テレワークとは?政府の取り組みや企業の導入例などを紹介

テレワークの記事

働き方改革を意識して、時間や場所にとらわれない新しい働き方「テレワーク」を導入する企業が続々と増えています。

今回は、テレワークの意味、種類、導入するメリット・デメリットを見ていきましょう。

今後、経営者や人事担当者がテレワークを取り入れるために知っておくべき問題点も解説していきます。

目次

テレワークとは?

テレワークとは?
テレワークとは、「tele(離れた場所、遠方の)」と「work ( 働く、仕事)」を合わせた人事労務用語です。

情報通信技術(ICT Information and Communication Technology)を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方をいいます。

近年、働き方改革においてテレワークを活用する企業が増えています。

テレワークと一口に言っても出張時のモバイルワーク、ほぼ毎日在宅勤務、部分在宅勤務などがあります。

テレワークと在宅勤務の違い

テレワークには大きく分けて3種類あります。

①「在宅勤務」従業員が自宅で仕事を行う

②「モバイルワーク」カフェや移動中に仕事をする

③「サードプレイスオフィス勤務」事業者が提供するサテライトオフィスやコワーキングスペース、自社の専用施設などで仕事をする

「テレワーク」は広い概念であり、「在宅勤務」はテレワークの一つの形態です。

最近は、「テレワーク」を「リモートワーク(遠隔)」と呼ぶこともあり、意味は同じです。

テレワークの導入率

総務省の平成29年通信利用動向調査によれば、企業におけるテレワークの導入率は13.9%です。

在宅勤務の導入率は29.9%、モバイルワークの導入率は56.4%、サテライトオフィスの導入率は12.1%です。

平成29年6月に国土交通省が公表した「平成28年度テレワーク人口実態調査」によれば、テレワークについて詳しく知っている人は全体の18.5%に留まっています。

日本におけるテレワークの認知度はまだまだ低いと言えるでしょう。

テレワーク人口は今後増えるのか?

平成30年度、国土交通省が発表した「テレワーク人口実態調査」によれば、雇用型就業者のうち、テレワーカーの割合は前年度14.8%から16.6%アップ。

自営型就業者のうち、テレワーカーの割合は前年度22.2%から24.0%とどちらも上昇傾向にあります。

2022年には29万社になると予測とされ、テレワーク人口は今後増えると見られています。

テレワーク普及に向けた政府の取り組み

テレワークの普及推進と増加に向けて、日本政府は以下の取り組みを実施しています。

▼内閣府、内閣官房

働き方改革担当大臣の新設
国家公務員のテレワーク導入を推進

▼総務省

セキュリティ対策やマネジメントコミュニケーション
ICT環境の技術的課題についての検証
ふるさとテレワーク推進事業

▼国土交通省

テレワーク展開拠点構築検討調査の実施
テレワーク人口実態調査の実施

▼経済産業省

毎年11月、27年度開始するテレワーク月間の普及啓発活動

テレワークの種類

テレワークの種類
ここからは、テレワークの様々な種類について見ていきましょう。

雇用型と自営型の違い

雇用関係の有無によって、「雇用型」と「自営型(非雇用型)」に分けることができます。

「雇用型」とは、雇用されている従業員がICTと情報通信機器を使用してオフィス以外の場所で業務を行うことを言います。

仕事を行う場所によって「在宅勤務」「モバイルワーク」、「施設利用型勤務」の3種類に分けることができます。

「自営型(非雇用型)」とは、雇用されていない人材がICTと情報通信機器を使用して働くことをいいます。

在宅勤務

「在宅勤務」は「自宅利用型テレワーク」とも呼ばれ、オフィスではなく自宅で仕事を行うことです。

プログラマーやデザイナーといった勤務場所に関わらず仕事ができる職種との相性が良く、自宅利用型テレワークを導入する企業が増えています。

また、妊娠、育児、家族の介護、病気やケガなどにより通勤・オフィス出勤が難しくなったときの施策としても取り入れられています。

モバイルワーク

「モバイルワーク」とは「外勤型テレワーク」とも呼ばれ、移動中や取引先の職場で、パソコンや携帯電話を使って仕事をすることです。

「モバイルワーク」は営業職や配達、警備など外回りの職種と相性がよく、導入が増えています。

施設利用型勤務

「施設利用型勤務」とは、本社や支社から離れた場所に設置されたワークスペース(オフィススペース)を仕事場所とすることです。

ワークスペースには、サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィスなどが挙げられます。

SOHO

SOHO(自宅兼オフィス)は「Small Office Home Office」の略語です。

自宅を「ホームオフィス」として働く、小規模事業の個人事業や個人会社のことをいいます。

SOHOは専門的なスキルをもっている人が多く、独立した自営業が多く見られます。

内職副業型勤務

「内職副業型勤務」とは手作業の仕事を自宅で行うことです。

はがきや封筒の指定位置に貼るシール貼り、値札つけ、袋詰め作業、電子部品を電動ドライバーなどで締めるネジ留めなどが挙げられます。

テレワークのメリット・デメリット

テレワークのメリット・デメリット
テレワークは、使用者と従業員の双方にメリットがあるとして導入されています。

テレワークのメリット

▼使用者側のメリット

労働生産性、効率性が向上する
大幅なオフィスコストが削減される
離職率が下がる
多様な人材を確保する
あらゆる不測の事態に対処できる
地域貢献による企業イメージアップ

▼従業員側のメリット

通勤時間の短縮、労働時間が長くなる
通勤の身体的負担が軽減される
仕事とプライベートの両立
ストレス軽減、精神的な余裕が生まれる
保有スキルや経験の有効活用

テレワークのデメリットや問題点は?

▼使用者側のデメリット

労働実態が確認しずらい
組織力・チーム力の低下
情報漏洩リスクがある
計画的に人材育成するのが難しい

▼従業員側のデメリット

成果主義となり労働時間が長くなる
社内のコミュニケーションが減る

テレワークを導入する際の対応例

テレワークを導入する際の対応例
ここからは、テレワークの導入に向けて、人事部、総務部、情報システム部が準備しておくべき項目を見ていきましょう。

PC、タブレット、ルーターなどの支給

PC、タブレット、スマートフォンなどのモバイル機器を従業員に支給し、外出先でもオフィスと同様の環境を提供します。

定期的な出社と重要な会議への出席を義務化

急な連絡が必要なときや重要な会議は出席を義務化することが大切です。

定期的な出社を決めて従業員が近況報告をすることで、人事・総務部は労働実態を確認することができます。

育児・介護中など、理由がある一部の社員のみに限定

育児・介護中など家庭の事情でフルタイム勤務は難しい場合は、一部の社員のみに限定して取り入れる方法もあります。

テレワークをを導入している企業の例

ここからは、テレワークをを導入して効率化に繋がった成功事例を見ていきましょう。

カルビー株式会社

カルビーはオフィスに捉われない働き方を目指して在宅勤務を導入し、業務効率アップに成功しています。

具体的には、本社オフィスのフリーアドレスの空間、サマータイム制の導入、営業職の直行直帰推進、ITの活用、デジタル化による紙の書類削減が挙げられます。

パナソニック

2007年からパナソニック株式会社は在宅勤務、モバイルワーク、スポットオフィス、フリーアドレスオフィス、Web会議などを本格導入しています。

独自の在宅勤務制度「e-Work@Home」では上限は月間勤務日数の2分の1までと定めています。

全国14拠点内にスポットオフィスを設けおり、月間7000名の従業員が活用しています。

在宅勤務を導入してから70%以上の従業員が生産性向上を実感しています。

株式会社岡部

富山県に本社を置く建設業の株式会社岡部は、多様な働き方の推進を目指して情報通信機器を設置した本格的なテレワーク導入を開始。

育児・介護と仕事の両立支援、事業継続計画対策、
直行直帰など無駄な時間を削減しています。

まとめ

テレワークのまとめ
時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するテレワークは今後も注目されています。

メリットだけでなくデメリットも踏まえて、コミュニケーションツールなどを上手く併用していきましょう。

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