レコグニションとは?意味・メリット・構築するためのポイントを紹介

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レコグニション(recognition)とは、承認・認識といった意味を持つ用語です。人材マネジメントでは企業が社員の取り組みに対して承認する、あるいは社員同士で承認し合うことの意味として、レコグニションが使われます。レコグニションを導入することで得られるメリット、レコグニションを構築するためのポイントを紹介します。

レコグニションとは?

レコグニション(recognition)とは、承認・認識といった意味を持つ用語です。人材マネジメントの観点で言うと、企業が社員の取り組みに対して承認するレコグニション、また、社員同士で承認し合うレコグニションまで様々です。

レコグニションの例

レコグニションの例として、勤続表彰制度や業績表彰制度、資格取得奨励制度等の制度があります。社員同士で承認し合うレコグニションとして、ソーシャルレコグニションがあります。これは、社員の良いところを社員同士で褒め合うという制度で、サンクスカードやピアボーナスといったものがあります。

レコグニションとリワードとの違い

レコグニションは社員の取り組みに対して承認したり、あるいは社員同士で承認し合ったりすることです。そこには必ずしも金銭が発生する訳ではありません。一方、リワードは金銭的報酬を必ず伴います。例えば、賞与がそれに該当します。賞与は人事評価に基づいて支給されることが多く、社員の成果に対して金銭で報いるリワードに含まれます。

レコグニションが求められる背景

なぜ、企業においてレコグニションが求められるのでしょうか?リワードだけでは不十分なのでしょうか?2つの観点で説明します。

外発的動機づけだけでは不十分

仕事の成果に対して金銭で報酬を与えられれば、社員は自身の成果に対して報いて欲しいと更にがんばろうとします。人事評価に基づく昇給や昇格も同様で、成果が賃金・賞与に変わることは働く上での動機づけとなります。これを外発的動機づけと言います。自分の中から働く動機を高めるのではなく、企業や上司である他者からの金銭的報酬によって動機を高めるので外発的動機づけという名称が付いています。

外発的動機づけに対して内発的動機づけという言葉もあり、こちらがレコグニションに関係します。『人を伸ばす力』において心理学者のエドワード・デシは、内発的動機づけを「活動それ自体に内在する報酬のために行う行為の過程」と説明しています。つまり内発的動機づけをビジネスで使うと、仕事そのものの面白さのために仕事をするということ。内発的動機づけの方がビジネスではモチベーション向上に役立つと言われます。

働き方改革による企業の労働生産性の向上が求められていますが、社員のモチベーション向上に繋がるのが内発的動機づけなのですから、外発的動機づけだけでは生産性向上には不十分だと言えます。レコグニションは社員の取り組みに対して承認したり、あるいは社員同士で承認し合ったりすることで、承認されることで社員は仕事そのものが面白いと感じるようになり、モチベーション向上に繋がっていきます。

優秀な人材を確保したい

人手不足と言われますが、帝国データバンクの調査「人手不足に対する企業の動向調査(2020年1月)」によると、正社員が不足している企業は49.5%となり、半数の企業が人手不足を感じています。優秀な人材となるとそれこそ確保は難しくなります。賃金や賞与だけでなく、社員がモチベーションを高める制度や組織風土を持っていれば他社と差別化できます。それにより他社よりも優秀な人材を確保できるでしょう。

レコグニションのメリット

レコグニションのメリットを紹介します。

社員のエンゲージメントが高まる

仕事そのものが面白いと感じる内発的動機づけが高まれば、その企業で働くことに喜びを感じることにも繋がり、結果的には帰属意識を通じたエンゲージメント向上にも繋がります。

マネジメントで活用できる

レコグニションには業績表彰制度、資格取得奨励制度の他にソーシャルレコグニション等があります。レコグニションはマネジメントで活用できます。管理職が部下に対して業績表彰制度を活用して仕事で成果を上げようと伝えれば、部下は意欲をもって業務遂行に取り組みます。また、ソーシャルレコグニションを使って、社員から褒めてもらえた部下を評価し、人材育成に繋げていけば組織力が高まります。

社員の離職防止になる

レコグニションは優秀な人材を確保するために行う目的がありますが、優秀な人材が魅力だと感じることは、既存社員にとっても魅力的に映ります。つまり社員の離職防止になります。賃金だけでなく、レコグニションにより社員がモチベーションを高く保って仕事に邁進し、エンゲージメントをもって働くようになれば、既存社員も転職せずに企業に定着しようと思います。

社員同士の横の繋がりができる

ソーシャルレコグニションに顕著ですが、社員同士で褒め合うレコグニションは、他者のために働きたい、がんばりたいという気持ちを促します。見返りを求めるのではなく利他性が働きますので、社員同士の横の繋がりができる効果があります。

労働生産性が高まる

働き方改革関連法案が施行し、2020年4月より残業規制ルールが中小企業にも適用されることになり、労働生産性の向上は企業にとってますます重要となります。レコグニションでは業績表彰制度やソーシャルレコグニションがあります。生産性の向上に対して承認し合うようになるので、労働生産性の向上に繋がります。レコグニションは内発的動機づけが高まるため、仕事への集中力も高まるでしょう。

顧客満足度が高まる

レコグニションは顧客満足度が向上するメリットがあります。ビジネスは自分のためだけに行うのではなく、顧客に向けられています。顧客が満足するために何ができるか?を、仕事を通じて考え、実践することが顧客満足度向上に繋がります。ソーシャルレコグニションにより顧客満足度を高めるために行動した社員を評価するようになっていくので、レコグニションは顧客満足度向上に貢献するのです。

レコグニションを構築するためのポイント

最後にレコグニションを構築するためのポイントを解説します。

レコグニションの基準を構築する

レコグニションを構築するために、まずは基準を構築することから始めていきます。基準を構築するとは、レコグニションをどんな制度にするのかということを決めることです。ソーシャルレコグニションにするのか、勤続表彰制度にするのかといった制度の方向性を決めるのです。制度の方向性が決まれば、各論に入っていきますが、いつ制度をスタートさせるのか、対象範囲はどうするのかといったことも併せて決めていきます。

レコグニションの対象範囲の明確化

制度を決めるにあたって、一部の社員だけを対象にすることはレコグニションにメリットをもたらしません。一部の社員を対象にすると、対象外の社員はエンゲージメントが高まりませんし、対象外社員にとっては、社員同士の横の繋がりや労働生産性の向上等は望むべくもありません。従って、レコグニションの対象範囲を全社員対象とするように明確化しておきます。

管理職がマネジメントするのは優秀な人材だけではありませんし、彼ら彼女らに成果を上げてもらい、会社に帰属意識を持ってもらうためにも全社員対象として、それぞれが成果を上げてもらうことが求められます。

効果を確認し見直しする

レコグニションは、制度を運用すれば終わりではありません。運用スタート後の効果を確認し、問題があれば柔軟に見直しします。その際、社内のレコグニションの目的を再度確認した上で、目的から外れていれば目的に合うように軌道修正します。

まとめ

レコグニションは、企業が社員の取り組みや成果を承認し、あるいは社員同士で承認し合う制度です。モチベーションや労働生産性の向上、エンゲージメント向上が求められる中、賃金・賞与だけでなく、内発的動機づけを高めることができるレコグニションはますます注目されていくでしょう。