離職率とは?計算方法や下げるための取り組みなどを紹介

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入社した会社に長年勤める人もいれば、途中で退職してしまう人もいます。近年では、退職するケースも珍しくありません。退職に関係している数値に離職率があります。この記事では離職率の概要から具体的な計算方法、離職率を低下させるための取り組みなどについて解説します。

離職率について

離職率について
まずは、離職率に関してその概要を解説していきます。

離職率とは

離職率とは、簡単に言うと労働者数に対する離職者の割合です。算出する際は、ある時点での従業員数に対して一定期間が経ったタイミングで退職した人の数を利用することになります。なお、「ある時点」と「一定期間」に関しては、期初〜期末の1年間で計算するのが一般的です。しかし、期間自体は自由に設定できるので、例えば入社後3年間の離職率を算出することも可能です。

離職率が注目される背景

企業にとっても求人に応募する人にとっても離職率は重要な数値となります。企業にとっては離職率が高いということはその分採用コストもかかるということであり、経営上の問題になります。また、離職率が低くなれば優秀な人材も集まりやすくなるでしょう。

また、応募者からしてみれば離職率が高い=何かヤバイのではないか? と考えてしまうため、求人に応募することを躊躇してしまいます。

このように、離職率は企業にとっても、求人への応募者にとっても様々な情報を与えてくれる数値であり、重要なものだと言えます。

離職率の基準や計算方法について

離職率は計算によって求めることができます。以下は新卒採用者の離職率の計算方法です。

新卒入社社員の離職率=期間内の新卒入社社員数÷期初における新入社員数×100

ちなみに、中途採用を含んだ全従業員の離職率を求める場合、従業員の入社日が異なるため、計算が難しくなります。そのため、最近では勤続年数別に従業員を分けて離職率を計算する方法なども取り入れられています。

離職率や退職率の平均は?

離職率は平均値も明らかにされています。厚生労働省の「平成29年雇用動向調査結果」によると、平成29年の1年間で離職した人の数は7,345,000人となっており、離職率は14.9%となっています。
単年だけでは高いか低いかを判断することはできませんが、決して少なくない数の人が離職していることがわかります。

定着率を計算するには?

定着率とは、その名の通り、会社を辞めることなく働き続けている人の割合のことです。以下の計算式で求めることができます。

定着率=一定期間内で全日数残った従業員数/一定期間開始時点で雇われた従業員の数×100

ちなみに、離職率も定着率も期間の定め方が重要になります。極端な例を挙げると、離職率の計算に用いる一定期間を1週間に定めると1週間で退職した人がいなければ離職率は0%になってしまいます。
そのため、離職率が低い場合は、どのくらいの期間をもとに計算しているのか、という点をチェックしなければ、本当に離職率が高いのか低いのかを確認するのは難しいでしょう。

離職率が高い企業は危険な可能性が高い

離職率が高い企業は危険な可能性が高い
一般的に離職率が高い企業に対しては「何か危ないのでは?」といったイメージを持っている人が多いのではないかと思います。一概には言えませんが、離職率が高い背景には長時間労働や給料の低さなどが関係している可能性は十分にあり得ます。企業にとっては離職率の高さは企業イメージにもつながるため、低くなるように努力しなければいけません。

ブラック企業の特徴

離職率が高い企業はいわゆるブラック企業である可能性も否定できません。ブラック企業は一般的に以下のような特徴を持っていると考えられます。

・長時間労働
・休日が少ない
・有給が取れない
・薄給
・残業代が出ない
など

このような特徴を持っていると、従業員も働きたいと思えなかったり、他社への転職を考えたりするため、離職率が高くなってしまいます。

そもそも離職率が高くなる原因は?

従業員が会社を辞める理由には様々なものがありますが、厚生労働省発表の「平成29年雇用動向調査結果の概要」によると、会社を辞める主な理由には以下のようなものがありました。

・労働時間、休日等の労働条件が悪かった
・給料等収入が少なかった

離職率が高くなる背景には上記のようなブラック企業体質が関係していることが伺えます。また、近年では、短時間勤務やリモートワークといった多様な働き方をする人もいますが、そういった環境が整備できていない場合も従業員の離職につながる可能性があるでしょう。

企業が離職率を下げるメリットや高くなるデメリット

企業が離職率を下げるメリットや高くなるデメリット
企業にとって離職率が低いに越したことはない、というのはなんとなく理解できるかと思います。では、なぜ低い方がいいのでしょうか。続いては離職率を下げることによるメリットと高くなることによるデメリットについて解説します。

企業が離職率を下げるメリット

企業の離職率が低いと周囲からのイメージが良くなります。辞める人が少ない会社=働きやすい会社、社員も会社が好き、といったイメージを持ってもらえるというわけです。

また、辞める人が少ないので、人員の補充をする必要もなく、採用コストを抑えられるのも大きなメリットだと言えるでしょう。

企業の離職率が高くなるデメリット

一方で、離職率が高いと逆に周囲からのイメージが悪くなってしまいます。先ほども触れているように、たくさんの人が辞めている=ブラック企業なのでは?といったイメージを持たれてしまうのです。
また、離職する人が多くなると会社に残っている従業員の業務量が多くなり、残業が多くなる可能性もあります。さらに人員の入れ替わりが激しいと人間関係の構築も難しくなり、業務をスムーズに行えなかったり、チームワークを発揮できなかったりする恐れもあります。そうなると職場の雰囲気も悪くなってしまうかもしれません。

離職率を下げるための様々な取り組み

離職率を下げるための様々な取り組み
では、企業が離職率を下げるためにはどのような取り組みができるのでしょうか。確認していきましょう。

人事評価制度の見直し

仕事をいくら頑張っても評価されない人事制度だと、従業員は会社を辞めてしまうでしょう。また、給料の低さから辞めてしまう人もいるはずです。そのため、評価制度や給与体系などを見直すことは離職率を下げるためにも重要です。頑張りが評価される仕組みや成果が給料に反映される仕組みになると働きやすくなると考えられます。

教育制度や環境などを充実させる

企業にとって利益を上げることは非常に大切ですが、そのためには優れた人材を育てていく必要があります。新入社員や中堅社員向けの研修、さらには管理職向けの研修など、教育制度を整えることも実は離職率を下げる上では重要なポイントです。教育制度が整備されていれば、従業員は会社に対して「しっかりと育てようとしてくれている」と感じることができるでしょう。

また、教育制度と同時に社内の雰囲気作りも大切です。例えば、わからないことがあればいつでも質問できる環境や年齢に関係なく意見を言える環境があると、入社したての社員や年次の若い社員も働きにくさを感じることはないでしょう。

働き方の自由度をあげる

先ほども触れているように、リモートワークや時短勤務など近年では様々な働き方をする人が出てきています。従業員によっては子育てや介護、さらには副業をしたいと考えている人もいます。そういった人たちのニーズに応えられるような働き方の制度を作ることができれば、従業員も会社に残ることができるでしょう。自由度の高い働き方が可能な会社はまだまだ少ないため、早いうちに制度を作っておけば、離職率の低下はもちろん求人への応募も増えるかもしれません。

待遇や福利厚生の見直し

給料やボーナス、福利厚生も働く上では非常に重要なポイントです。例えば、通勤手当や家賃補助、資格取得支援などがあるのとないのとでは大きな違いがあります。また、懇親会費用の一部補助や部活動を展開している企業などもあります。福利厚生や給料が充実することで毎日の生活が送りやすくなるほか、従業員間の仲を深めることも可能でしょう。

社内でのコミュニケーションを活性化させる

上司や部下といった立場に関係なく、社内でのコミュニケーションが活発に行われるかどうかも離職率低下のためには重要です。コミュニケーションが活性化され、自分の意見や思いを積極的に伝えることができる環境であれば、働きにくさを感じることはないでしょう。逆に意見が言いにくい環境だと、ストレスがたまり仕事に対するモチベーションも下がってしまいます。

まとめ

離職率の計算のまとめ
今回は、離職率の概要から計算方法、離職率の高い会社の特徴や離職率低下のための取り組みなどについて解説しました。現在では転職をすることが珍しくないため、どのような会社でも離職自体は起こる可能性があります。しかし、従業員にとって会社が魅力的なものであれば、離職率を下げることは十分可能です。まずは自社の離職率を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。