収入印紙とは?金額の種類や収入印紙が必要かどうかの判断について

収入印紙!名前だけはなんとなく聞いたことのあるビジネスパーソンも多いと思います。ですが、「収入印紙って実際に何のために使うの?」と聞かれても答えにくい人が多いのではないでしょうか。収入印紙とは何か?なぜ必要なのか?収入印紙が必要な契約書とは?等、ビジネスパーソンが気になる収入印紙のあれこれについてまとめました。
目次

収入印紙とは

収入印紙とは
収入印紙とは、課税文書と呼ばれる書類を発行する際に税金を納めるために使われる証票のことです。収入印紙の見た目は切手に似ています。

収入印紙が必要な理由

収入印紙は課税文書と呼ばれる書類を発行する時、税金を納めるために必要なものです。ですから、課税文書に収入印紙を貼付しないと、税金を納めていないことになるので必ず貼付します。課税文書とは印紙税が課税される対象となる契約書や受取書のことを言います。例えば不動産売買契約書、運送契約書のような契約書、5万円以上の金額が記載されている領収書がそれに該当します。

印紙税を負担する人

課税文書を発行する時に納める税金を印紙税と言います。印紙税を負担するのは書類を作成した人でしょうか?それとも受け取った人でしょうか?印紙税法によると、印紙税を負担するのは課税文書を作成した人となります。ただし課税文書を共同で作成した時に限り、連帯して双方が印紙税を納める義務があります。

収入印紙の金額の種類や買い方など

収入印紙には全部で31種類もあることをご存知でしょうか?収入印紙の金額は1円から310,000円までの31種類となります。よく使われる収入印紙は200円、4,000円、40,000円の3種類です。それぞれ、どんな課税文書に使われる収入印紙なのか、以下をご覧下さい。

・200円:5万円以上の金額の記載のある領収書
・4,000円:会社間の取引基本契約書
・40,000円:会社設立時の定款

収入印紙はどこで買えるでしょうか?郵便局で買える他、意外にもコンビニで収入印紙を買うことができます。その他、書店・金券ショップ・市役所・デパート等でも収入印紙を購入することができます。全ての金額の収入印紙を売っているとは限らないので、収入印紙が必要な場合は事前に問い合わせておきましょう。

収入印紙の貼り付けが必要かどうかの判断

収入印紙の貼り付けが必要かどうかの判断
契約書を作成した時、この書類には収入印紙の貼付が必要なのかどうか判断に迷うと思います。どんな時に収入印紙を貼付したら良いか、判断するための基準を以下の通りまとめました。

課税文書に該当する場合は貼り付けが必要

これまで述べてきたように、課税文書に該当する場合は収入印紙を貼り付ける必要があります。課税文書に該当する文書かどうかの判断は、国税庁より以下の通り掲載されています。次の3つ全てにあてはまる文書が課税文書と言われます。

・印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により 証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
・当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
・印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。

収入印紙の貼り付けが必要な金額は(領収書の場合)?

領収書のうち、収入印紙の貼り付けが必要な金額は50,000円以上の金額が記載されている領収書です。

収入印紙金額一覧(領収書の場合)

領収書に収入印紙を貼り付ける場合、印紙にかかる金額はいくらなのか以下の通り一覧で示しました。

・5万円未満:非課税
・100万円以下:200円
・100万円超~200万円以下:400円
・200万円超~300万円以下:600円
・300万円超~500万円以下:1000円
・500万円超~1000万円以下:2,000円
・1000万円超~2000万円以下:4,000円
・2000万円超~3000万円以下:6,000円
・3000万円超~5000万円以下:1万円
・5000万円超~1億円以下:2万円
・1億円超~2億円以下:4万円
・2億円超~3億円以下:6万円
・3億円超~5億円以下:10万円
・5億円超~10億円以下:15万円
・10億円超:20万円
・金額の記載がないもの:200円

非課税文書と不課税文書の場合は必要なし

印紙税法では非課税文書と不課税文書があります。これらの文書に該当する場合、収入印紙の貼付は不要です。

収入印紙の金額に消費税は含まれるか

収入印紙の金額に消費税は含まれるか
2019年10月に消費税が10%まで増税されましたが、収入印紙の受取金額に消費税は含まれるのでしょうか?結論から言うと、契約書・領収書に消費税の金額を分けて記載している時は記載金額に消費税は含まれませんが、区分されていない時は記載金額に消費税分も含めることになります。

消費税を含まないで判断できるケース

消費税を含まないで判断できるケースとしては、以下の文書があります。

・不動産の譲渡等に関する契約書
・請負に関する契約書
・金銭または有価証券の受取書

収入印紙が必要な契約書について

収入印紙が必要な契約書について
収入印紙が必要な契約書について具体例を挙げながら解説します。

課税される契約書の種類と収入印紙金額(国税庁より)

契約書の身近な例として、不動産売買契約書があります。家を売買する時に使われる契約書ですね。例えば4千万円の家を買うとすると、不動産売買契約書には2万円の収入印紙を貼付しなければなりません。その他、契約書ごとのデータについては以下の国税庁ホームページをご参照下さい。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7141.htm

電子的な方法で契約書が発行された場合

これまでの説明で、記載金額に応じて契約書に収入印紙を貼付することは分かりましたが、電子的な方法で契約書が発行された場合はどうなのでしょうか。法律上、課税文書とは「書面文書」のことを指し、電子文書は含まれないと定められています。従って、電子的な方法で契約書が発行された場合、収入印紙の貼付は不要となります。電子的な方法で契約書を取り交わせば収入印紙代の削減になります。

収入印紙の割り印や消印について

収入印紙の割り印や消印について
収入印紙を貼付する際には割り印や消印をする必要がありますが、どんな目的で割り印や消印するのか、その方法について説明します。

割り印の目的

割り印の目的は、2通以上の独立した契約書等の文書がある時に、同一であることや関連があることを示すために押します。

割り印のしかたや注意点

割り印のやり方として、2通以上の契約書にまたがるように押します。またがるように押せば同一であったり関連があったりする文書であることが分かります。割り印は2通以上にまたがって押しますから、押しづらいところが注意点です。捺印用のマットを用意して契約書と契約書の間に段差ができないようにすれば鮮明に押せます。

消印の目的

収入印紙になぜ消印をするのでしょうか。収入印紙は切手に似ていて貼り付けてもはがせば再利用できます。収入印紙を採用されては困るので、収入印紙の再利用を防止するために消印を押す必要があるからです。収入印紙に消印を押すことは印紙税法にて定められています。

消印の方法について

収入印紙と文書にまたがって押します。収入印紙と文書との間に段差は生じにくいので、消印の押し方は割り印ほど難しくありません。

その他、印紙税に関する質問

その他、印紙税に関する質問
収入印紙は印紙税を納付するための証書です。収入印紙についてこれまで説明してきましたが、印紙税について質問が多そうなポイントについて解説します。

印紙税の納付方法

印紙税の納付方法については収入印紙による納付方法があります。課税文書に収入印紙を貼付することで納付できる訳です。印紙税の納付方法として収入印紙が一番スタンダードなやり方と言えます。印紙税による納付方法の他に、「税印押なつによる納付」というやり方もあります。この方法は課税文書に係る印紙税相当額を税務署に支払い、税印押なつ機を設置している税務署に行って税印を押してもらうことで、収入印紙に代えることができます。

誤って納付した印紙税の還付について

課税文書に誤って多くの収入印紙を貼り付けてしまった場合等に、還付を受けることが可能です。還付方法としては、印紙税過誤納確認申請書という書類に記入の上、納税地の税務署長に提出する必要があります。

まとめ

収入印紙の金額のまとめ
収入印紙について、何となく知っていたが曖昧な状態だったことがより鮮明になったのではないでしょうか。契約書や領収書等、ビジネスパーソンが普段よく使っている文書に収入印紙を貼付しなければならない場合があり、収入印紙の金額も様々です。記事では課税文書に該当するか否かについての判断基準を紹介してありますので、自分が関わる文書が課税文書かどうかを見極めて課税文書であれば収入印紙を貼付していきましょう。

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