納品書とは?役割・請求書との違い・作成するときの注意点を解説

注文した商品を受け取ったとき、納品書が同梱されていることがあります。納品書はどういう役割を持っているでしょうか?どのタイミングで発行するのでしょうか?取引における納品書の位置付けを確認しながら、役割や請求書との違い、そして納品書を作成するときの注意点を解説します。

目次

納品書とは?

納品書とは商品を顧客に納品したときに同梱する書類のこと。納品書があれば、顧客と生産者が取引の事実を把握することができます。 取引の流れの中で、納品書がどんなタイミングで発行されるか確認しておきましょう。

ビジネスにおいて、依頼を受けた後の取引の流れは以下のようになっています。取引の流れは生産者視点で記述しています。

  1. 見積書を作成する
  2. 顧客から商品の受注を受ける
  3. 商品を納品し納品書を同梱する
  4. 請求書を発行する
  5. 顧客から入金がある
  6. 領収書を発行する

取引の流れを見ていくと、顧客から受注を受け、商品を納品するタイミングで納品書を同梱し、顧客に渡していることが分かります。

商品といっても種類や数は様々ですから、顧客は納品された商品を見て、注文した内容・数に間違いがないかを確認するのです。商習慣として納品書を発行しますが、法律的に納品書の発行義務はありません。

納品書に書くべき項目

納品書の記載項目は会社のルールで決めることができます。書くべき項目として、例えば以下が挙げられます。

  • 納品書を発行した会社の名称・所在地・電話番号
  • 納品書番号
  • 取引年月日
  • 取引した内容(商品名、数量)
  • 金額(単価、商品ごとの明細、小計、消費税、合計金額)
  • 顧客の社名・所在地

例えばいくつかの商品が納品されたとき、ざっくりと合計金額10,000円と書かれるだけでは、きちんと納品されたかどうかが分かりません。商品の単価や数量、商品ごとの明細が書かれていることで、納品されたか否かの確認ができるのです。

納品書の保管期間

納品書の保管期間は、法人税法により法人は7年間保存する必要があります。なお個人事業主の場合の保管期間は5年間です。

納品書の役割について

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納品書にはどんな役割があるかを確認します。

顧客に納品した事実を知らせる

納品書は商品に同梱され顧客に手渡されます。納品書があれば顧客は納品した事実を知り、また、注文した商品の内容・数が合っているかどうかを確認することができるのです。

在庫管理に役立つ

納品書を発行しておくと、生産者は在庫管理に役立てることができます。納品書の記載項目には取引年月日や取引内容が書かれています。つまり、いつ、どんな商品をどのくらい納品したか、納品書を見れば分かるのです。

製造業ではジャストインタイムのような効率的な生産システムを採用しています。効率的な生産システムと納品書の活用により、生産現場のムダをなくすことができるのです。

顧客を安心させる

納品書を発行すると顧客を安心させられます。もし納品書がなければ、顧客は注文書やメールなどを持ってこなくては確認できません。注文した商品・種類・数量がしっかり手元に届いているかを確認するためにも、納品書の発行は必要なのです。

トラブルを回避する

顧客が発注した商品・種類・数量と、「実際に届いた内容が違う!」というトラブルを防ぐためにも納品書は必要です。

取引の流れを顧客側から考えてみると、見積書を受け取り、商品を発注して、納品書と共に商品を受け取るという流れです。発注した内容と合っているかどうか、納品の段階で顧客が確認できれば無用なトラブルを回避できるのです。

請求内容を確認する

納品書には顧客にとって請求内容を確認する役割もあります。顧客の経理部が請求書を見たとき、納品書によって照合すれば請求内容と納品した内容が合っているかどうかが分かるのです。

納品書と請求書の違い

納品書と請求書の違いについて4つのポイントを確認します。

発行時期による違い

納品書と請求書には発行時期による違いがあります。納品書は商品を納品するときに発行されます。一方、請求書は、納品後に顧客から支払いを受ける前に発行するのです。

役割による違い

納品書の役割には以下のようなものがありました。

  • 顧客に納品した事実を知らせる
  • 在庫管理に役立つ
  • 顧客を安心させる
  • 請求内容を確認する

つまり納品書の役割は商品に同梱して納品し、顧客に注文通りの商品を納品した事実を知らせ、顧客を安心させます。また、納品書によって、顧客は請求書と納品書を照合し、請求内容を確認するのです。

一方で請求書の役割は、生産者が売上代金を正確に、早く回収することです。納品書を発行しただけでは、「顧客が支払いを失念する」「振込口座や支払時期が分からない」といった支払い手続きのデメリットが生じます。 ビジネスの取引は掛けで行われることが多く、現金の回収にタイムラグが発生します。

利益をあげているからといって、生産者の懐に、即座にお金が入ってくるわけではないのです。請求書が持つ現金の早期回収の役割を活かし売上債権を早く現金化したいところです。

会社のルールによる違い

納品書同様、請求書も発行する義務はありません。会社のルールによって請求書や納品書を発行し、あるいは発行を要求されるのです。ただ、前述のように請求書と納品書にはそれぞれ役割があります。生産者もしくは顧客が必要だと感じた場合、請求書も納品書もいずれも発行することとなります。

納品書兼請求書

既存の取引であれば、納品書と請求書は分けて発行します。しかし単発の取引であれば納品書兼請求書を発行することがあります。納品書兼請求書は納品書と請求書が1枚になった書類です。ただ、既存の取引であっても納品ごとに請求するため、コストを削減するためといった理由で納品書兼請求書を発行することがあります。

納品書を作成するときの注意点

納品書を作成するときのいくつかの注意点を確認します。

金額は記載した方が良い

納品書の記載項目は自由に決めることができます。しかし納品書には、請求内容の確認という役割がありますから、金額は記載した方が良いといえます。

納品書に商品名と数量しか書いておらず請求書が別送されてきたら、顧客は請求内容を確認するのに手間取ります。納品書に金額を記載するようにしましょう。

メールで送付することも可

納品書は商品に同梱すると説明しましたがメールで送付しても構いません。納品書を紙で発行しなければ、コスト削減になります。商品が届いたときに、その場で納品書と商品を確認できない不便さはありますが、お互いの取引が慣れてくればメールでも対応してもらえるでしょう。

見積書と内容が一致していること

顧客は納品書を見て、注文した内容が届いたか否かを確認します。しかし、納品書に書かれている商品名や数量、単価などが見積書と違っているとクレームに繋がります。納品書と見積書の内容は一致していることが注意点です。

必ず相手に届けること

納品書は必ず相手に届けましょう。顧客の社名・住所が変わっていることもありますから、最新情報を確認して確実に相手に届けて下さい。メールで納品書を送るときも、アドレスが正しいかを確認の上、送って下さい。

納品書以外に取引で使う書類

福利厚生費とは

納品書や請求書について解説してきました。取引では見積書と領収書も使います。

見積書

見積書は、顧客が注文の意思表示をするための書類です。見積書には有効期限を記載し、実際に顧客が支払うべき金額を詳細に書いておきます。見積書に書かれた内容で顧客が了承すれば、顧客は正式に注文します。

なお見積書は、顧客が社内で決裁を取り付けるときにも使用します。いくつかの生産者から見積書を入手し、価格や商品において顧客にとって都合が良い生産者を選ぶのです。

領収書

領収書は、顧客から支払いがあったことを生産者が証明する書類です。領収書を発行し、顧客が受け取れば取引は完了です。

まとめ

納品書は、商品の納品と共に同梱される書類です。納品書は生産者に発行義務ないものの、生産者・顧客それぞれに必要な役割を担います。納品書を発行した後は、生産者は請求書を送り入金を依頼します。入金を確認したら、生産者は領収書を発行し取引を終了します。

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