ダイナミックプライシングとは?メリット・デメリット・導入方法を解説

ダイナミックプライシングの記事
消費者の需要に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング。メディアを通じてよく耳にするようになってきた用語ですね。ダイナミックプライシングとは何か?意味や必要とされる理由、メリット・デメリット、導入方法を通じて解説します。
目次

ダイナミックプライシングとは?

ダイナミックプライシングの意味、なぜ必要なのかを確認します。

ダイナミックプライシングの意味

ダイナミックプライシングとは消費者の需要に応じて価格を変動させることをいいます。ダイナミックプライシングという用語を聞き慣れない方にとっては、新しい仕組みに思われるかもしれません。しかし、ホテルや飛行機、飲食店の価格設定には、以前よりダイナミックプライシングが使われていました。

例えば繁忙期のホテルや飛行機の価格は高めに設定されていることが多いです。ホテルや航空業界の繁忙期は、利用者が増えるので需要に応じて価格を上げているのです。また、居酒屋のような飲食店では閑散期に早割を行い、価格を引き下げています。需要が下がる時期に価格を下げているわけです。

ダイナミックプライシングが必要な理由

消費者の需要は様々な要因で変化します。ホテルや飛行機の例でいえば、価格が高くなるのは連休を利用して旅行や帰省をしたいからです。旅行や帰省という需要が多ければ、料金を高めに設定しても利用してくれます。また、居酒屋が早割にするのは需要が少ないからです。「~したい」という消費者の需要に応じるため価格を上げているわけです。

また、消費者の需要は、SNS・Twitter・YouTubeでの話題性、周辺イベント、競合などによっても左右されます。様々な要因で変動する需要に対して、AIによって価格を設定するダイナミックプライシングが注目を集めています。ホテルや飛行機の価格は、繁忙期がいつなのかが分かれば設定できます。しかしSNSでの話題性、イベント、競合などの需要は、データを分析しなくては全体が見えてきません。

そこで出てくるのがAIを活用したダイナミックプライシングです。AIを使って多くのデータを分析し、消費者の需要を捉えて柔軟に価格を変動していくのです。

ダイナミックプライシングのメリット

ダイナミックプライシングを使うと、以下のようなメリットがあります。

・収益の最大化
・適切な在庫管理

収益の最大化

ダイナミックプライシングは消費者の需要が多いときは価格を上げ、少ないときは価格を下げてでも収益化します。需要が多いときに稼いで、少ないときでもしっかりと収益を確保することで、企業は収益を最大化できるのです。

それではダイナミックプライシングでできる収益の最大化とはどういうものでしょうか?ダイナミックプライシングと一定価格で売り上げたときの違いを確認してみましょう。まずは一定価格の売上高の例です。

・【繁忙期】価格100円×需要100個=10,000円
・【閑散期】価格100円×需要50個=5,000円

閑散期では価格が下がらないと買わない消費者がいますが、一定価格の場合は価格を変えないので、売り上げが半分に減少しています。次にダイナミックプライシングの例です。

・【繁忙期】価格120円×需要100個=12,000円
・【閑散期】価格80円×需要80個=6,400円

繁忙期、閑散期、共に一定価格よりも収益を上げていることが分かりますね。繁忙期の需要は一定価格と同じですが、価格を上げているため一定価格より収益化できています。また、閑散期は「価格が下がれば買う消費者の需要」に対応しているので、一定価格よりも収益化できているのです。結果的に、ダイナミックプライシングを活用したことで、一定価格よりも3,400円の差がつきました。

適切な在庫管理

ダイナミックプライシングは消費者の需要が少なければ価格を下げてでも売ります。そのため需要が少ないときにも不要な在庫を抱えずに済みます。

通常、商品を仕入れるときには消費者の需要を予見して仕入れます。しかしダイナミックプライシングを活用しないと、消費者の需要が少ないのに適切な価格設定ができないため、大量の在庫を抱え込むことになります。適切な在庫管理ができるようになれば、キャッシュフローが改善し財務状態も良くなります。

ダイナミックプライシングのデメリット

ダイナミックプライシングのデメリットは次の通りです。

・投資コストがかかる
・消費者からの不信感

投資コストがかかる

ダイナミックプライシングを自社で開発できれば、費用は自社でまかなえます。しかし自社で開発できず外注することになると、投資コストがかかります。AIの知識、開発における知見を持つ人材が自社にいない場合、外注費として多額のお金がかかることになります。

そもそも、AIを扱える人材を自社で用意するのはハードルが高いです。AIを扱える人材は他社でも引く手あまた。採用後には多額の人件費がかかります。たとえ採用できても、ダイナミックプライシングのために時間を割けるかどうかは別問題。つまり、自社開発できる企業は多くないということ。投資コストは必要経費と考える見方も必要です。

消費者からの不信感

ダイナミックプライシングでは、需要が多いときに価格を上げます。しかし消費者は、価格が上がると損をした気分になります。また、価格が下がったときにも消費者は損をした気分になります。1,000円で商品を買った人が1週間後に800円で売られているのを見たら、「1週間待ってから買えば良かった!」と悔しがることでしょう。つまり、商品の内容は変わっていないのに価格が変わると消費者は企業に対して不信感を抱くのです。

ダイナミックプライシングに対して消費者が不信感を抱くと、企業から商品を買ってくれなくなるかもしれません。これまで企業のファンだった消費者がロイヤリティを下げてしまい、消費者でなくなってしまうことも。価格を上げる理由・下げる理由を周知する必要があります。

ダイナミックプライシングの導入方法

ダイナミックプライシングを導入する方法は、自社開発・外部委託の2つです。具体的な導入方法を確認します。

自社開発

自社開発はAIを扱う人材にダイナミックプライシングを開発してもらう方法です。自社開発できれば、外部の人材に頼らずに運用も自社で行えます。また、外部委託では扱っていない業界についても、自社開発なら運用できます。外部委託すると専門業者に主導権を握られますが、自社開発なら自社の思うように開発できるのです。

外部委託

外部委託はオーソドックスな導入方法です。外部委託なら自社でAIを扱う人材を用意する必要がなく、専門業者と共同でダイナミックプライシングを開発できます。専門業者はダイナミックプライシングの開発に長けていますから、導入目標の設定や成果達成まで相談に応じてくれます。オリジナリティのある開発も外部委託ならではの特徴です。自社開発では手が届かないきめ細かさが外部委託を利用するメリットです。

一方で、外部委託は投資コストがかかります。特に初期費用は多額です。しかし一度導入してしまえば、初期費用にかかったコストは恒常的にはかかりません。

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ダイナミックプライシングの事例3選

ダイナミックプライシングの事例を3つ紹介します。

駐車場

駐車場のダイナミックプライシングは、土日・平日の違いはもちろんのこと、駐車場の利用状況やイベントの実施状況などにより価格を変動させています。

akippa株式会社では日常の駐車場利用としての定常料金と、イベントの駐車場利用としてのイベント料金の2つに分け、ダイナミックプライシングを活用しています。定常料金は周辺の駐車場よりも低い価格を設定し、イベントがあるときはイベント料金の価格を大きく上げます。

ライブイベント

ライブイベントのダイナミックプライシングは、チケットの需要が多い場合に価格を上げ、需要が少ないときに価格を下げます。有名アーティストだから価格を上げるのではなく、AIの力を借りて需要に応じた価格変動を行っているのです。ライブでは空席は避けたいので、需要が少ないときは価格を下げてでも空席を埋めていくことができます。

オフライン小売

オフライン小売におけるダイナミックプライシングは、電子タグを使って需要に応じた価格変動を行っています。コンビニエンスストア大手のローソンでは、電子タグを導入し、賞味期限が近い商品情報を消費者に連絡。消費者が買うとLINEポイントがもらえる仕組みです。

まとめ

消費者の需要に応じて価格変動を行うダイナミックプライシング。メリットで挙げたように、ダイナミックプライシングを使えば企業の収益の最大化、適切な在庫管理ができます。メリット・デメリットがあるものの、需要に応じて柔軟な価格変動ができれば、競合よりも多くの収益を稼ぐことができるのです。

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