人事や労務担当者にとって、勤怠についてきちんと理解しておくことは非常に重要です。
ただ、タイムカードなどを使って勤怠管理を行っても、ミスがつきものです。
なぜ、勤怠管理を把握するのは難しいのか、勤怠管理を行うためのツールにはどんなものがあるのかなど、詳しくご紹介します。
勤怠管理とは
では、まず勤怠、勤怠管理とは何か具体的にご説明します。
勤怠とは
そもそも勤怠とは出勤、退勤だけでなく休憩、休暇といった重要員の出勤状況を示すもので、どの程度出勤し休みを取り、残業しているかというものです。
勤怠管理とは
次に、勤怠管理とは何かと言うと、従業員の勤怠ついて把握し適切な管理を行うことを言います。
適切な管理と一言で言っても、従業員が多い企業などは1人1人の勤怠状況を確認することはできません。
システムを導入し、勤怠状況を管理することがほとんどです。
勤怠管理の方法
・タイムカード
では、勤怠管理の具体的な方法にどういうものがあるのかと言うと、タイムカードを使うというのがポピュラーです。
タイムカードを使って客観的に出勤や退勤を記録している企業は多いです。
商店や中小企業などでは現在もタイムカードで勤怠管理を行っているところは多いです。
タイムカードの使い方はタイムレコーダーにタイムカードを挿入し、出勤や退勤の時間を記録するというものです。
・ICカードや指紋認証
また、タイムカード以外にも最近多いのがICカードや指紋認証を使った方法です。
タイムカードと比べてこれらのメリットは自動的に勤怠管理を行えるという点です。
また、タイムカードならだれでも押すことができますが、これらは本人しかできないため、正しい労働時間の確認を行えます。
意外と難しい勤怠管理
ただ、退勤管理は意外と難しいと言われています。
その理由はミスがつきものだからですが、具体的にどのようなミスが起こりやすいのでしょうか?
勤怠管理にはミスがつきもの
どうしても勤怠管理に起こるミスとしてデータ集計時に発生するミスが挙げられます。
データを集計するには非常に手間がかかるのでミスが出やすく、そうなると作業に時間がかかってしまします。
遅れた分の時間を取り戻そうとすればするほど、現場でのミスが多発しがちです。
基本的に現場では毎日正しく記録や申請を行うことが徹底されるべきですが、忙しいあまり細かいことにまで目が行き届かなくなってしまうことが多いです。
また、管理する側も承認作業にまで気を配れなくなってしまい、きちんと確認しないまま承認…ということも起こり得ます。
こういったことから、勤怠管理を行う労務担当者は非常に苦労が多いのです。
よくある勤怠トラブル
勤怠管理を適切に行うことで、コストを削減したり仕事が効率化したりなど、さまざまなメリットが得られますが、逆に勤怠管理を怠ればトラブルが発生することもあります。
従業員の給与を計算する場合、勤務時間以外にも勤務日数や有休、残業時間などを考慮して計算しなくてはなりません。
これらを正しく記録、管理していないと企業にとっても従業員双方が損失を被ることになります。
勤怠管理のトラブルの例として、シフト管理が複雑になるというのがあります。
勤怠管理を行えば仕事の振り分けがある程度適切にできますが、その過程においてシフト管理が複雑になってしまうことが多いです。
さらに、突然勤怠管理を取り入れれば、それまでのシフト管理とは全く違ってしまうので従業員に受け入れられにくく、慣れるまでの間はミスが発生しやすいです。
残業時間が少なくなるため勤務時間自体が減ってしまい、仕事が遅れ滞る場合もあります。
勤怠管理を行うことは残業時間を削減できるため企業側からすればメリットが多いように感じますが、従業員は必ずしもそうではない場合があるということを理解しておきましょう。
労働基準監督署発行の勤怠ガイドライン
では、企業側はどのように従業員の労働時間を把握、管理すればいいのか労働基準監督署が発行する勤怠ガイドラインのポイントをご紹介します。
・会社は労働時間の適正な把握のため労働者の始業、終業時間を確認、記録する。
・タイムカード、ICカード、パソコンなどを使い客観的な記録を起訴に従業員の始業、終業時刻を確認し記録する。
・上の方法でなく従業員の自己申告制で始業、終業時刻を確認、記録する場合は賃金台帳を適切に整える、労働時間についての記録に関わる書類を3年間保存する、などとなっています。
勤怠管理システム・サービスの違い
さて、勤怠管理システム、サービスにはさまざまなものがありますが、それぞれについて詳しくご説明します。
クラウドタイプ
まず、クラウドタイプの勤怠管理システムですが、これはタイムカードを使用した勤怠管理システムと比較した時、コストを削減できるのがメリットです。
従業員の数が30名以上の企業なら、勤怠管理の〆作業でかなりの時間と手間を取られるはずです。
さらに、日々の遅刻や欠勤、早退や直帰などさまざまな管理ができていなかった場合、〆作業の際に確認し給与に反映させるとなれば労務担当者はかなりハードな作業を強いられるでしょう。
このように、給与計算の〆に集中するための時間や人員を考慮すれば、クラウドサービスの勤怠管理システムを利用すれば従業員1人当たりたった数百円で済むので非常にメリットが多いです。
また、クラウド型勤怠管理システムなら従業員の勤怠アカウントから勤怠データを一括で確認することもできます。
企業が使用している給与計算システムやソフトとの連携も可能です。
労務担当者にとって給与〆日前の勤怠管理や給与計算にかかる全ての業務を簡素化できるので、作業時間と手間を大幅に削減可能です。
ソフトウェアタイプ
勤怠管理システムを開発するとなると莫大なコストがかかりますし、定額サービスを利用する場合も従業員の人数により毎月かかるコスト負担はかなりのものです。
ですが、ソフトなら一度購入すればそれ以外にコストがかからないので割安です。
高額な費用をかけずに毎月の面倒な勤怠管理を行うことができます。
アプリ
勤怠管理アプリを使えば、営業担当など直行や直帰が多い勤怠管理もやりやすいです。
営業担当や外回りの方は電話などで上司へ報告したり、本人の勤務表への記載任せになるかと思いますが、正確だとは言えません。
また、虚偽があったとしても分かりませんし、外勤などがあった場合も同じです。
勤怠管理アプリを使えば、外出先からでも打刻することができますし、使用のスマホからでも打刻ができます。
またGPS機能があれば打刻した時間にどこにいたのかその位置までチェックすることもできるため、虚偽の報告を防ぐことも可能です。
タイムレコーダータイプ
最後にタイムレコーダータイプの勤怠管理の方法です。
タイムレコーダーを導入する最大のメリットは出勤時間および退勤時間が把握できる点。
タイムカードやICカードを使って時刻を記録すれば、その人の勤務時間や退勤状況を正確に把握することができますし、それを元に給与計算を正確に行うことが可能です。
正社員なら勤務時間を把握することで残業時間、残業代を計算することが可能ですし、アルバイトやパートの方なら時給によって給与計算が可能になります。
まとめ
勤怠管理とは何か勤怠管理の方法などお分かりいただけたかと思います。
従業員の勤怠を管理することは出退勤や休暇、残業などを正しく把握でき正しく給与を支払うために重要ですし、結果的に適切な労働時間に抑えられるため、結果的に健康を守ることにもつながります。
勤怠管理を行うことを通じ、従業員の仕事に対するモチベーションを維持し、健康を守ることで生産性が向上することにもつながるはずです。
この機会に、今一度勤怠管理の重要性について考えてみてはいかがでしょうか?