男性でも育児休業は取れるのか?期間・取得率・育児休業促進制度を紹介

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ワークライフバランスがビジネスパーソンの間で浸透し、女性だけでなく男性も育児休業が取れるかどうかが注目されるようになりました。結論から言えば男性でも育児休業を取ることは可能です。記事では、男性でも育児休業取得率や男性と女性の育児休業期間の違い、男性の育児休業を促進する制度等、男性の育児休業を巡る基本的な内容を解説していきます。

男性でも育児休業は取れるのか?

男性でも育児休業を取得することは可能です。育児休業は育休という言い方をしますが、育児休業と育児休暇では意味が違います。

育児休業とは?

育児休業とは、育児・介護休業法に基づき1歳未満の子どもを養育する場合に取得できる休業のこと。男女問わず取得することができます。企業は、従業員から育児休業取得の申請があった場合、原則として拒否することができません。育児休業を取得できる従業員の条件は次の通りです。条件をご覧頂ければ分かる通り、育児休業は性別による条件は付いておらず、男性でも育児休業を取得することは可能です。

・日々雇入れられる者でない
・同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
・1週間の所定労働日数が3日以上であること
・申請日から1年以内に雇用期間が終了しないこと

育児休暇との違い

育児休業と似た言葉に育児休暇があります。こちらも従業員が育児をする場合に与えられる休暇です。育児休業が法律で定められた制度であるのに対し、育児休暇は企業が独自に設定する制度です。育児休暇は、育児休業の条件にあてはまらない従業員に対しても休暇を付与することで、人材の定着やエンゲージメント向上を図ることができます。

男性の育児休業取得率の現状

男性の育児休業取得率は、平成29年度雇用均等基本調査によると5.14%とかなり低い割合に留まっています。女性の育児休業取得率が83.2%であることに比べるとかなり低い数字ですね。ただ、10年前の平成19年度と比較すると、当時は1.56%の取得率でしたので、緩やかながら割合が高まってきていることが分かります。

男性の育児休業期間について

女性と男性の育児休業期間についていくつかの違いがあります。

女性と男性の育児休業期間の違い

女性の育児休業期間は、産後休暇が終了した後、子どもが1歳に達するまでの期間となります。対する男性の育児休業期間は、子どもが出生した日から1歳に達するまでの期間です。ただし子どもが保育園に入園できなかった場合は、1歳6か月まで育児休業期間を延長することができます。尚、1歳6か月になっても入園できない時、さらに子どもが2歳になるまで延長可能となっています。

専業主婦でも育児休業は取得できる

妻が専業主婦の場合、妻が育児に専念できる訳ですから育児休業を取得できないと思われがちです。しかし、専業主婦でも育児休業は取得できます。妻が専業主婦の労働者から育児休業したい申し出があった時、企業は申請を拒むことができません。

男性の育児休業を促進する制度

前項で男性従業員が2度目の育児休業を取得できることを説明しましたが、それ以外にも男性の育児休業を促進する制度があります。

パパ休暇

パパ休暇とは、パパ(男性従業員)が育児休業を2度、取得できる制度のこと。パパ休暇は男性の育児休業取得促進として設けられています。2度目の育児休業は、1度目と合わせて合計1年を超えない範囲で取得できるものです。

パパ休暇は、妻の出産後8週間以内に男性が育児休業を取得した時、男性は2度目の育児休業を取得することができます。2度目の育児休業を取得することに対しては、1度目の育児休業が妻の出産後8週間以内に終了しさえすればどんな理由でも取得することは可能です。

パパ・ママ育休プラス

パパ・ママ育休プラスは、ママだけでなくパパ(男性従業員)が育児休業を取得した際、1年間の育児休業を2か月延長し、子どもが1歳2か月になるまで育児休業できる制度です。パパ・ママ育休プラスは、育児休業期間が2か月延びる訳ではなく、1歳2か月の間に、パパママが1年間の育児休業を取得して良いという制度です。育児休業期間が1年間であることには変わりありません。もちろん、妻が専業主婦であってもパパ・ママ育休プラスは適用されます。

両立支援等助成金

厚生労働省では、男性の育児休業取得促進のため、企業に助成金を支給することにしています。両立支援等助成金・出生時両立支援コースでは、育児休業を取得した従業員1人目に対し、中小企業には57万円、それ以外の企業には28.5万円の助成金が支給されます。2人目以降は育児休業期間に応じて助成金の額が決まります。助成金が支給されることで、企業内で男性の育児休業取得促進が進むことを狙った制度です。

男性の育児休業給付金について

男性は育児休業給付金を受け取ることができます。男性の育児休業給付金について基礎的なことを説明します。

育児休業給付金とは?

育児休業給付金とは、従業員が育児休業を取得した時に支給されるものです。雇用保険の被保険者に対して支給されます。支給される金額は、育児休業開始時の報酬日額の67%です。ただし181日目以降は50%に減額されます。育児休業期間に支給されるので、子どもが1歳未満の間に支給されます。保育園が見つからないことによる給付金の延長があった時は、給付金の支給も同時に延長されます。

男性でも育児休業給付金を受け取れる

育児休業給付金は男性でも受け取ることができます。育児休業給付金は、被保険者が1歳未満の子どもを養育する時で、育児休業をスタートする前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることが条件となって給付されます。また、育児休業期間中の1か月ごとに、休業開始前の1か月当たり賃金の80%以上の賃金が支払われていないことも条件です。

従って、これらの条件を満たせば、男性・女性を問わず育児休業給付金を受け取ることができるのです。尚、育児休業には子どもが保育園に入園できないことによって、子どもが2歳になるまで延長できる制度がありました。育児休業給付金も、育児休業が延長している期間、給付金の支給は延長されます。

育児休業給付金の割増があるケース

育児休業給付金は、受け取り方によって割増になるケースがあります。育児休業給付金の支給金額は、180日目までは育児休業開始時の報酬日額の67%、181日以降は育児休業開始時の報酬日額の50%に減額されます。つまり、子どもが1歳になるまで育児休業給付金を支給するとすれば、半年間は67%ですが、残りの半年間は50%に減額されるということです。

しかし、180日目まで報酬日額の67%を支給されるということは、男性従業員が妻と半々で育児休業を取得すれば、1年間にわたって育児休業給付金を67%のまま受給できることになります。つまり育児休業の受け取り方によって、給付金の割増がある仕組みです。これは厚生労働省が説明していることであり、男性の育児休業促進のための給付金の仕組みとなります。

まとめ

育児休業は女性だけのものと思いがちですが、男性も育児休業を取得することが可能です。しかも、妻が専業主婦であっても取れます。男性の育児休業取得率は、わずか5.14%と低い現状があります。政府もこれを男性の育児参加の課題と捉え、男性の育児休業取得促進を狙って、様々な支援をしています。パパ休暇やパパ・ママ育休プラス、育児休業給付金の優遇等がそれに値します。