朱書きとは?意味・在中の役割・書き方・訂正の仕方と例を解説

封筒の表面に「親展」「履歴書在中」と書かれた赤字を見たことがあるでしょう。ビジネスではこの赤字のことを朱書きといいます。朱書きは訂正するときにも使えます。なぜ朱書きは書くのか?朱書きの書き方は?訂正の仕方と例は?など、朱書きに関する基本を解説します。

目次

朱書きとは?

朱書きにはどんな意味があるでしょうか?意味と起源、朱書きを書く理由についても確認します。

朱書きの意味と起源

朱書きには赤字で書くことで目立たせる意味があります。朱書きの読み方は「しゅがき」です。「しゅしょ」と読むこともできます。封筒だけでなく、はがきに書くこともできます。また、訂正するときにも朱書きを使います。

それにしても、赤字で書くのになぜ朱書きというのでしょうか?朱書きの起源を考えるには、ペンができる前の時代に遡ってみる必要があります。ペンができる以前、墨汁を使って書いていました。その際、朱液を使って目立たせるようにしていたことが朱書きの由来なのです。現在は赤字で書くようになっています。

朱書きはなぜ書くのか

封筒に「親展」、年賀はがきに「年賀」と朱書きすれば目立ちます。朱書きは、郵便物を受け取った相手がどんな郵便物を受け取ったのかが理解するために行います。

例えば親展と朱書きしてあれば、郵便物を受け取った名宛人しか開封することができません。ダイレクトメールに重要と朱書きしてあれば、他の広告よりも重要な内容だと受け取ってもらえます。このように、朱書きにはどんな郵便物か、相手に知らせるメッセージの役割があるのです。

朱書きの「在中」の役割とは?

朱書きには履歴書在中や請求書在中という書き方もあります。郵便物を目立たせるという意味では、「親展」「重要」と同じ効果を持ちます。ただ、履歴書や請求書といった書類を確実に相手に開封してもらうために、具体的な書類名を朱書きして送るのです。

例えば履歴書を入れた封筒に「重要」と書いても、重要な書類だなと思わせることはできても、履歴書が入っていることは分かりませんよね。封筒を採用担当者宛てに送り、確実に開封して中身を見てもらうためにも履歴書在中と書いて送るわけです。採用担当者は、数十~数百単位の書類を受け取るのですから、見落とされることがないよう朱書きします。

朱書きの書き方

実際に朱書きを書くときのやり方を確認していきます。

朱書きは赤ペンで書く

封筒や葉書に朱書きを書くときは、赤いペンで書きます。ボールペンだけでなく、サインペンを使っても構いません。ただし水性のサインペンは使わないようにしましょう。水性サインペンは、封筒の中の書類にインクが染み込んだり、雨の日に塗れてにじんだりすることがあります。サインペンは油性を使って下さい。

朱書きには書く場所が決まっている

朱書きは書く場所が決まっています。封筒の表側の左下に記入するのがルールです。また、縦書きの場合は朱書きも縦書き、横書きの場合は朱書きも横書きにすることがマナーとなります。

朱書きでは定規を使う

封筒に「速達」「重要」「履歴書在中」などと朱書きするとき、書いた部分は定規を使って囲むようにして下さい。歪んでしまうと失礼になりますから、定規を使ってしっかりと線を引きましょう。そもそも朱書きは強調するために書くのですから、枠が歪むと目立ってしまいます。

朱書きを使った訂正の仕方

朱書きは、「親展」「重要」「履歴書在中」と封筒や葉書に書いて目立たせることができるものでした。

しかし訂正するときにも朱書きが使えます。書類の中の文章を訂正するとき、赤字で二重線を引いて、訂正前の文章を見えるようにするのが朱書きを使った訂正です。朱書きの訂正では、訂正した文章の上に訂正印を押すのが一般的です。

朱書きの訂正例

朱書きで訂正できることが分かりました。朱書きの訂正例として、文章や脱字、数字の訂正例を具体的に確認していきます。

文章や文字の訂正

書類の文章や文字に誤字があったときに朱書きで訂正するときのやり方です。文章全てを訂正するときは、最初から最後まで朱書きして訂正します。文章の中の表現の誤字を訂正するときは、間違った個所だけを朱書きすれば良いです。以下の例で見てみましょう。

【訂正前】パソコンを使って報告書を書いた。
【訂正後】スマホを使って報告書を書いた。

報告書を書く手段について、パソコンが誤りでスマホが正しいとき、文章全体を直す必要はありません。訂正したい「パソコン」という言葉を二重線で朱書きして、横書きなら訂正箇所の上に「スマホ」と書いて下さい。縦書きの場合は訂正箇所の右に「スマホ」と書きます。

なお、訂正は間違った文字だけを訂正すれば良いです。つまり、「報告書」ではなく「始末書」に訂正したい場合、「報告書」という言葉に朱書きするのではなく、「報告」という言葉に二重線を引くだけで構わないのです。

脱字の訂正

訂正には誤字だけでなく脱字もあります。脱字の場合、どのように朱書きで訂正するかを確認しましょう。

脱字の訂正では二重線は不要です。朱書きで言葉をつけ足して脱字を補強して下さい。「スマを使って報告書を書いた」と書いてしまったとき、「スマ」と「を」の間に朱書きで「ホ」を書き入れて下さい。

誤字のときと同様、横書きの場合は訂正箇所の上に、縦書きの場合は訂正箇所の右に書くようにします。

数字の訂正

数字の誤字を訂正するときは、文字の訂正とやり方が違います。文字では、間違えた箇所だけに二重線を引くだけで構いませんでした。数字の場合は該当する数字全部に二重線を引かなくてはなりません。

例えば「500」を「300」に訂正したいとき、「5」に二重線を引くだけでは不十分なのです。「500」に二重線を引き、「300」という正しい数字を訂正するようにして下さい。 数字は文字と違って分かりにくいため、数字全部を訂正する必要があるわけですね。

先の例でいえば、「500」ではなく「303」が正しいとします。「5」と下一桁の「0」のそれぞれに二重線を引いて訂正して朱書きすると、文章を読む方が正しい数字を認識しにくくなります。間違いをなくすためにも、数字全てを訂正して、正しい数字をはっきり書き直します。

朱書きで注意したいポイント

朱書きについて封筒や葉書に書くとき、訂正するときに分けて説明してきました。朱書きで注意したいポイントを確認していきます。注意ポイントを押さえておかないと、社会人としてビジネスマナーを知らないのか?と思われますので注意して下さい。

人名の朱書きはNG

人名を朱書きで書くことはマナー違反とされます。人の名前を赤い字で書くと「不吉だ」「死を連想する」という伝統が日本にはあります。また、果たし状や絶縁状で人名を朱書きしていたことや、墓石に名前を書き込む朱入れを連想させることもあり、人名は朱書きで書いてはいけません。日本の文化的伝統がビジネスマナーにも色濃く残っています。

親展の朱書きの開封には注意を

親展の意味をご存知ですか?親展は名宛人に開いてもらうことを要求する意味があります。ですから、たとえ家族であっても、親展の封筒を開封することはタブーとされています。職場でも、親展の郵便物が届いたら、「同じ部署だから開封しても良いだろう」と思わずに、必ず名宛人に渡すようにしましょう。

まとめ

朱書きの郵便物は、職場ではよく見ることが多いと思います。採用担当者であれば「履歴書在中」の封筒を見かけることでしょう。

普段何気なく手にしていた朱書きですが、朱書きを書くのは、赤で目立たせることによって、一目でどういう郵便物なのかを理解してもらうという理由がありました。朱書きの書き方については、訂正するときの書き方も含めて解説しましたので、どういう風に書いたら良いかの参考にして下さい。

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