「えんもたけなわ」とは?意味・漢字表現・類語・使い方・例文を解説

「えんもたけなわ」は、宴会を締めるときに使われる結びの言葉です。「えんもたけなわ」の意味や使い方を知っておくと、宴会の幹事を務めたときに役立ちます。記事では「えんもたけなわ」の意味や由来、漢字表現・使い方・例文について解説します。

目次

「えんもたけなわ」とは?

宴会を締めるときに使われる「えんもたけなわ」の意味や由来を確認します。

「えんもたけなわ」の意味、漢字表現

「えんもたけなわ」には宴会が大盛況している様子を表す意味があります。「えんもたけなわ」のえんは宴会を表します。そしてたけなわは、物事の真っ最中や、真っ盛りという意味です。

宴会以外でも「春たけなわ」「齢たけなわ」などと使います。 忘年会を締めるときに「えんもたけなわですが、本日の忘年会はここでお開きとなります」といいますが、「宴会が盛り上がっているところですが忘年会を終えます」という挨拶を表します。 「えんもたけなわ」は、漢字では「宴もたけなわ」と書きます。

「たけなわ」の漢字は酣と書きますが、「えんもたけなわ」を漢字で書くときは「宴もたけなわ」という表現が一般的です。

「えんもたけなわ」の由来

「えんもたけなわ」の由来は酣(たけなわ)という漢字によります。酣という漢字の作りを見ると「酒が甘い」と書きますね。酒を造っていくと徐々に甘くなっていくのですが、その様子を表現した漢字が酣です。宴会で参加者が酒に酔って盛り上がっているさまを、「酒造りの中で味が甘くなっていく様子」で言い表しているのです。

「えんもたけなわ」の類語

「えんもたけなわ」にはいくつもの類語があります。意味や違いを確認します。

  • 宴会も佳境に入っているところ
  • 賑わっているところ
  • テンションが高まったところ

宴会も佳境に入っているところ

宴会も佳境に入っているところの「佳境」には、最盛期・素晴らしいところという意味があります。つまり「宴会も盛り上がっているところ」という意味合いです。「えんもたけなわ」の言い換えとして使用できます。

賑わっているところ

賑わっているところの「賑わっている」には、「繁盛」や「活気がある」「騒がしい」があります。「賑わっているところ」には、騒がしいほどに活気がある宴会という意味で使えるので、「えんもたけなわ」の言い換えとして使用できます。

テンションが高まったところ

テンションが高まったところには、「気分が上がっている」という意味があります。宴会も盛り上がれば気分は上がります。ただ、テンションが高いというと仲間内で使うイメージが強いので、幅広い年齢層が集まる宴会に使うのは向いていません。

「えんもたけなわ」の使い方

時短勤務のメリット・デメリットや注意点

「えんもたけなわ」には使い方のポイントがあります。使うタイミングや禁止事項などを確認します。

宴会を締めるときに使う

「えんもたけなわ」を使うタイミングは宴会を締めるときです。

「えんもたけなわ」を使うのは退店時間ギリギリでは良くありません。締めるタイミングは宴会が盛り上がっている場面です。締めた後に残りたい人もいますから、退店時間の10分前くらいに挨拶するようにしましょう。

宴会を締めるタイミングを間違えると、幹事として力量不足だと思われてしまいます。 また、会計を先に済ませておくことも、「えんもたけなわ」を使うタイミングとして重要なポイントです。会計が終わっていないと、締めた後に飲み始めた人の飲食代を請求されることもあります。参加者にスムーズに帰って頂くためにも先に会計を終えたいところです。

挨拶する人には事前にお願いする

「えんもたけなわ」の後に挨拶する人がいる場合は、事前に依頼しておきます。依頼するタイミングは宴会が始まる前が適切ですね。宴会中に初めて依頼するのは、相手が話し込んでいたり、酔っていたりすることがあるので失礼に当たります。宴会前に依頼しておき、締める挨拶をするタイミングで改めて依頼するのがマナーです。

長い挨拶は厳禁

宴会前の長い挨拶も良く思われませんが、宴会を締める挨拶でも長い挨拶は厳禁です。終わり良ければすべて良しという言葉がある通り、挨拶をシンプルに行って気持ち良く宴会を終えましょう。「えんもたけなわ」の挨拶後には手締めを行うことが多いでしょうから、スムーズに手締めに移行するようにして下さい。

定型文を使う

「えんもたけなわ」には定型文があります。長い挨拶は厳禁と説明した通り、「えんもたけなわですが、本日はこれで忘年会を終了します」とシンプルな定型文を使って締めて下さい。「えんもたけなわ」は誰に対しても使える言葉です。そのため参加者に上司や顧客がいるなどの場合でも、「えんもたけなわ」の定型文を変える必要はありません。

手締めを行う

「えんもたけなわ」の挨拶では手締めを行います。手締めの挨拶では「えんもたけなわですが、本日はこれでお開きと致します。お忙しい中お集まり頂き、ありがとうございました。最後は一本締めでしめくくります。

お手を拝借。イヨーッ」といって手締めを行います。一本締めは「シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャンシャン」というリズムで手を打ちます。 その他には三本締めと関東一本締めがあります。

三本締めは一本締めを3回行うイメージです。そして間違えやすいのが関東一本締め。普通の一本締めと同じように思えるかもしれませんが違います。関東一本締めでは「最後は関東一本締めでしめくくります。お手を拝借。イヨーッ」といった後で、参加者全員でパンッと手を1回打つだけです。関東一本締めはメジャーな手締めのため、関東以外の地域でも使われます。

「えんもたけなわ」の例文

「えんもたけなわ」の例文を3つ見ていきます。参加者が誰であるかによって使い方が違いますので、確認しましょう。

えんもたけなわですが

「えんもたけなわですが、本日の宴会はこれで終了と致します」は、端的に使える用法です。

参加者が目上の人でも目下の人でも使えます。シンプルなので、締めの挨拶の後に主役から一言もらったり、メンバーの意欲を高める挨拶を続けたりすることなどにも使いやすいです。

えんもたけなわでございますが

「えんもたけなわでございますが、本日の宴会はこれで終了と致します」は、「ございます」が入っているため「えんもたけなわですが」よりも丁寧です。

定型文の箇所で説明した通り「えんもたけなわ」は参加者が誰であっても使うことが可能です。しかし、挨拶に敬語を入れることによって参加者に敬意を表することができるのです。

えんもたけなわで恐縮ですが

「えんもたけなわで恐縮ですが、本日の宴会はこれで終了と致します」は、「えんもたけなわでございますが」よりもさらに丁寧な表現。恐縮は恐れ多いという意味があります。

宴会が盛り上がっていることに対して「すみません」という思いを込めて、宴会を締めるのです。

上司や役員など、忙しい時間を縫って宴会に参加してくれる方もいらっしゃいます。敬語を取り入れることで、幹事としての評価をランクアップできます。「ございます」を使うか「恐縮です」を使うかは、幹事の使い方次第です。

「恐縮です」を使わず「ございます」を使ったら失礼に値するわけではありません。参加者が「敬意を表してもらえた」と感じれば良いのです。

まとめ

社会人になると宴会の幹事を務める機会は増えるものです。学生時代と違って、宴会の場所・料理・お酒の決定に気を使います。宴会では始まりと終わりに挨拶があり、今回ご紹介した「えんもたけなわ」の挨拶は宴会を締めるときに使います。

「えんもたけなわ」はシンプルに行い、手締めに移行できるようにしましょう。「えんもたけなわ」には定型文がありますから、すらすらといえるようにして下さい。

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