賞与にかかる社会保険料について。計算方法などを紹介します。

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賞与に社会保険料がかかることをご存知でしょうか?賞与には月額の給与同様に社会保険料がかかります。社会保険にはいくつかの種類がありますが、社会保険の種類によって社会保険料も異なります。記事では、賞与にかかる社会保険料の計算方法、具体的な事例を元にした社会保険料の計算方法、賞与がある場合のメリット、賞与がない場合のデメリット等について詳しく解説していきます。

賞与にかかる社会保険料について

賞与にかかる社会保険料について
会社で働いていて嬉しいひと時が賞与(ボーナス)をもらう瞬間です。しかし口座に振り込まれた金額を見ると意外と少ないと思った経験はないでしょうか。それもそのはず、額面から所得税や社会保険料が差し引かれているからです。社会保険料とは何か?賞与にも社会保険料がかかる理由などについて詳しく解説していきます。

そもそも社会保険料とは

社会保険には健康保険・厚生年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険があり、それらを総称して社会保険と言います。社会保険を運営するための費用を社会保険料と呼んでいて、労使間で社会保険料を折半しており、そのために労働者は給与から社会保険料が控除されている訳ですね。ただし労災保険については、企業が100%負担しますから労働者の負担はありません。

賞与にも社会保険料がかかる理由

賞与から社会保険料が控除される理由は、毎月の給与だけでなく賞与からも社会保険料を控除するよう法律で定められているからです。

平成15年度以降に総報酬制が導入される

賞与にかかる社会保険料は、元々年収にかかわらず一律1%でした。高い年収の人もそうでない人も一律ということは、低い年収の方が負担が大きくなりますね。その不公平感をなくす意味もあり、平成15年度(2003年)以降に総報酬制が導入されました。総報酬制により、社会保険料が一律に1%という定めがなくなって標準報酬月額を基準に社会保険料を算出する仕組みへと変わりました。

賞与にかかる社会保険料の計算方法

賞与にかかる社会保険料の計算方法
賞与にかかる社会保険料はどのように計算するのでしょうか。具体的な事例を元に社会保険料の仕組み・計算方法を解説していきます。また、どの地域に在住しているか、賞与の額等によってどのくらいの社会保険料が発生するかについて確認していきます。

賞与に関する社会保険料率や上限などについて

賞与に関する社会保険料は、「標準賞与額×保険料率」で計算します。ちなみに標準報酬月額の上限は、厚生年金保険は1ヶ月あたり150万円が上限、健康保険は1ヶ月あたりではなく年度の累計額573万円が上限となっています。

東京都在住で賞与が30万円の場合

東京都在住で賞与が30万円の場合、40歳以下とすると計算方法は以下の通りになります。

・健康保険料:30万円×9.9%×1/2=14,850円
・厚生年金保険料:30万円×18.3%×1/2=27,450円
・介護保険料:40歳以下のため徴収対象外

北海道在住で賞与が20万円の場合

北海道在住で賞与が20万円の場合、40歳以下とすると計算方法は以下の通りになります。

・健康保険料:20万円×10.31%×1/2=10,310円
・厚生年金保険料:20万円×18.3%×1/2=18,300円
・介護保険料:40歳以下のため徴収対象外

京都在住で賞与が50万円の場合

京都府在住で賞与が50万円の場合、40歳以下とすると計算方法は以下の通りになります。

・健康保険料:50万円×10.03%×1/2=25,075円
・厚生年金保険料:50万円×18.3%×1/2=45,750円
・介護保険料:40歳以下のため徴収対象外

賞与にかかる社会保険料の計算シートなども

賞与にかかる社会保険料を計算するための計算シートは、インターネット上にいくつか公表されています。試しに使ってみて使いやすいと思う計算シートを使ってみて下さい。

賞与がある場合のメリットとない場合のデメリット

賞与がある場合のメリットとない場合のデメリット
賞与がある場合のメリット、そして賞与がない場合のデメリットを「労働者側」「企業側」の双方に分けて考えます。

賞与がある場合のメリット

賞与がある場合のメリットを労働者側と企業側に分けて解説します。

1.労働者側
労働者側にとって賞与がある場合のメリットは、生活設計がしやすいことにあります。賞与があれば、貯蓄ができるために突然の出費にも対応できますし「ボーナス払い」という支払いにも対応できます。また、賞与が支給された労働者はモチベーションを高く持って仕事に臨むことができます。

2.企業側
賞与は業績連動型であることが多く、企業の業績に応じて上下させることができます。賞与がなくて月給が高い場合、月給は賞与と異なり容易に下げることができませんから、人件費の調整が困難。そのために企業にとっては、賞与がある方が経営をしやすいということになります。また、人事評価結果が賞与に反映される企業の場合、賞与があれば管理職が組織運営をしやすくなりますし、労働者が仕事へのモチベーションを持つことができます。

賞与がない場合のデメリット

次に賞与がない場合のデメリットを労働者側と企業側に分けて解説します。

1.労働者側
賞与がない場合の労働者にとってのデメリットは、生活設計がしづらいということです。賞与を貯蓄しておけばいざとなった時にまとまったお金を支出することができますが、月給から生活資金を捻出している時は、いざとなった時に必要なお金を貯めておかなくてはなりません。また、賞与がない場合、毎月の給料が高ければ年収にも期待できますがそうではない場合、賞与がないと生活が苦しくなります。さらに労働者は仕事へのモチベーションが上がりません。逆に賞与がなくて月給が高い場合は残業代が高くなるので、労働者の生産性が低下する可能性があります。

2.企業側
企業側にとって賞与がない場合のデメリットは、労働者のモチベーションを上げづらい点にあります。人事評価を通じて労働者に高い評価を与えても、それが賞与という形で反映されないと頑張りが反映されていないように感じます。従って労働者の動機付けに繋がらないことが企業側にとってのデメリットになります。また、賞与がなくて月給が高い企業の場合、残業代が高くついたり業績に応じて月給を上下できないため人件費が高止まりしたりするリスクをはらんでいます。

賃金体系や賃金形態について

賃金体系や賃金形態について
賃金体系や賃金形態の種類と特徴について紹介していきます。

賃金体系の種類と特徴

賃金体系とは賃金がどういう構成要素で成り立っているかを示したもので、基準内賃金と基準外賃金の2種類に分けられます。基準内賃金は「時間外労働の計算の基礎」となる賃金です。基本給・職能給・職能給・役割給等が該当します。基準内賃金は賞与の算定基準に使われる企業もありますが、算定基準として基準内賃金を設定しなくても違法ではありません。

また、基準外賃金は「時間外労働の計算の基礎に含めない賃金」のことを言います。通勤手当・家族手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われる賃金・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金の7つを基準外賃金と定めています。これらを時間外労働の計算の基礎に含めない理由は、個人の事情によるものだからです。

賃金形態の種類と特徴

賃金形態とは賃金をどういう支払い形態にするかを決めるものです。例えば賃金形態の種類には、定額制、年俸制、出来高制等があります。

まとめ

賞与の社会保険料のまとめ
賞与に社会保険がかかる理由、社会保険料の計算方法等について詳しく解説してきました。賞与の額面金額がどのくらい支給されるか分かれば、社会保険料の計算ができるので手取りの金額の参考になります。また、賞与がある場合のメリット、賞与がない場合のデメリットについても労働者・企業側に分けて詳しく解説してきましたので、なぜ企業に賞与があるのかという理由が理解できたと思います。