残業代に関する知識と請求するための方法!成功事例も紹介

残業代の記事

毎日残業続きなのに、なぜか給料明細に残業代が含まれていない…と不満ではありませんか?

仕事が業務時間内に終わらない場合、残業した時間分の賃金は当然支払われるべきです。

しかし、あまりに残業代の未払いが多く、サービス残業は当たり前だと思っている人もいる程です。

そこで今回は、残業代を請求するための方法を解説していきますので、ぜひ最後まで参考にしてみてください。

目次

残業代に関する知識

残業代に関する知識
労働基準法によると、労働時間は「1日8時間以内」「週40時間以内」と定められています。

就業時間を設定するときは、どの会社も規定内に
収めなければなりません。

会社ごとに決められた就業時間を超えて働いていた場合は残業となり、会社側は従業員に対して残業代を支払う必要があります。

週40時間以上働くと残業代が割増となりますので、連日残業をしている方は要チェックです。

残業代の平均はどれくらい?

2018年10月に発表された厚生労働省の毎月勤労統計調査(平成30年10月分結果)では、業界・職種別の残業代の平均値が分かります。

最も多い業界は電気 ・ ガス業の63,803円、最も少ない業種は教育・学習支援業の8,743円です。

残業代の計算方法は?残業代と時給の関係

残業代の計算方法は、1時間あたりの給料と何時間残業したかを把握する必要があります。

▼残業代の計算式

1時間あたりの賃金(時給)×1.25(割増率)×残業時間

給与明細を見れば1時間あたりの給料が分かり、会社の勤怠管理システムやタイムカードを見ると実働時間を確認できます。

▼1時間あたりの賃金がわからない場合

月給÷(1日の所定労働時間〈定時〉×21日〈1ヶ月の勤務日数〉

「週40時間、1日8時間」の法定内労働を超えて働くと25%割増の残業代が発生します。

例えば、定時9時~18時(休憩は1時間)、週5日で週40時間働いている場合、18時を過ぎて仕事をした場合は残業代が発生します。

残業代の簡易計算ツールなども

残業代の計算には簡易版の自動計算ツールを使うと便利です。

残業時間等を数字入力するだけで、実際の残業代を自動計算してくれるので便利です。

▼自動計算ツール「Keisan」
http://keisan.casio.jp/exec/system/14525642510799

法定時間外労働、法定休日、深夜労働、月60時間超の割増の有無を入力すると自動計算されます。

▼残業代簡易チェッカー
https://www.zangyou.jp/checker/

6つの質問に答えるだけで、未払いの残業代を簡易的に計算してくれるツールです。

残業代の請求には時効があるので注意!

労働基準法第115条には「賃金や災害補償その他の請求権は2年間」と定められております。

残業代請求の時効は2年となっており、請求権は2年間しかありません。

つまり、過去の残業代を請求したくても原則2年前までしか請求を遡ることができないのです。

残業時間が長い方は未払い残業代が多いと考えられるので、請求できる残業代が少なくなり、損してしまうのです。

残業代が出ない…

残業代が出ない
残業(時間外労働)をした場合、会社は正当な賃金(残業代)を支払う義務があります。

残業代を出さない会社は口実を作っている違法性が考えられます。

あなたに残業代が出ない理由は?

あなたに残業代が出ない理由は、社内の独自のルールや労働基準法を口実にしている可能性があります。

長時間労働を防ぐために国の政策「サブロク協定」が定められており、企業よっては「月45時間以上の残業代は出さない」という制限を決めています。

会社独自の就労規約で残業を認めていない場合は、残業代は支払われません。

残業しても残業代は出ないのですから、今日から潔く定時で帰りましょう。

実は残業代がもらえるケースも

基本給の中にはじめから残業代が含まれていることを「固定残業代(みなし残業代)」と言います。

労働時間にばらつきがある場合、労働時間が正確に判断できないため、給料に残業代を含めておくやり方です。

「固定残業代(みなし残業代)」の制度は多くの企業で見られます。

気をつけたいのは、固定残業代は「〜時間分の残業代はいくら」と明確に設定しなければなりません。

固定残業代で定められている時間を超えて残業した場合は、会社は追加で残業代を払う必要があるのです。

残業代は給料に含まれていると言われても、時間に対しての金額が明確ではない場合は要注意です。

長く残業をしても残業代が変わらない場合は、違法に残業代が出ていない可能性があり、本来は支払わるべきです。

未払いの残業代に税金はかかる?

残業代請求で受け取った未払い残業代にも税金はかかります。

残業代は長時間働いたことで得られる賃金のことで
適切に支払われても後から受け取っても所得税の対象です。

残業代を請求するための方法

残業代を請求するための方法
ここからは、残業代を請求するための方法を見ていきましょう。

残業代を請求するための証拠を集める

未払いの残業代請求を検討する場合、まずは残業代を請求するために証拠を集めます。

▼残業代が発生している証拠になるもの

残業時間中の労働内容を立証する資料
残業指示書
残業承諾書
残業の指示を受けたメール
指示を受けた時のメモ
残業承認の旨の書面
残業時間中の業務内容が分かる書面
残業時間中に送信した業務用メール履歴
残業時間中の業務内容が判る資料(業務日誌) 
上司から残業するように指示された時のメールやメモ、書類など業務に関連するメールは証拠になります。

残業代の未払い分を計算して会社に交渉する

 

残業代を請求するには、前もって正確な残業代を計算をする必要があります。

▼請求できる残業代

【A:残業時間】×【B:1時間当たりの基礎賃金】×【C:割増率(100%+割増%)】

▼1時間当たりの基礎賃金の計算方法

手当を除いた月額給与-1ヵ月に働く平均時間数(月平均所定労働時間)

労働基準監督署に相談する

確実に残業代を回収する場合は、労働条件の確保や改善指導をする行政組織「労働基準監督署」にも相談しておくと良いでしょう。

残業代の未払いは労働基準法違反に当たるため、証拠があれば、労働基準監督署が会社に対し調査を行います。

未払いが明らかになったら会社に対して是正勧告がされます。

社会保険労務士に相談する

社会保険や年金、労働問題が専門の「社会保険労務士」は、会社とあなたの間に入ってあっせんにより
問題を解決することができます。

弁護士に相談する

弁護士に残業代請求を依頼する場合、証拠の集めから残業代の計算、そして交渉のすべての手続きを代理してもらえます。

残業代を請求できた事例

ここからは、実際に残業代を請求できた事例を見ていきましょう。

残業未払い300万円分を請求を成功した営業マン

月80〜100時間も残業したにも関わらず、役職者だからとの理由で残業代が支払われなかった40代男性の営業マンのAさん。

Aさんは退職後、弁護士事務所を通して会社に残業代請求することに。

弁護士事務所から残業代を支払うよう内容証明郵便で書面を送り、労働審判の申立を行いました。

会社側の主張は認められず、300万円の残業代での和解が成立しました。

3年間ほぼ毎月100時間を超える残業代600万円を獲得したケース

3年間ほぼ毎月100時間を超える過酷な残業を強いられていた中小企業の印刷業で働く会社員のBさん。

Bさんは、転職を機に残業代を請求することに。

弁護士事務所にタイムカードや会社の就業規則を細部まで検証してもらい、最終的には600万円の残業代を回収できました。

まとめ

残業代のまとめ
長く残業しても残業代が変わらない場合は、正確に支払われていない可能性があります。

残業代において気になる点がある方は、専門家に相談して解決してみてはいかがでしょうか?

 

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