子どもを保育園に預けて働きたいとき、自治体に就労証明書を提出する必要があります。就労証明書をどのように書いたら良いか、自治体への提出時期や方法が気になるところですよね?この記事では、就労証明書が必要な理由・勤務形態別の書き方・自治体への提出方法をわかりやすく解説していきます。
就労証明書とは?
子どもを保育園に預けて働きたいときに、就労証明書に記入し、保育園を管轄する自治体に提出する必要があります。就労証明書とは、子どもの保護者が働いていることを証明する書類のこと。なお就労証明書には、勤務先の名称と住所、保護者の氏名・住所・雇用契約などを記載します。
就労証明書が必要な理由
就労証明書は、認可保育所に子どもを預けるときに必要になります。認可外保育所であれば、就労証明書がなくても空きがあれば預けることが可能です。
保育所は教育施設である幼稚園とは異なり、保育を必要とする人が利用することが目的の福祉施設です。そのため就労証明書が要るのです。
女性の就業率と待機児童
就労証明書を考えるために待機児童の割合がどのくらいか考えてみましょう。働く女性にとって保育園はなくてはならない施設ですが、待機児童の問題があり、認可保育所に預けたくても、預けられない保護者がいるのも事実です。
2020年4月1日時点の待機児童は1万2,439人で、前年比4,333人減となりました。過去最少を記録したものの、東京都2,343人、埼玉県さいたま市387人、兵庫県明石市365人などと都市部での待機児童は依然として高止まりしています。
2013年以降、女性の生産年齢人口は上昇傾向にあります。2018年には、女性の就業率は15~64歳で69.6%,25~44歳で76.5%となっています。認可外保育所は料金が高く、できるだけ認可保育所に預けたいところです。
働く女性が増えていく中で、待機児童問題を解消しないと、料金が高い認可外保育所に預けざるを得ない保護者が増えるリスクがあるのです。
就労証明書のもらい方
就労証明書をもらうには自治体の窓口から受け取れます。ホームページからダウンロードできます。自治体によってフォーマットが異なるので、オリジナルの就労証明書を作っても提出することはできません。
また、入園を希望する認可保育所で受け取ることも可能。さらに、政府が運営するマイナポータルでも就労証明書をもらうことができます。
勤務形態別・就労証明書の書き方
就労証明書は、保護者の勤務形態によって書き方が違ってきます。就労証明書は、基本的には企業に作成してもらうものです。しかし働き方によって書き方が異なります。勤務形態別の違いを確認しましょう。
正社員、契約社員、派遣社員
正社員、契約社員、派遣社員として働いている場合、就労証明書は企業に作成してもらいます。
作成するのは人事部や総務部です。派遣社員の場合は、派遣元企業に作成を依頼します。 女性社員が多く働いている会社や、人事部の人手が足りていない会社では、就労証明書作成に時間がかかることも予想されます。
予め、自治体への提出には余裕をもって、企業に作成をお願いして下さい。なお氏名や押印などの記入漏れがないか否かを確認して自治体に提出します。
パート、アルバイト
パート、アルバイトの場合も、正社員、契約社員などと同様に就労証明書は企業に作成してもらいます。
就労証明書に使う様式も正社員や契約社員と変わりありません。気をつけなくてはならないのは勤務時間と出勤日数です。勤務時間と出勤日数が短過ぎると自治体が定める保育の必要性の基準を満たさないケースがあるためです。
もし保育の必要性の基準を満たしていなかった場合、勤務先に相談し、勤務時間と出勤日数を増やしてもらうようにしましょう。
自営業
自営業や個人事業主の場合、自分で就労証明書を作成します。自営業の場合、開業届や営業許可証、1週間の業務スケジュールなど、自営業としてどんな業務を行っているか証明する書類を作成・提出することになります。
また、確定申告書により収入の実態を証明したり、地域の民生委員の署名・捺印が必要になったりすることもあります。就労証明書を作成する前に、地域の自治体に確認しておくと効率的です。
業務委託
業務委託の場合、自分で作成するか、もしくは業務を発注している企業が作成してくれることもあります。
取引先が就労証明書の作成に慣れていることもありますから、作成してもらえるかどうかを交渉してみましょう。 企業に就労証明書を作成してもらえないときは、自分で作成します。自分で作成する場合の流れは自営業のときと同じです。
自治体に就労証明書を提出するときのポイント
自治体に就労証明書を提出するとき、ポイントとなるのが提出時期・方法です。子どもをいつ保育園に預けるかによって時期が変わります。
提出時期
提出時期は、大きく2つに分けられます。「4月に子どもを入園させるか」「年度の途中で入園させるか」です。
例えば、4月に子どもを保育園に預けたいと思っても、3月に就労証明書を提出するのでは遅いのです。4月に子どもを保育園に入園させたいときは、前年度の10~12月頃に地域の自治体に申し込み、就労証明書を提出して下さい。
年度の途中で入園させたいときは、認可保育所に空きがあればいつでも提出することができる自治体が多いです。自治体に保育園への入園申し込みを行い、就労証明書を提出します。
年度末の2、3月は入園が難しい自治体もありますので、自治体に確認しておきましょう。
提出方法
提出方法には3通りのやり方があります。持参・郵送か、もしくはオンラインによる提出です。持参による提出はどこの自治体も受け付けています。
しかし、郵送による就労証明書の提出は、自治体によって受け付けている場合と受け付けていない場合に分かれます。 オンライン提出は、政府が運営するマイナポータルを通じて提出します。
マイナポータルでは、就労証明書を入手して自治体に提出するだけでなく、マイナポータルから提出できるのです。
就労証明書にまつわる疑問
就労証明書の概要について説明してきました。最後に、就労証明書に対してありがちな疑問にお答えします。
育休期間中の依頼方法は?
育休期間中に就労証明書を提出したいとき、企業にはどのように依頼したら良いでしょうか?最も確実なのは直接、勤務先に行って提出することです。しかし育休中の外出は大変ですし、感染症防止の観点からも、郵送して返送してもらえば効率的です。
ただ、いきなり書類を送られても人事部も困りますので、メールや電話などで連絡を取ってから郵送するのがマナーです。
就労証明書には提出時期がありますから、「いつまでに返送して欲しいか」を伝え、返信用封筒を添付して勤務先に郵送すると親切です。
別居しているときは?
配偶者が単身赴任だったり、別居婚をしていたりと、配偶者と別居している場合の就労証明書はどうしたら良いでしょうか?夫婦の住民票が同じであれば、これまで説明した方法で就労証明書を作成、提出可能です。
注意したいのは市区町村で住民票が違うときです。市区町村が違うと課税状況が分かりません。そのため、就労証明書に加えて源泉徴収票の提出を求められることも。自治体に確認しておきましょう。
記入を間違えたら?
手書きで就労証明書を作成中、書き損じることもありますよね。記入を間違えた場合はどうしたら良いでしょうか?
保護者自身の間違いについては、二重線を引いた上で訂正印を押印します。勤務先の記載欄で間違えたときは、企業の訂正印が必要になります。
訂正印がない場合、自治体は受け付けませんので、勤務先に訂正してもらうか、あるいは新しい用紙を用意して下さい。
まとめ
子どもを保育園に預けながら働く人たちにとって、就労証明書の書き方や提出方法をよく知っておく必要があります。
会社で働いている人は、就労証明書は会社に書いてもらえば良いのですが、就労証明書は提出時期が決まっています。会社に依頼するときは、余裕を持ってお願いするようにしたいですね。