ティール組織とは?意味や日本での事例について

ティール組織の記事

組織についての考え方やモデルというものはいくつもありますが、近年注目を集めているのがティール組織です。
ティール組織は従来の組織とは全く異なる形態を持っています。この記事ではティール組織の概要からメリット・デメリット、ティール組織を機能させるためのポイントなどについて解説します。

目次

ティール組織とは

ティール組織とは
ティール組織とは、マッキンゼーで活躍し「ティール組織」という本の著書でもあるフレデリック・ラルーによって提唱されたものです。

ティール組織では、組織モデルの進化過程を以下のように5つの色で分けており、その中の最新モデルがティール組織で、ティール色で表されていることからティール組織と呼ばれています。

・赤
・琥珀色
・オレンジ
・緑
・ティール

詳しくは後述しますが、これらの分類は産業の発展によって進化してきたものだとされています。赤は力と恐怖による支配が行われている組織、琥珀色は規則や規律、規範によって階層構造を作る組織、オレンジは現代社会に多く見られる組織、緑は、多様性や文化を重視するコミュニティ型の組織です。そして最新モデルであるティールは、組織構造や慣例、文化といったこれまでの組織に存在した多くのものを撤廃し、意思決定の権限や責任を一人一人に譲渡しているのが特徴の組織モデルです。

ティール組織とホラクラシーの違いは?

ティール組織と似たような組織モデルの1つに、ホラクラシーというものがあります。ホラクラシーはセルフマネジメントを行うための手法であることもあって、ティール組織と同じものと捉えてしまう人もいます。

しかし、ティール組織がメンバーの自律的な判断によって機能するという組織の概念であるのに対して、ホラクラシーは、自由な組織を構築するための明確なルールがある経営手法の1つとなっており、両者は明確な違いがあります。

ティール組織にはビジネスモデルが存在しないため、様々な組織モデルが存在しても組織は機能しますが、再現性はあまりないと言えます。一方でルールがあるホラクラシーでは、他の組織モデルが入ることで機能しにくくなってしまいますが、再現性はあると言えます。

ティール組織のメリット

ティール組織になることによって、メンバーは自分の判断で行動ができるようになるため、責任感を持たせることができます。また、それによってビジネススキルの向上、ひいては会社の利益向上につなげることもできるでしょう。

そのほかにも、メンバー一人ひとりに各種権限があるため、例えば経営者による暴走や下の立場の人間による反抗といったことも起こりにくくなると考えられます。

ティール組織のデメリット

一方のデメリットとしては、まずティール組織を作り上げるまでには時間がかかってしまうということが挙げられます。また、今まで指示を受けてそれを忠実にこなしていた人にとっては対応するのが難しいかもしれません。そういった意味では全ての組織がすぐに対応できるようなものでもないと言えます。

5つの組織モデルについて

5つの組織モデルについて
先ほども少しだけ触れていますが、組織モデル以外にはティールモデル以外にもいくつかのモデルがあります。ここではティール組織とそれ以前の組織モデルを紹介します。

1. レッド組織

レッド組織は最古の組織モデルとされているものです。基本的に自分が中心となっている思考パターンを持っており、力によって組織を支配しようとします。現代においてもスラム街やマフィアなどではこのレッド組織が見られます。

組織のリーダーは力と高圧的な態度などによってメンバーに恐怖感を与え、自身に服従させようとします。また、メンバーは力を持った強いリーダーに寄りすがることで自身の安全を確保しようとします。

2. コハク組織

力によって組織を支配するレッド組織に対して、権力や緩急、制度、といった概念を組織に取り入れているのがコハク組織です。暴力的な力ではなく、秩序や統制が取れる状態で組織が構成されています。具体的には政府機関や学校、軍隊などが挙げられます。

レッド組織は自己中心的な思考パターンでしたが、コハク組織では自分自身だけでなく、他の人も含めた集団に対する思いやりなども生まれるようになります。一方で、その思いやりなどはあくまでも組織内にとどまるもので、組織外に及ぶことはありません。むしろ組織外の人間に対しては敵意を持つこともあります。

また、メンバーは組織から追い出されないようにするために組織内のルールを守るようになるのが特徴です。

3. オレンジ組織

オレンジ組織は社会的な成功を大きな目標としてもちマーケティングや商品管理、プロセスといった概念を取り入れているのが特徴の組織モデルです。実力主義の側面を持っていると言えます。

他者に対する思いやりの気持ちが組織内にとどまっていたコハク組織とは違い、組織外にもそういった思いを持つことができます。また、メンバーは組織や自分自身が成功するためにどういった行動を取らなければいけないのかを考えて実行しようとします。さらに、リーダーは組織が目標を達成することと、株主に利益をもたらすことを大切にします。

それが故に、組織のメンバーを人としてではなく、パーツとして捉えてしまうこともあります。このオレンジ組織はグローバル企業などに見られる組織モデルです。

4. グリーン組織

実力主義のオレンジ組織に多様性やステークスホルダーに対するマネジメントなどの考えを加えたのがグリーン組織です。

オレンジ組織では成功を大きな目標としていましたが、グリーン組織では成功だけを重要なものとは捉えておらずそれ以外にも大切なものがあるという考えを持っています。

組織のリーダーはメンバーのことを非常に大切にしてくれるのが特徴で、組織を引っ張るというよりも陰ながら支えるという形でリーダーシップを発揮します。

組織の意思決定に関しても、その権限のほとんどをメンバーにも付与しているため、メンバーにとっては所属しやすい組織となっています。一方で、それが故にビジネスチャンスを失う恐れがある他、オレンジ組織以前の組織に所属している人からは理解してもらいにくいという点もあるので注意しなければいけません。

5. ティール組織

ティール組織は、メンバー一人ひとりの自己実現を目指そうとする力を組織の原動力にしようとしているのが特徴の組織モデルです。これまでの組織に見られた慣習や文化といったものは存在せず、「セルフマネジメント」、「ホールネス(全体性)」「組織の存在目的」の3つを重視しています。

組織にはリーダーといったポジションの人間は存在せず、上下関係もありません。全てのメンバーが責任や権限を平等に持っているため、誰に対しても対等な立場で話し合うことができます。さらに、自由度が高く、ヒエラルキーもないため、メンバーによる反抗や組織の上位メンバーによる不正などもほとんどありません。

ティール組織が機能するためのポイント

ティール組織が機能するためのポイント
ここからは、ティール組織を実際にうまく機能させる際に押さえておきたいポイントについて解説します。

1. 進化する目的 ( エボリューショナリーパーパス )

自由度の高いティール組織は、常に変化し続けているため、ある意味で生き物のような存在だと言えます。そのため、目的やビジョンも日々変化していきます。一つの目的やビジョンを達成するために邁進するのではなく、組織内の声に耳を傾け、組織がどのように変化しているのかを常に把握しておく必要があります。

2. 自主経営 ( セルフマネジメント )

自主経営とは、各メンバーが自身の判断で目標設定や動機付けを行い、それによって発生する力を組織の運営に活かすことです。
例えば、業務の執行や判断を個人やチームレベルで任せるようにすることで、責任感を持つため、力を発揮してくれるのです。

3. 全体性 ( ホールネス )

個々人が独立した存在とも言えるティール組織ですが、あくまでも組織であるため、組織の全体性を考慮することも忘れてはいけません。

この全体性とは、メンバーそれぞれが自分の強みや個性を発揮して活動できる環境を整備することで、集団の力をより大きなものにするという考え方です。

例えば、業務で使用する備品を自分で選べる、子供やペットを連れてきて働くことができるといったことなどが全体性に関する取り組みとして挙げられます。

ティール組織の事例

ティール組織の事例
最後にティール組織としての取り組みを実際に行なっている会社を事例として紹介します。

ネットプロテクションズの事例

Credit Tech(クレジットテック)のパイオニアとも言える存在である株式会社ネットプロテクションズでは、ティール組織実現を目指して、新しい人事評価制度を導入しています。制度の特徴は以下の通りです。

・マネージャーという役職の廃止
・組織における采配や判断を行う権限を持つ役割を設置。この役割は流動的に交代可能
・職務グレードを5段階にし、全社員にグレードを開示
・半期で4回の面談
・業務を共に行うメンバーによる評価が昇格や昇給に影響を与える

このように、従来の組織で見られた役職を廃止したり、権限を流動的にしたりと、社員一人ひとりの自由度が高くなっているのが特徴です。

引用・参考:

まとめ

ティール組織のまとめ
今回は、ティール組織の意味や組織モデル、ティール組織の事例などについて解説しました。ティール組織はこれまでの組織モデルとは大きく異なる新しい組織のあり方です。実践するのは決して簡単ではありませんが、うまくいけば組織のメンバー一人ひとりが最大限の力を発揮することができ、組織をより成長させることもできるでしょう。

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