マーケティング戦略とは?有名な5つのフレームワークと企業の成功事例を紹介!


マーケティングということはビジネスにおいてよく耳にする言葉です。特に、商品やサービスを扱う企業において、マーケティング戦略に基づいたマーケティングを行うことは非常に重要です。一方で、そもそも「マーケティング戦略ってなに?」と思っている人もいるかもしれません。そこで今回はマーケティング戦略がどのようなものなのか解説します。また、戦略立案時に活用できるフレームワークも紹介しているので参考にしてみてください。
目次

マーケティング戦略とは

マーケティング戦略とは
マーケティング戦略とは、企業が市場や消費者の動向や現状、ニーズを分析し、自社が提供する商品やサービスをどうやって展開していくかを考えて実行する戦略のことです。

商品やサービスの売り上げを上げるためには、自社の強みや優位性をしっかりと把握するための分析や調査が必要不可欠です。また、マーケティング戦略を行うためにフレームワークを活用することもあります。

マーケティング戦略が重要な理由

スマートフォンやインターネット、SNSなど発展によって、近年は企業と消費者の接点が今まで以上に増加しています。増加した結果、市場はこれまでよりもより細分化され、広告やコンテンツに求められるものも大きく変わりました。そのため、しっかりと分析を行い、セグメントを特定し、戦略を立案しなければ売れる商品やサービスは誕生しないのです。
そう言った点でマーケティング戦略は非常に重要なものだと言えます。

マーケティング戦略と経営戦略との違い

マーケティング戦略と経営戦略は同じ「戦略」という言葉がついていることもあって、同じようなものと考えているかもしれませんが、厳密には異なります。
マーケティング戦略は、商品やサービスを利用する消費者や市場を創り出すための戦略ですが、経営戦略は企業が経営資源を最適に配分するための戦略です。大きな視点で見ればどちらも企業のための戦略ですが、扱うものが全く別のものなのです。

マーケティング戦略を立案する際の流れ

マーケティング戦略を立案する際の流れ
ここからは、実際にマーケティング戦略を立案する際の具体的な流れについて解説します。

1.市場分析

マーケティングを行う上で、最初に行うのは、市場分析を行うことです。自社を取り巻く周辺環境を把握・分析することで自社の強みがなんなのか、弱みはなんなのか、競合他社との差別化を図るためにはどういった点がポイントになるのか、などを確認し、大まかな方向性を決めることができます。分析を小なうためには、後ほど紹介するフレームワークはもちろん、市場調査も欠かすことができません。

2.ニーズの整理

ある商品を販売する場合、市場には様々なニーズが存在します。ある人は性能を求めるかもしれませんし、またある人は安さを求めるかもしれません。企業はこのような全てのニーズに対応することはできません。そのため、どのようなニーズがあるのか整理したうえで、ニーズをグループに分けていくことになります。
具体的には、性別、年齢、職業、地域といった属性や価値観、行動といった項目で分類することができます。

3.ターゲティング

たくさんのニーズの中から、自社の特徴や強みを踏まえてターゲットを選択します。これをターゲティングと言います。ターゲティングを行なうためには、各グループが持つ顧客や競合他社をしっかりと把握しておく必要があります。

4.ポジショニング

ポジショニングは、商品やサービスを選択してもらうためにターゲットとなる市場において、他社との差別化をはかり、自社のポジションを確立することです。独自性や付加価値、など他社の商品・サービスとの違いが打ち出せるかどうかによってポジショニングも大きく変わってきます。

5.施策の考案

ターゲットを絞り、ポジショニングも決まったら、具体的な施策を考える段階に移ります。この際、4Pや4Cといった観点からマーケティング施策を考えることが重要です。4Pとは、マーケティングの各要素を4つのCで表したものです。


・Product (製品)
・Price (価格)
・Place(流通)
・Promotion(広告)

これらの4つのPの観点から戦略を考えていくことになります。
また、4Cとは以下の4つのCの観点から戦略を立案していきます。

・Customer Value(顧客価値)
・Cost(経費)
・Convenience(入手の容易性)
・Communication(コミュニケーション)

4Pが企業側の視点であるのに対して4Cは消費者側の視点から捉えている点に特徴があります。

6.実行と効果検証

具体的なマーケティング施策が決まったら、実際に実行し、その効果を検証する必要があります。場合によっては、当初設定した目標に届かないといった結果になる可能性もあります。そういった場合はこれまでのプロセスのどこに問題があったのかを分析し修正するようにしましょう。マーケティング戦略は1度考えて終わりではなく、何度もPDCAを回しながら取り組むことが大切です。

マーケティング戦略のフレームワークを紹介

マーケティング戦略のフレームワークを紹介
ここからは、マーケティング戦略を立案する際に活用できるフレームワークを5つ紹介します。どれも有名なものなので、しっかりと押さえておくようにしましょう。

1.4P

先ほども少し触れていますが、4Pは


・Product (製品)
・Price (価格)
・Place(流通)
・Promotion(広告)

の4つの観点から競合他社と比較して商品やサービスの販売方法を考えていくフレームワークです。4つの観点はいずれも人為的なコントロールができるものとなっています。

2.4C

こちらも先ほど紹介したように、4Cは


・Customer Value(顧客価値)
・Cost(経費)
・Convenience(入手の容易性)
・Communication(コミュニケーション)

という4つの消費者側の視点から商品やサービスの分析を行うフレームワークです。ロバート・ラウターボーンによって提唱されました。

3.SWOT分析

SWOT分析は、自社を取り巻く外部環境と内部環境をプラス面とマイナス面にわけて分析するフレームワークです。


・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)

の頭文字をとってSWOTとなっています。主にマーケティングにおける意思決定やけえいい資源の最適化を行いたいときに活用できるフレームワークです。

ちなみに、強みと弱みについては、自社の取り組み次第でコントロールできる内部要因、機会と脅威は政治、経済、社会動向など寺社ではどうしようもない外部要因となります。

4.STP分析

STP分析とは、マーケティング論における権威であるアメリカ人経営学者のフィリップ・コトラーによって提唱されたフレームワークです。


・Segmentation(セグメンテーション):市場細分化
・Targeting(ターゲティング):市場の決定
・Positioning(ポジショニング):立ち位置の明確化

という3つの観点から競合他社との差別化を図るための分析を行う際に活用可能です。

5.PEST分析

PEST分析は、自社を取り巻く外部環境が今、そしてこれから会社にどのような影響を与えるのかを把握、予測するためのフレームワークです。
PESTは、


・Politics(政治)
・Economy(経済)
・Society(社会)
・Technology(技術)

の4つの頭文字をとったものです。

マーケティング戦略を企業の事例ごとに解説!

マーケティング戦略を企業の事例ごとに解説!
最後に、実際に企業が行なっている具体的なマーケティング戦略を紹介します。真似できるものではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。

1.スターバックス

日本でもおなじみのスターバックスには接客マニュアルが存在しません。基本的に、店員が各自で考えて判断し、お客へのおもてなしを行います。例えば、レジで会計をするときのちょっとした会話やカップに描かれているメッセージやイラストなどは、全て各店員の判断によるものです。また、地域コミュニテイとの繋がりも大切にしており、地域のイベントや活動に参加することもあります。このように、決められたマニュアルによる接客ではなく、お客との情緒的な結びつきを大切にしている接客こそ、スターバックスの戦略の1つだと言えます。

2.レッドブル

エナジードリンクの代表的な存在といえるレッドブル。今でこそ世界的にも有名ですが、創業当時はエナジードリンクの試乗すら存在していない状態でした。商品を認知してもらうために、レッドブルが積極的に取り組んだのはスポーツマーケティングです。スノーボードやBMX、サーフィン、エアレースといった比較的マイナーなスポーツのスポンサードを積極的に行うことによって、ファンを獲得し、商品の認知を広げようとしたのです。

通常であれば、スーパーなどの大きな流通網で商品をアピールしようと考えるところですが、あえて有名ではない小さな流通網でファンを獲得してから、商品を口コミで広げていくという戦略をとっている点に特徴があります・

3.スタジオアリス

子供専門の写真館であるスタジオアリスは、最初のスタジオオープンから約20年で売り上げを350円まで伸ばしています。子供の写真館というのは決して大きな市場ではありませんが、取りこぼしをしないように細かく戦略を立てることで、売り上げアップを実現しています。

例えば、毎週火曜日を「マタニティの日」として、妊婦に写真を撮ってもらう機会を創出しています。また、マタニティの日は、先着20名が撮影料無料になるほか、写真立てをプレゼントしてもらえるといった特典もあります。
そのほかにも、ターゲットの範囲を広げ、衣装の取り扱いを増やしていたり、撮影が集中する七五三の撮影の前倒しを提案したりと写真を撮ろうとする人を増やす取り組みを行なっています。

まとめ

マーケティング戦略のまとめ
今回は、マーケティング戦略についてその概要から具体的な流れ、戦略立案時に活用可能なフレームワーク、企業における事例などについて解説しました。企業が商品やサービスを展開する上でマーケティングは必要不可欠です。一方で闇雲に戦略を考えても成果を上げることは難しいでしょう。そこで、今回紹介したようなフレームワークを活用し、自社の立ち位置たターゲット、競合他社との違いを把握し、具体的な戦略を立案するようにしてみてください。

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