仕事に熱心なのはとても良いことです。しかしワーカホリックになると仕事のことばかり考え、満足に休息を得ることもできません。働き過ぎるあまり健康に害をきたしてしまうこともあります。記事では、ワーカホリックになりやすい人の特徴や、ワーカホリックへの対処方法について解説します。
ワーカホリックとは?
ワーカホリックは仕事中毒を意味します。ワーク(work)とアルコール中毒(alcoholic)を組み合わせた造語です。
ワーカホリックは寝ても覚めても仕事のことを考え、プライベートでも仕事のことで頭がいっぱいになります。傍から見ると仕事熱心な人ですが、ワーカホリックな人は、プライベートな人間関係を粗雑にし、健康に害をもたらしてしまうこともあります。
生活をする上で働くことは大切なこと。しかしワーカホリックになるほど働き過ぎ、結果、人間関係の希薄化、うつ状態などの病気にかかっては意味がありません。
ワーカホリックになる人の特徴や対処方法を学び、実践していくことが必要です。
ワーカホリックになりやすい人の特徴とは?
仕事熱心な人がすぐにワーカホリックになるわけではありません。ワーカホリックになりやすい人の特徴を確認していきましょう。あてはまる項目があったら、自分が働き過ぎていないかを振り返ると共に、後述する対処方法を試してみて下さい。
趣味がない
仕事以外に趣味がない人は、ワーカホリックになりやすいです。
趣味がないと休みの日に何をして良いか分かりません。休日をどう過ごして良いかが分からなくなると、結局溜まっている仕事をやり始めてしまうのです。
趣味は自分の楽しみを行うのでストレス解消になります。しかし趣味を持っておらず休日も仕事をしてしまうと、ストレスの程よい解消ができなくなるのです。
プライベートの人間関係が希薄
家族や友人との交流が少ないなど、プライベートの人間関係が希薄な人もワーカホリックになりやすいです。
結婚して配偶者も子どももいるが、仕事のため家族と顔を合わせないとどんどん人間関係が薄くなっていきますよね?そうなるとますます仕事に没頭し、ワーカホリックに陥りやすくなるのです。
仕事の仲間以外の友人・知人と交流しない人もワーカホリックになりがちです。付き合いが悪ければ、相手もだんだん誘わなくなっていくでしょう。
仕事のことばかり考えている人は、自分から友人に連絡を取りませんので、ワーカホリックに陥りやすくなります。
仕事に誇りを持っている
自分の仕事に対して誇りを持つことは悪いことではありません。しかし、仕事に誇りを持つ余り、全ての仕事を自分で管理しようとするとワーカホリックになりやすくなります。
上司や同僚からのサポートを拒むようになり、仕事を自分で掌握しないと気が済まないようになります。結果的に自らやるべきタスクがどんどん増えていき、気づいたら働きすぎになっているのです。
真面目で責任感が強い
仕事を遂行する上で、真面目で責任感が強いことは大切な要素。しかし、融通が利かない真面目さや、仕事を完璧にやろうとする責任感は、ワーカホリックになりやすい人の特徴です。
責任感が強く、自分でやりきらないと気が済まない人は、部下や後輩にさえも仕事を割り振ることができません。自分で仕事を抱え込むことになり、ワーカホリックになりやすくなるのです。
上昇志向が強い
仕事に関係する資格を取ったり、難しい目標にも果敢にチャレンジできたりする人は上昇志向が強いです。上昇志向が強い人は、ワーカホリックになりやすくなります。
例えば、現状の自分ではなかなか達成できない目標があるとします。上昇志向が強い人は、難しい目標でも何とか達成しようとします。
目標達成に向けた行動力は社内で評価されますが、難しい目標に挑戦し続けていくと心身も疲弊していくのです。目標達成のために仕事のことばかり考えるようになり、ワーカホリックになってしまいます。
健康よりも仕事を重視する
仕事のことばかりで健康をないがしろにする人は、ワーカホリックになりがちです。定期健診で要検査という判定が出たにもかかわらず、「仕事があるから」と医師の診察を受けなかったらどうなるでしょうか。
自分でも意識しない程に身体が疲れ、突然に倒れたり命の危険にさらされたりすることもあるのです。また、仕事中心のライフスタイルだと、健康的な食生活ができなくなります。
仕事をしながら栄養素の低い食事を短期間で摂ったり、取引先との接待に明け暮れたりすることがあるでしょう。
極端な例を除いたとしても、意識しないうちに健康を害しているケースが多くあるのが現代社会です。
仕事をしないと不安に感じる
休憩、休日、食事、睡眠、家族や友人との交流など、仕事をしていない時間は働く人にリラックスを与えます。
仕事をしていない時間を過ごすのを不安と感じる人はワーカホリックになりがちです。仕事をしないと不安なため、休日を「早く終わらないか」と思ったり、仕事の資料を眺めていないと落ち着かなかったりします。
仕事をしているときだけ充実感がある
休日に友人と会ったり、映画を見たりしても気分が落ち着かないことはないでしょうか。仕事をしているときだけ充実感がある人も、ワーカホリックになりがちです。
プロジェクトを顧客の依頼通りにやり遂げたときは気分が良いのに、仕事をしていないプライベート時間は空虚な気持ちになります。
自宅に仕事を持ち帰ることが当たり前
自宅に仕事を持ち帰ることが常態化している人も、ワーカホリックになりやすいタイプの一つと言えるでしょう。
仕事が定時で終わらないから自宅に持ち帰っていると、プライベートと仕事の区別がつかなくなります。そうなると自宅にいても気分が落ち着かず、仕事を手に取っていないといられなくなるのです。
普段の仕事効率が下がっている場合でも、「今日も仕事を持ち帰ってやればいいや」と、業務改善を妨げる言い訳として使えてしまうのも大きなデメリットでしょう。
ワーカホリックの症状
ワーカホリックになってしまった人にはどんな症状があるでしょうか。3つの観点で確認しますので、自分が症状にあてはまっていないかのチェックにしてみて下さい。
うつ状態
いくら多くの仕事をこなし問題を解決してきた人でも、休息せずに働いているとうつ状態の症状が出ることがあります。
人間は機械ではないので、自宅に仕事を持ち帰り、健康をないがしろにして働いてばかりいたらパンクしてしまいます。うつ状態になると、人はやる気がなくなったり、自分はダメな人間なんだと思い込んだりしてしまうのです。
慢性的な疲労感
休日にどれだけ多くの睡眠時間を取っても、疲れが取れないということはありませんか。ワーカホリックの症状には慢性的な疲労感があります。
慢性的な疲労感から抜け出るためにカフェインに頼っても、一時的な回復しか得られません。オンとオフを分けた生活をしないと、慢性的な疲労感はつきまとってくるでしょう。
食欲不振
ワーカホリックの人は、四六時中、仕事のことを考えて休日も仕事をしています。精力的に働いているわけですからお腹が空いているはずですよね。
しかし、ワーカホリックの人には食欲不振という症状が出ることがあります。肉体には異常がないのに食欲不振になる人は、ワーカホリックになっている可能性があります。
「食べなくても大丈夫」だと思い込んで、食事の量を減らしてでも仕事に向き合いがちになるのです。
ワーカホリックへの対処方法
ワーカホリックにならないためにはどうしたら良いでしょうか。ワーカホリックへの対処方法を確認します。
休日の過ごし方を考えて実行する
「休日に何をしたら良いか分からない」「仕事をしていないと不安だ」という人は、休日の過ごし方を考えてみましょう。そのためには自分は休日に何をしたいのかを挙げることです。
掃除や料理などの家事、家族や恋人が面白いといっている動画の視聴、学生時代にハマった小説を読むこと、没頭できそうな趣味を見つけることなど、やりたいことを書き出していきます。書き出した内容を休日に実行していきましょう。
休日に何をしたら良いか分からない人が急に何かを始めても、うまくいかないと思うかもしれません。確かに、最初は何かを始めても仕事のことが気になると思います。しかし、ここで仕事を始めたらワーカホリックに逆戻り。
仕事が頭をよぎっても「実行する」と決めたことはやってみましょう。あまり関心を持てないようなら、次の休日には違うことをすれば良いのです。
家族や友人とのコミュニケーションをとる
家族や友人とのコミュニケーションをとることも、ワーカホリック対策となります。他人と交流するということですから、会って会話するだけでも仕事のことを忘れることができます。
配偶者や子どもと外出したり食事に出かけたりして、家族と交流することだけに注意を向けて楽しんでみましょう。家族と触れ合うだけでリフレッシュとなります。
友達と会って話すときは、仕事やネガティブな話題が好きな人を避けて、一緒に居て楽しく過ごせる人を中心に人選するのがコツ。幸福感を感じる時間が長いほど、リフレッシュ効果も高くなります。
まとめ
ワーカホリックになると仕事のことばかり考え、休日も仕事をしてしまいます。
ワーカホリックになるとうつ状態・慢性的な疲労感などの症状が出ることもあります。ワーカホリックになりやすい人の特徴を確認頂き、特徴に自分はあてはまっていないかをチェックしてみて下さい。また、対処方法を実践してみましょう。