仕事で使う「飛ぶ鳥跡を濁さず」とは?意味・使い方・ケースごとの対処法を紹介

飛ぶ鳥跡を濁さずの記事

「飛ぶ鳥跡を濁さず」ということわざを聞いたことがありますか?これは、引き際を汚さずに美しくするべきだという戒めのことわざです。仕事で「飛ぶ鳥跡を濁さず」という言葉を使うときは、どのような意味で使われるでしょうか。この記事では、飛ぶ鳥跡を濁さずの意味・使い方・そしてケースごとの対処法について紹介します。

目次

「飛ぶ鳥跡を濁さず」の意味とは?

「飛ぶ鳥跡を濁さず」は、引き際を汚さずに美しくするべきだという戒めの意味を持つことわざです。

引き際ということなので、学校を卒業する時、仕事で転勤もしくは退職する時、恋愛関係を終了する時等に使われます。

ジョブくん

ビジネスシーンでは、転勤・出向・退職時に使われることが多いです。

「飛ぶ鳥跡を濁さず」の語源

水鳥は水から飛び立つ時、水面が濁らずきれいな状態を保っています。これが「飛ぶ鳥跡を濁さず」の語源です。

水鳥が水面を汚さないで飛ぶように、人が学校を卒業したり会社を退職したりする時に、後始末をしっかりして去っていくようにしたいという意味で使われるようになりました。

「飛ぶ鳥跡を濁さず」の類語

「飛ぶ鳥跡を濁さず」には、類語として「立つ鳥跡を濁さず」「鷺は立ちての跡を濁さず」といったものがあります。

「飛ぶ鳥跡を濁さず」の使い方・例文

次に「飛ぶ鳥跡を濁さず」の使い方や例文を確認していきましょう。学校・恋愛・結婚、そして仕事の順に解説します。

学校の卒業

学校の卒業で「飛ぶ鳥跡を濁さず」を使う時は、これまで学業の世話になった学校に対して、飛ぶ鳥跡を濁さずの気持ちで教室や部室の清掃をする、というように使われます。

恋愛、結婚

恋愛の別れや離婚のシーンで「飛ぶ鳥跡を濁さず」を使う時は、たとえ相手に対して憎しみがあったとしても、「別れる時くらいは後腐れがないように、飛ぶ鳥跡を濁さずの気持ちでスマートに別れる」…というように使われます。

別れる時にも相手に憎しみをぶつけてしまうと、相手に恨みの感情を抱かせかねません。

仕事の「飛ぶ鳥跡を濁さず」の使い方・例文

最後に、ビジネスシーンにおける「飛ぶ鳥跡を濁さず」の使い方・例文を紹介します。

転勤

転勤する時はこれまでの職場を離れていきますので「飛ぶ鳥跡を濁さずの気持ちで職場をきれいにしてから転勤する」というように使われます。

具体的には、デスク周りのパソコンや机、引き出し等の清掃、職場のゴミ拾い等を行うことがあります。

また、転勤するといっても転勤前の職場の同僚とはビジネスの関係が続きます。世話になった人に対して口頭やメール、チャット等で事前に転勤の挨拶を行うことも、飛ぶ鳥跡を濁さずの気持ちの表れとなります。

転職

転職の際も、基本的には転勤の時と同じやり方で飛ぶ鳥跡を濁さずの気持ちを行動に表します。ただ、

転職は転勤と違って、会社を退職することです。その会社とは関係なくなりますので、人間関係をきれいにしてから退職することが大切です。

転職するということはその会社に対して何らかの不満があって、その不満を解消するために転職する訳です。

だからといって、転職時にその不満を既存社員にぶつけたり、あるいは転職できる自分は偉い人物であるかのような態度で接したりすることは、飛ぶ鳥跡を濁さずに転職するやり方とは言えません。

辞める時は嫌な感情を吐露したい気持ちをぐっと抑えて、世話になった人に挨拶することで人間関係をきれいにしてから転職することがベターです。

不満や嫌な気持ちとは別に、会社を辞める時の後始末をしっかりしたいところです。

仕事で「飛ぶ鳥跡を濁さず」が問題になる理由

飛ぶ鳥跡を濁さずの考え方を誤解してしまうと、ビジネスシーンではしばしば問題になり得ます。

転勤や退職・転職するには、人間関係をスマートにして辞めるだけではありません。

仕事で飛ぶ鳥跡を濁さずが問題になる理由は、仕事の引継ぎを十分にしないことが原因になるのです。

仕事が属人的で本人以外誰も仕事を分からない

仕事が属人的だと転勤する人、辞める人以外誰もその人の仕事のやり方を分かりません。仕事の引継ぎをしっかりしてくれれば良いのですが、引継ぎがないと、仕事が全く進まず仕事に支障をきたすことから問題になります。

転勤なら転勤先に連絡してやり取りをすれば良いと思うかもしれません。しかし、属人的な仕事を対面で引継ぎしてもらうことと、電話やメールで教えてもらうことでは、仕事の理解度が違います。

引継ぎされず有休消化に入る

辞める人が引継ぎせずに有休消化に入ることも、仕事で飛ぶ鳥跡を濁さずに退職・転職できない時の問題の理由となります。

辞める人から、「民法では会社に2週間前に退職する意思を伝えれば、退職できます」という理由で、引継ぎせずに有休消化に入られてしまうと、属人的な仕事と同様に仕事のやり方が分かりませんから、辞めた後に仕事を引継ぐ社員が困ってしまうのです。

職場の労働生産性が低下する

属人的な仕事を引継ぎしないこと、または引継ぎされずに有休消化に入られること、いずれかが起こると職場の労働生産性が低下します。

残された社員は自分の仕事を抱えながら、引継ぎ後の仕事を請け負う訳ですから仕事量が増えます。引継ぎ後の仕事には不慣れなのでミスが起こり、確認作業にも時間を割かれてしまうもの。

元々の自分の仕事の生産性が下がることもあり、その都度、上司が引継ぎを受けた部下の仕事をカバーすることにも繋がり、職場の労働生産性が低下するのです。

コンプライアンス違反を招くことも

仕事で飛ぶ鳥跡を濁さずに退職・転職できない問題は、コンプライアンス違反を招く恐れがあります。

辞める人が在職中に何らかの問題を抱えている場合があります。引継ぎをさせ、現状、抱えている仕事上の問題を洗い出しておかないと、辞める人に解決してもらわなくてはならない問題を残された社員が解決することに。

問題がコンプライアンス違反に触れるものであれば、職場に課される課題は大きくなり、上司のマネジメント責任も問われてしまいます。

飛ぶ鳥跡を濁さず転勤を促す方法

飛ぶ鳥跡を濁さずの考え方を応用すれば、気まずくなりがちな転勤のシーンでも有効に活用することができます。

ここからは、転勤時に問題が起こりにくくなる対処法を紹介していきます。

引継ぎ書を綿密に書いてもらう

引継ぎ書を綿密に書いてもらうことが原則です。

引継ぎ書を綿密に書いてもらえば、残された社員は引継ぎ書を読んで仕事ができます。また、引継ぎ書を綿密に書いてもらうことは、コンプライアンス違反を防ぐ意味もあります。

引継ぎ書には、現在抱えている仕事の問題・課題を記載してもらうのが原則。そこにコンプライアンス違反になるような重要な問題があれば、転勤する前に解決しなくてはなりません。

スケジュール通りに引継ぎしてもらう

転勤する人に引継ぎ書を綿密に書かせたら、次にはスケジュール通りに引継ぎするように促しましょう。

引継ぎを受ける相手のレベルに合わせた柔軟なスケジュール作成と、スケジュール内容の変更が求められます。

飛ぶ鳥跡を濁さず転職・退職する方法

ネガティブな理由で転職・退職する場合は、職場全体に気まずい空気が流れやすいもの。

こちらも飛ぶ鳥跡を濁さずの精神で、スムーズかつ気持ちよく転職・退職できる対処法を教えます。

引継ぎ書を綿密に書いてもらい、また、スケジュール通りに引継ぎしてもらうのは転勤させる方法と同じですが、細かい違いについて解説していきます。

引継ぎのために有給休暇を買い取る

辞める人の退職日が決まり、会社が働き掛けたとしても、どうしても退職日を変えない場合、引継ぎをしてもらうために有給休暇を買い取るという提案方法があります。

これを行えば辞める人は有給休暇を取得せず会社に出勤してくれる可能性が高まるので、引継ぎ対応をしてくれる可能性が高まるでしょう。

ジョブくん

ただし、この交渉が成立するかどうかは、あくまでも退職者との相談次第。相手が拒否しているのに強行処置をとることは絶対にやめましょう。

悪質な引継ぎ拒否は懲戒処分を検討する

引継ぎをせずに退職しようとする人に対して、会社側は「辞めるな」と強制することはできません。

退職は労働者の権利であり、引継ぎの有無に関してはあくまでも退職者に委ねられるからです。

しかし、悪質なケースの場合は、引継ぎしないことをもって懲戒処分にすること自体は可能です。

「会社のセキュリティーに関する重大な項目をあえて隠している」など、将来的なリスクに発展しそうなケースでは、強行的な処置をとる必要があるかもしれません。

退職後の損害賠償を検討する

会社がどれだけ働き掛けても辞める人が引継ぎしない場合は、弁護士を立てて退職後の損害賠償を行うことを検討するのも一つの手です。

退職後になるので引継ぎをしてもらえなくなりますが、勝訴か和解すれば会社が被った被害を金銭で解決することができます。

「退職者が会社に損害を与える目的で、わざと引き継ぎを拒否している」など、明確な悪意性があるならば、個人を相手に損害賠償請求をすることも可能です。

ただし、確実に泥沼化してしまううえ、大企業であれば炎上のリスクもあるので、出来る限り穏便に済ませるのが得策です。

ジョブくん

泥沼の闘争になった場合は、飛ぶ鳥跡を濁さずの考え方とは真逆の結果を生み出してしまいます。

まとめ

飛ぶ鳥跡を濁さずという言葉は、引き際を美しく、後始末をするという意味のことわざでした。

仕事で飛ぶ鳥跡を濁さずということわざを使う時、転勤・退職等で使うことが多いです。飛ぶ鳥跡を濁さずに転勤しない、退職しない人に対してネガティブな意味で使われます。

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