からの評価に配慮するバランスが必要です。

処世術を身につけることのメリット

ビジネスで処世術を身につけるとどんなメリットがあるでしょうか。 3つのポイントから見ていきましょう。

仕事で成果を出しやすい

処世術を磨くことで、仕事の成果を出しやすくなります。

周囲からの評価が高ければ、それだけ仕事を有利に進められるもの。多くの人を動かすチームリーダーやマネジメント系の職種、取引先との関係構築が多い営業職などは、その恩恵を特に受けやすいと言えます。

人間関係が良くなる

処世術を身に付けると、仕事上の人間関係を円滑に進められるようになります。

仕事の人間関係は最も悩みを抱えやすいポイントの一つであり、人間関係の悪さはストレスやモチベーション低下にも繋がります。

逆に人間関係が良好であれば、常にハイパフォーマンスな仕事を続けられるので、処世術が下手な人と比べてさらに評価されやすくなります。

他者と差別化できる

ビジネスで処世術を身につければ、他者と差別化することができます。例えば人事評価では人間関係を評価する項目があります。処世術を使って上司とうまく関係構築できる人は同僚よりも評価されるでしょう。

高い評価を重ねれば同期よりも出世が早くなることもあります。処世術を身につければ上司から評価され、抜きん出た存在になる可能性を持つのです。

処世術を身につけるための4つのポイント

ビジネスで処世術を身につけると人間関係が良くなり、他者と差別化できることが分かりました。それでは、処世術を身につけるために必要な4つのポイントを確認します。

相手の情報を収集する

処世術は人間関係を築くためのスキルです。職場、商談などの場において接する相手のことをよく知る必要があります。

上司・先輩・同僚・後輩・役員・顧客・取引先はどんな人なのか。言葉を交わすことで人柄についての情報を把握します。「どんな人なのか」が分かれば、相手が好む態度や言動を起こすことで人間関係を築くことができるのです。

快活にふるまう

相手の人柄を把握し、相手が好む態度を振り返ってみましょう。するとあなたが快活にふるまうことで相手が自分に好印象を抱くことに気づきます。

上司から質問された際、論理的に説明するだけでなく快活な態度で話すことで上司の印象を良くすることができるのです。また、知ったかぶりは相手に好まれないので、「分からないことは分からない」といえる誠実さも求められます。

的確なタイミングで意見を述べる

処世術では意見を述べるタイミングも大切です。人間は自分のいっていることを聞いてもらいたいものです。しかし相手が何も話してこなければコミュニケーションが取れているとは感じません。

例えば顧客が話した悩みや課題に対して、相槌を打つだけではなくタイミング良く意見を述べることが大切です。 タイミング良く意見を述べるとは、相手の発言を良く聞いて、その上で自分の意見をいうことを意味します。

例えば、顧客が自社の悩みを多くの言葉を尽くして話してきました。そしてあなたが「御社の悩みは〇〇なのですね」と言い換えたとします。しかし単なる言い換えでは相手は満足しないのです。

「理解力がある人だ」とは思ったとしても、関係が良くなったとは感じません。 タイミング良く意見を述べるには、相手の意見を受容しつつ意見できることが求められます。

顧客の悩みに対して的確なソリューションをいえたり、解決できたエピソードを話せたりすると顧客は意見をもらえたと感じるのです。

自己主張ばかりでなく傾聴する

処世術を身につけるのに役立つのがアクティブリスニングというスキル。処世術では、相手の話を積極的に聞いて、自分と相手の間に共感的な雰囲気をつくることが求められます。

いいたいことがあるからといって自己主張ばかりでは、相手との人間関係を形成できません。 相手がいっていることは何か、いいたいことは何かを把握するために傾聴します。

相手も自分がいいたいことはこれだと分かっているとは限りません。ですから、聞くだけではなく質問を繰り出して思考を深めてもらうと、相手も「自分のいいたいことはこれだった」と気づけます。

処世術で気をつけたいポイント

処世術のメリットや身につけるためのポイントを確認してきました。処世術は人間関係の中で使うスキルなので気をつけるべき点を紹介します。

狡猾な人に見えないようにする

ビジネスの処世術は人間関係を築くためのスキルですが、見ようによっては「ゴマすりをしている」と思われることも。処世術を身につけるには、意見を聞くだけでなく意見を述べる必要があると説明しました。

相槌ばかり打っていると、他の人から「上司にこびている」と思わぬ批判を受けることがあるのです。ときには反対意見を述べて、狡猾な人に見えないように注意します。

ビジネスでは実力も身につける

仕事をしていく上で人間関係は重要です。しかし人間関係だけでは仕事は進みません。上司や先輩、あるいは顧客や取引先から評価されるには「仕事ができる」と思われることが大切です。

そのためには成果をあげるための実力を身につける必要があるのです。 業務遂行に必要な知識やスキルを身につけ、実践で活かします。

ビジネスでの実力を表しつつ、処世術のポイントを実行すれば上司や先輩、顧客との良い関係を築けるでしょう。実力もないのに人間関係だけ良くしようとしても、評価はされませんし他の人から足元をすくわれることもあります。

処世術を身につけたいときにおすすめの本

最後に、処世術を身につけたい人のためのおすすめ本を2冊紹介します。

超一流の処世術

『超一流の処世術』は、外資系企業SAPジャパンにて30歳で部長、そして35歳で本部長に昇進するなど、外資系企業で辣腕をふるってきた著者による本です。

タイトルに超一流という言葉があり、また、著者の華麗な経歴も背景にあるので、「自分には実践できないのでは」と思うかもしれません。しかし、本書で書かれているのは行動に落とし込めば、普通のビジネスパーソンでも実践できる処世術のノウハウです。

超一流の処世術

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』はキャリアコンサルタントによる本です。

人間関係を良くするための行動習慣がエピソードと共に書かれています。本書の特徴は読みやすさにあります。全項目が見開き2ページで収まっていますから、どこから読み始めてもスッと理解できます。

著者は心理学や脳科学を学んでいるため、簡単に書かれた表現の裏付けがしっかりしている点もおすすめできるポイントですね。

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

まとめ

ビジネスにおいては、人間関係を回避することはできません。

処世術を身につけることはビジネスパーソンの必須スキルともいえます。処世術を身につけるには4つのポイントがありました。どれも実践しやすいポイントですので、参考にしてみて下さい。

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