ペイロールとは?ペイロール導入の4つメリット・活用事例を解説

ペイロールの記事
ペイロールは給与計算業務に係る業務効率化システムです。給与は毎月決まった日に支払われますので、計画的で、迅速かつ正確な業務遂行が必要になります。一方で給与計算業務は毎月のルーティン作業ですから、できるだけ業務効率化したいところですよね。ペイロールはそのような企業のニーズに応えられるシステムと言えます。記事ではペイロール導入のメリットや活用事例等について解説します。
目次

ペイロールとは?

ペイロールとは?

ペイロールは、給与と給与に関連する業務に対して業務効率化を図ってくれるITシステムです。

給与支払いシステムの総称

ペイロールとは給与支払いシステムの総称です。給与計算業務を始め、賞与、勤怠、社会保険業務、退職金、年末調整等給与に関するあらゆる業務に対して、業務効率化を図ってくれるITシステムです。

給与計算のために、人事労務担当者は、納期に追われながら給与計算業務を行います。給与計算では間違いが許されませんから、正確な入力が必要です。神経を使いながら、納期を考慮しつつ給与計算していかなければならないから大変。しかもルーティン作業ですから業務効率化したいと思いますよね。ペイロールなら給与計算の業務効率化ができます。

また、人事労務担当者は、給与計算の他に勤怠・退職金・年末調整・社会保険等、様々なルーティン作業を担当します。ペイロールは、人事労務担当者の給与計算業務全般について業務負担を軽減し生産性を高めることができます。

ペイロールでできること

ペイロールでできること

ペイロールでできることを具体的に説明します。

給与計算

ペイロールでできることの代表格は給与計算です。ペイロールのシステムによってできることは違いますが、給与計算のためだけのソフトを使うより、退職金や年末調整等と連動して使えるペイロールは担当者の業務負担を軽くします。

社会保険業務サポート

ペイロールの社会保険業務サポートは、社会保険の手続きから届出まで一貫して代行する仕組みです。

勤怠

ペイロールの勤怠は、給与計算と紐づいているため、勤怠はシステムで、給与計算は別の計算ソフトで…といった煩わしい業務の関わりから解放されます。ペイロールならそれぞれの業務を連動してくれるので効率的です。

退職金

退職金もペイロールでできます。退職金は、入社・退職者が出てきた時の他、昇進・昇格者が出てきた時にもポイントの計算等で業務が発生します。ペイロールならそれらの業務を自動化してくれたり、担当者の入力が少なく済んだりします。

年末調整

年末調整もペイロールでできます。年末調整は年に1回で、毎月のルーティン作業ではないものの、社員が多ければ多いほど業務量が多く、業務効率化したい仕事の1つ。年末調整で使う資料の配布や、社員の生命保険資料や住宅ローン控除のチェック等、煩わしい業務をペイロールが代行してくれます。

ペイロール導入の4つのメリット

ペイロール導入の4つのメリット

ペイロールを導入した後の4つのメリットを解説します。

担当者の生産性向上

ペイロールは給与計算業務全般に対して業務効率化を図るので、導入すれば担当者の生産性向上に繋がります。つまり毎月の給与計算の他、退職金や社会保険等、給与計算業務全般に割いていた時間が短縮されますね。労働生産性は、付加価値額÷労働投入量で求めることができます。単純に給与計算業務の労働時間を削減することでき、付加価値(成果)が同じであれば、ペイロール導入後の生産性が向上することが分かります。

人事管理の効率化

ペイロールによって給与計算業務全般が業務効率化されれば、人事管理の効率化にも繋がります。人事管理においては賃金制度の管理があります。「賃金制度を変えたい」「等級制度を変えたい」(等級制度を変えれば賃金制度も紐づいて、変更される可能性がある)と思った時に、給与計算も退職金もペイロールで一元管理されていれば、制度改定がやりやすいです。

効果的な人材活用

ペイロールを導入することで給与計算業務に割り当てていた時間が削減されれば、担当者は空いた時間を他の業務に割り振ることができます。そうすれば、担当者は違う仕事に挑戦することができ、違う仕事を遂行していくことで能力が高まり、効果的な人材活用に繋がっていきます。

事例で説明します。ペイロールを導入したことで、給与計算や社会保険等に割いていた毎月のルーティン作業が効率的にできるようになった担当者。そのため上司は担当者に対して、懸案だったが時間がなくできなかった人事評価制度の手直しを依頼することができるようになりました。担当者は初めて担当する制度構築の仕事に、上司と共に悪戦苦闘しながらも遂行し、職務の幅が広がりキャリアアップに繋がりました。このようにペイロールを導入すれば、担当者が空いた時間を他の業務を遂行することに使えるので人材活用になるのです。

業務の属人化防止

「Aさんがインフルエンザで5日間休みになってしまった。給与計算はAさんに任せているので分からない」ということはありがちですね。業務の属人化を改めずにいると、急な病欠や出張、突発業務に対応しきれなくなります。ペイロールを導入すれば、業務が可視化され、やりやすくもなるので業務の属人化防止になります。

ペイロール導入時の注意点

ペイロール導入時の注意点

ペイロール導入時の注意点について説明します。

コストがかかる

システムを導入するのでコストがかかります。イニシャルコスト・ランニングコスト共にかかります。従って、コストとパフォーマンスを見比べて自社に合うペイロールを選ぶべきです。ペイロールは給与計算・社会保険業務・勤怠・退職金業務に対応できるのですが、自社に合う項目は何かを検討します。

ペイロールでできるものを全て導入すれば便利ですが、お金がかかりますから、自社に合うものを選択して導入する必要があります。例えば、社会保険業務をペイロールにやってもらうと、手続きから届出までやってくれるものがあるので便利ですが、人材が介入するためそれだけコストがかさむのです。やってもらいたい業務か否か、コストメリットを考慮した上でペイロールを導入するべきです。

導入後のシミュレーションをしておく

ペイロールを導入する時は導入後のシミュレーションをしておく必要があります。便利だからといって、業者に提案されるがままに導入するのではなく、「導入したら給与計算はこのくらい効率化される」というように、業務効率化の程度を図る必要があるのです。シミュレーションをなおざりにしてしまうと、導入後に現場が混乱します。給与や社会保険は社員全体に影響がありますので、シミュレーションを確実に行います。

ペイロールの活用事例

ペイロールの活用事例

ペイロールのメリットや注意点について知ったところで、活用事例を説明しますのでペイロール導入のイメージを膨らませて下さい。

給与計算

ペイロールの給与計算業務では、給与計算の他に退職金や年末調整等ができます。例えば、等級が昇格した社員について、給与計算で昇給させます。等級が昇格すると退職金のポイントが上昇するケースがありますが、ペイロールでは一元管理しているので、担当者が入力業務に時間をかけることなく計算されます。このように、ペイロールを使えば、複数の業務に横断的に自動化されるので効率的な作業ができます。

社会保険

ペイロールの社会保険業務では、社会保険業務が効率化されます。社員の出入りが多い企業においては、社会保険の手続きに担当者の時間が多く割かれます。社会保険は行政に手続きをしなくてはならないので、書類作成と共に届出の面倒さがあります。ペイロールでは社会保障業務を社労士事務所等に外注化しているため、担当者が手続き・届出に赴かなくても良いので、業務効率化を図れるでしょう。

解禁が待たれるペイロールカードについて

解禁が待たれるペイロールカードについて

ペイロールという給与支払いシステムについて説明しましたが、ペイロールカードというペイロールと名前の似たカードがあるので説明します。ペイロールカードは、海外ではお馴染みになりつつあり、給与支払い先としてのプリペイドカードのことを言います。まだ日本では解禁されていませんが、口座開設できない外国人にもカードがあれば企業が給与を支払われるメリットがあります。

銀行口座ではない給与振込先

労働基準法において、給与の支払いは現金払いとなっていて、例外的に銀行口座への振り込みが認められていますよね。ペイロールカードは、給与の支払先を広げて銀行口座を開設しなくてもペイロールカードを給与の支払い先にするというものです。口座開設できない外国人にも、カードさえあれば給与が支払えるので便利です。

一方、厚生労働省は労働者保護の観点からペイロールカードの解禁には慎重です。外国人への給与支払いの観点でペイロールカードにメリットがあるとしても、カードを使えるようにするなら日本人も含め労働者全体でペイロールカードを使えなくてはならないとするスタンスで、まだ議論の余地がありそうです。

まとめ

ペイロールのまとめ

ペイロールは給与支払いシステムの総称で、給与計算業務全般の業務効率化を図れます。メリットとしては、担当者の生産性向上・人事管理の効率化・効果的な人材活用・業務の属人化防止等が挙げられます。

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