アファーマティブ・アクションとは?日本とアメリカの違いや問題点

アファーマティブ・アクションの記事

アメリカで始まった「アファーマティブアクション」は、社会的に差別されている人達に均等な機会を提供することを目的としています。

日本では男女の雇用、男女の格差の是正を目的とされることが多いのが特徴です。

今回は、「アファーマティブアクション」における日米の相違や問題点に焦点を当て、解説していきます。

目次

アファーマティブ・アクションとは

アファーマティブ・アクションとは
「アファーマティブアクション(Affirmative Action)」とは性別・人種など社会的に差別されている人たちを救済するための優遇措置です。

「ポジティブアクション(Positive Action)」と呼ばれることもあり、被差別集団が有利になるような措置が取られています。

アファーマティブアクションにより、差別を受けている集団の不利益を修正することが目的です。

具体的には、黒人が不利になる環境の場合、黒人が有利になるような制度を作り、女性が極端に少ない職場は女性優遇の求人を出すといった施策があります。

日本においては、雇用における男女格差をなくすための優遇措置が取られているのが特徴です。

アファーマティブ・アクションの意味と起源

アファーマティブアクション(Affirmative Action)はアメリカで始まった措置であり、直訳すると「積極的格差是正措置」という意味になります。

差別と直訳すると、日本国憲法第14条に違反すると判断されることがあるため「積極的格差是正措置」と訳されます。

アメリカ、カナダでは「アファーマティブアクション」と呼ばれていますが、日本やEU諸国は「ポジティブアクション」と呼んでいます。

アファーマティブ・アクションは、アメリカでどう捉えられているか

アメリカでは、時間をかけて人々の意識を変えていくよりも、強力な是正措置を取ることが得策だと捉えられています。

問題が全て解決するわけではありませんが、被差別集団は直接的な不利益がなくなるため、施策としては有効だと言われています。

アファーマティブ・アクションとドナルド・トランプ氏

トランプ米政権は、大学・公立校に入学選考で人種的少数派を優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)を廃止しました。 

被差別を守ることは逆に差別を生むという考えもあり、トランプ政権は入学選考時に人種を考慮しないように求めることにしたのです。

アファーマティブ・アクションと日本

日本におけるアファーマティブアクションはポジティブアクション(positive action)と呼ばれ、女性に対する改善措置を意味しています。

特に「女性労働者に対する改善措置」を強化する取り組みが行われているのが特徴です。

ポジティブアクションとは

ポジティブアクションとは、仕事に対する意欲の高い女性を積極的に採用して能力を発揮してもらおう取り組みです。

多くの日本企業は女性管理職、女性経営者の活躍が少ないのが現状です。

企業がポジティブアクションを意識することで、優秀な人材の確保、女性の活躍による業績の向上、が期待されています。

ポジティブアクションの効果

女性はライフプランにおける妊娠、出産、育児、介護などにより、キャリアが停滞することがあります。

女性の活躍推進のために、企業がポジティブ・アクションを積極的に取り組むことで、女性社員もキャリア形成を実現することができます。

女性労働者の労働意欲の向上に繋がり、業務生産性が向上することも大きなメリットです。

ポジティブアクションの取り組み状況

実際にポジティブ・アクションを取り組んでいる企業は約20%とまだまだ少ないのが現状です。

内閣府男女共同参画局は、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」と目標を掲げています。

ポジティブアクションの進め方

ポジティブアクションの進め方
具体的にポジティブ・アクションにどう取り組むべきかは企業の実態によってそれぞれ異なります。

ここからは、ポジティブアクションを導入する流れについて見ていきましょう。

step1:現状の分析と問題点の発見

ポジティブアクションを始める前に、女性社員の状況、労働環境、活躍の度合いなどの現状を確かめます。

自分のライフスタイルの変化がある女性社員に将来をどう考えているか女性社員対象のアンケートをするのも効果的です。

ポジティブアクションの判断ツールなども活用して、自社の課題や問題点を見極めましょう。

step2:具体的取組計画の作成

自社の課題や問題を解決するため、採用時の女性の割合、女性管理職の割合、女性の働き方をサポートする制度の活用率など、数値目標値を設定します。

社内全体の平均残業時間の削減、有給休暇取得率の向上などを目標値とすることも効果的です。

step3:具体的取組の実施

計画に沿って取り組みを実施していきます。

計画通りに進まない場合は、計画の修正を行い、早期に対処することで目標の数値を目指します。

step4:成果の点検と見直し

 
一定期間が経過してから成果を評価します。    
効果があった取り組み、難しかったことなど分析して、社内全体へ意識づけるために成果を共有します。

アファーマティブ・アクションの事例(アメリカ)

アファーマティブ・アクションの事例(アメリカ)
アメリカにおけるアファーマティブ・アクションの取り組みを見ていきましょう。

ゼネラル・ミルズ

ゼネラル・ミルズ社は事業を成長させるためには、
多種多様な人材を活用した組織が必要だと考えています。

世界各地の消費者を対象としているため、アファーマティブ・アクションを推奨すると多くの市場にアプローチすることができます。

母親の従業員は子供の学校参観の時間を確保したり、自身の能力アップのため MBA(経営学修士)取得を目的とする体制を整えています。

ゴールドマンサックス

アメリカの金融業界は女性人材やマイノリティ人材が適切に活用されていない体質がありました。

2001年から、ゴールドマン・サックス社は現状の金融業界の状況を踏まえて、多様な人材を採用することに。

男女雇用機会均等のための広範な全社的な取り組み
「シニア女性のための施策(Senior Women’s Initiative)」を開始しました。

社内外の女性リーダーの交流の機会、社内の女性ネットワーク形成の機会を積極的に提供しています。

ボストン・コンサルティング・グループ

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は
女性を積極的に採用するために、新規学卒者対象のワークショップを開催しています。

フレックス・タイム、パートタイム就労、テレワークの選択、プロジェクト進捗日程と担当割りを考慮する体制を整えています。

アファーマティブ・アクション(ポジティブアクション)に取り組む際の問題点

アファーマティブ・アクション(ポジティブアクション)に取り組む際の問題点
ポジティブ・アクションに取り組む上でどんな問題点があるでしょうか?

女性の採用・職域をどうやって拡大するか

女性の登用や職域拡大の機会に力を入れても、現状維持を希望する女性社員も多く存在します。
 
キャリア形成の模範となる女性管理職がいないため、キャリア形成をイメージできないことが一つの原因です。

人材育成や業務経験の機会を増やす仕組みなどを整えて、女性社員の意識改革をすることも大切です。

業務範囲を広げたり、キャリアビジョンを明確に持たせる人事のサポートも必要です。

職場環境やカルチャーをどうやって変化させていくか

従来の男性従業員がトップダウンとなる職場環境の場合、ポジティブ・アクションの取組を推進することは困難です。

まずは、トップに女性の活躍事例を理解してもらい、ポジティブ・アクションの重要性を伝えることから始めましょう。

トップから権限を委託された推進チームを結成して
取組を続けていくことで、風土改革することができます。

まとめ

アファーマティブ・アクションのまとめ

日本におけるアファーマティブ・アクションはポジティブアクションと呼ばれ、女性活躍のための環境整備の意味合いがあります。
 
仕事と家庭の両立できる時短労働、テレワーク、働く意欲や能力のある女性の活躍を推進する人材育成などを積極的に取り入れていきましょう。

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