会社に事前連絡もなく、突発的に欠勤することが無断欠勤に該当します。同僚や上司、取引先にも迷惑がかかるため、決してやってはいけないことです。 無断欠勤は社会人としてのマナー違反だと認識していても、具体的な理由まで把握しきれていない方もいるかもしれません。今回は無断欠勤に至るまでの主な理由やリスク、無断欠勤後の行動について解説します。 万が一自分が無断欠勤してしまった場合に役立つ知識をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
無断欠勤はしてもいい?
結論、いかなる理由があっても無断欠勤するのは決していいことではありません。会社に多大なる迷惑をかけることがほとんどであるため、欠勤する際は必ず一報を入れる必要があるでしょう。
ただし、地震や台風などの自然災害が原因で、連絡手段が断たれてしまった場合などは特例で認められることがあります。出社途中の事故など、止むを得ない事情がある場合は無断欠勤でも責め立てられることは少ないでしょう。
また「うつ病」など、メンタル面で不調がある場合の無断欠勤も、特例で認められることがあります。しかし、自身がうつ病であることを理解してもらうことが前提であるため、正確には全くの「無断」ではないことがほとんどです。
無断欠勤はどちらかというと、連絡ができる状態にもかかわらず意図的に欠勤することを対象にNGとされます。故意に無断欠勤すると会社に迷惑がかかるだけでなく、自身にもリスクがあるため避けましょう。
以下の項目からは、無断欠勤に至るまでの理由やリスクなどを深掘りします。なぜ無断欠勤がよくないことと認識されているのか、把握するうえでの参考にしてください。
無断欠勤してしまう主な理由を客観的に分析
ここでは、無断欠勤につながる以下6つの理由について解説します。
- 寝坊・遅刻の言い訳が思いつかない
- メンタル面の不調
- 労働環境・人間関係
- 事故・急病
- 退職を示唆
- 仕事を軽視
寝坊・遅刻の言い訳が思いつかない
寝坊したり、遅刻したりしそうなときに、上司に言い訳したくないという理由で無断欠勤する人が多くいます。
単に寝坊や遅刻が発生するだけで無断欠勤するのは、軽率と捉える人も多いでしょう。しかし言い方を変えれば、寝坊や遅刻の謝罪すら抵抗がある関係性になっているともいえます。
メンタル面の不調
うつ病など、精神面が原因となる疾患を発症していることが原因で、連絡もせず突発的に休んでしまう人もいます。
メンタル面の不調を抱えていると、突然会社に行きたくなくなったり、悲しい気持ちに押しつぶされてしまいます。
食欲不振など、体調面に影響を与えることも多く、連絡することを後回しにしてしまう人も多いでしょう。
労働環境・人間関係
仕事内容や就業時間など、労働環境に対する不満が蓄積されることで、突然やる気を失って無断欠勤してしまう場合もあります。
また、職場での人間関係が悪く、会社に行きたくないという理由から無断欠勤する場合もあるでしょう。
いずれの場合も、自身だけで解決できる問題ではないため、会社と話し合うしか解決策を立案できないのも厄介な点です。
事故・急病
事故や急病など、連絡したくてもできない事情で結果的に無断欠勤となってしまう場合もあります。
自身で対策することが難しく、かつ会社にも気づかれにくいため厄介といえるでしょう。
退職を示唆
会社を辞めるつもりで、あえて悪い評価をされようと無断欠勤する人もいます。
どちらかというと「理由」というよりは「反発」に近い行動であるため、無断欠勤の理由としては該当しないかもしれません。
しかし、先述した理由で退職を考えるようになり、無断欠勤という形で会社に退職の意思を伝える人も少なくないでしょう。
仕事を軽視
退職を示唆することと同様、そもそも仕事自体に本気になれていない人が、無断欠勤する傾向にあります。
仕事を軽視している人には、退職するつもりはなくとも、理由なく欠勤するという人も多いでしょう。自分がいなくても問題ないだろうと、独りよがりの考えを持っていると、無断欠勤につながりやすいといえます。
無断欠勤することのリスク
無断欠勤には、以下に挙げる6つのリスクがあることを覚えておきましょう。 同僚・上司・取引先に迷惑がかかる 緊急連絡先に連絡される 減給・解雇される 損害賠償を請求される 辞めることがクセになる
同僚・上司・取引先に迷惑がかかる
自分の仕事がストップしてしまうため、会社全体に迷惑がかかってしまいます。
無断欠勤が理由でクライアントとの関わりがストップしてしまう可能性もゼロではないでしょう。
休む本人はそれでよくても、その分多大なる方面に迷惑をかけることであると認識しておかなければなりません。
緊急連絡先に連絡される
履歴書などに記載している、緊急連絡先に無断欠勤していることがバレる可能性があります。
緊急連絡先には家族や配偶者などを記載することが多いため、できれば知られたくないと考えている人も多いかもしれません。
しかし会社の人からすると、本人と連絡がつかない場合の連絡先であるため、ほぼ確実に連絡がいくと考えておきましょう。
減給・解雇される
無断欠勤を理由に評価が下がり、減給されることは少なくありません。信用度を大きく下げる行動であるため、当然といえば当然です。
最悪の場合、無断欠勤したことをきっかけにそのまま解雇される可能性も0ではありません。「今日だけ」と考えているつもりが、今後の人生に影響を与える可能性があることを認識しておきましょう。
ちなみに、無断欠勤で解雇されても、失業保険などの対象外になることはありません。
損害賠償を請求される
無断欠勤が理由で会社が顧客を失うことになった場合、その分の利益を補填する形で損害賠償を請求されることがあります。
軽率な思いで無断欠勤したつもりが、莫大な損失を被る結果につながる可能性があるでしょう。
辞めることがクセになる
「無断欠勤すればそのまま辞められる」と認識してしまうと、転職先でも同じことを繰り返してしまうかもしれません。
会社に迷惑をかけることはもちろん、自身の成長が期待できない点も大きなリスクです。
無断欠勤を繰り返すことで、転職活動において不利になる可能性もあるでしょう。短期で繰り返し退職していることが知られると、それだけで不採用になるかもしれません。
無断欠勤を反省したい場合に取るべき行動
無断欠勤したことを反省したい場合は、以下の行動をとりましょう。名誉挽回を図るうえで、非常に重要な項目です。 謝罪 報告 有給休暇への振り替え 休職の打診 退職・転職の検討
謝罪
何よりも、無断欠勤してしまったことを誠心誠意謝罪することが大切です。いかなる理由があっても、無断欠勤が擁護されることはほとんどありません。迷惑をかけたことをまず直接謝罪し、名誉挽回に努めましょう。
報告
なぜ無断欠勤したのかという理由を、上司に報告しましょう。メールや電話ではなく、直接報告するのが望ましいでしょう。事故や急病など致し方ない理由はもちろん、寝坊や遅刻など、言いにくい理由でも必ず報告しなければなりません。
有給休暇への振り替え
無断欠勤の理由が正当なものと認められた場合は、有給休暇への振り替えを打診しましょう。ただし、事故や急病など止むを得ない事情以外は、ほとんどの場合は認められません。
休職の打診
会社に連絡できないほどの精神状態で欠勤するのであれば、そのまま休職できないかどうか打診しましょう。理由があって休職することを理解してもらえれば、無断欠勤を続けるよりは印象がよくなります。
会社からの理解を得られれば、復職できる可能性もあるでしょう。
退職・転職の検討
休職しても精神状態や体調に回復が見られない場合は、そのまま退職するか、転職することを検討しましょう。
職場環境や人間関係など、改善が見られない場合は復職してもまた同じことを繰り返してしまうかもしれません。決して褒められる手段ではないものの、無断欠勤をきっかけに新たなステージを検討する人もいます。
まとめ
無断欠勤は会社だけでなく、自身にとってもリスクのある行動です。突発的な行動が、今後の人生を大きく左右してしまうこともあるでしょう。
どうしても会社に行きたくない場合は、今回挙げた無断欠勤の理由やリスクを把握したうえで、会社と自身双方にデメリットのない方法を考えましょう。
とはいえ、事故や急病など止むを得ない事情で無断欠勤に「なってしまう」こともあります。その場合は、会社への謝罪や報告を決して忘れず、今後働きにくくならないよう意識することが大切です。